組織開発

2025.04.04 オンボーディングプログラム作成でM&Aアドバイザーの早期戦力化・組織力強化を実現

株式会社ウィルゲート

2006年設立。SEO支援ツール「TACT SEO」などを活用したSEO支援や、AI技術を駆使した記事作成サービスなどコンテンツマーケティング事業を展開。またSNSを活用した営業支援サービス「ソーシャルセリング」、フリーランス人材マッチング事業にも取り組む。さらに現在は、ベンチャー・IT領域に強く、売却前の企業価値向上やM&A成立後のグロース支援まで包括的にサポートする「ネオM&A仲介会社」を目指し活動している。

専務取締役 共同創業者 吉岡 諒様(画像右から2人目)
経営企画 兼 M&A 事業部シニアディレクター 植田 路生様(画像左から2人目)

EXECUTIVE SUMMARY

  • 1. 株式会社ウィルゲートは、M&A仲介事業でインバウンドのお問い合わせが増加し、それに対応できる人材が不足していた。即戦力となる経験者採用を試みたが難航したため、「未経験者を育成する」という方向に転換。未経験人材の早期戦力化を図るため、オンボーディングプログラムの作成をリブ・コンサルティングに依頼した。
  • 2.プログラムを現場のメンバーに根付かせるための活用支援や、PDCAサイクルを回すための伴走型サポートを提供。それにより、内定者が早期に戦力化され、入社前に目覚ましい成果を上げた。また組織内の共通言語や育成基準が明確化され、マネージャーとアドバイザー間のコミュニケーションが改善。アドバイザー育成に関わるマネージャーの指導の質も向上した。

 

M&A領域の拡大の課題となった「人材不足」

リブ・コンサルティング 坊 将徳(以下、リブ坊)  改めて、ウィルゲート様が展開するM&A仲介事業の概要についてご説明いただけますか?

ウィルゲート 吉岡 諒様(以下、吉岡氏) 私たちは「ベンチャーの可能性を広げ、あらゆる挑戦を支援する」というビジョンを掲げています。
そしてベンチャー企業が抱える売上拡大、マーケティング・営業課題、人材採用といった悩みに対し、ワンストップでソリューションを提供できるのが当社の強みです。

一般的なM&A仲介は、企業の売買を支援するのが主な事業内容です。しかし弊社の場合、デジタルマーケティングやSNSを活用した営業支援、フリーランスのプロ人材マッチングなど幅広い形でお客様のビジネスを支援できます。
そこで、約20年の間に培ってきたノウハウや強みをソリューション化し、企業の価値向上やグロース支援も行うという新たなM&A仲介の形を、「ネオM&A仲介」と名付けたのです。

リブ坊 なるほど。そんなネオM&A仲介の事業において、貴社にはどのような課題があったのでしょうか?

吉岡 当社が抱えていた課題は「人材の獲得」です。
一般的なM&A仲介事業は、業務の大半をテレアポなどの業務に費やすこととなります。ウィルゲートはデジタルマーケティング施策により、インバウンドでのお問い合わせを多数いただける環境を構築できましたが、問い合わせに対応できるアドバイザー人材に上限がきている状況でした。即効性のある打ち手としてM&A仲介を経験している優秀な人材を即戦力として中途採用する施策を進めていましたが、あまり上手くいっていませんでした。

そこで着目したのが、若手アドバイザーの育成です。採用戦略の見直しを進める中で、当社の成績上位者を調べたところ、2019年、2020年の新卒メンバーが多いことが分かりました。さらに調査を進めて、新卒入社して2年を経過したころには、ほぼすべてのメンバーが年間1億円以上の売上をあげることができていたのです。

経験者採用が難しくても、新卒や未経験者を育成することで人材不足を解消しようと決断しました。

オンボーディングプログラム作成へ方針を転換

吉岡 採用方針を転換する中、次に直面したのは「人材育成に割く時間やリソース」という新たな課題でした。

M&A仲介のアドバイザーをいちから育成して戦力化するのに、およそ1年から1年半の期間が必要でした。問い合わせから契約までのリードタイムも考慮すると、単年ベースでは赤字になる計算です。単年での黒字化(採用費用や人件費の回収)を目指すには、この育成期間を半年まで短縮させる必要がありました。

これまでの事業活動を通じて、営業の型化など育成のノウハウは蓄積されていたので、社内で人材育成を進めることも不可能ではありませんでした。しかし、アドバイザー育成に関わるのは成績優秀者やベテランのアドバイザーです。彼らの可処分時間の何割かが育成に割かれることで、数千万円単位の機会損失が生まれる恐れがありました。

こうした要素を踏まえて、社内ではなく外部の協力会社に人材育成を依頼するほうが、課題を解決しつつ品質の高いオンボーディングプログラムを作成できると考えたんです

リブ坊 未経験者採用と育成基盤の構築という戦略に舵を切る中、協力会社としてリブ・コンサルティングを選んだ理由は何だったのでしょうか?

ウィルゲート 植田 路生様(以下、植田) リブ・コンサルティングは、我々のようなベンチャー企業特有の、未整備な組織状況への理解度が非常に高かった点が決め手です。未成熟な組織を一部カバーできるようなプログラムになっていました。

さらに、オンボーディングプログラムも既存のパッケージをそのままの形で提供するのではなく、当社の課題に合わせてカスタマイズした提案をしてくれました。その内容を見て、「このプログラムはプロジェクト終了後も長く活用できる」と確信し、リブ・コンサルティングへ依頼しようと思ったんです。

リブ坊 今回は約半年間のプロジェクトでしたが、私たちは半年間を終えた後にウィルゲート様に何を残せるのかを重視してプログラムづくりを考えました。その点を評価していただけて、とても嬉しいです。

内定者の早期戦力化と組織内コミュニケーションの円滑化に貢献

リブ坊 実際にオンボーディングプログラムを導入して、どのような効果がありましたか?

吉岡 目に見える効果として、ある若手の新規採用者の早期戦力化が挙げられます
彼は業界未経験ながらリブ・コンサルティングのプログラムを経た研修後すぐにM&A仲介契約を締結し、既に複数の案件を保有しています。

これらの案件が成約すれば、入社後最初の6ヶ月で1億円程度の売上を達成する見込みです。入社後、これほど短期間で成果を上げるのは前例のないことで、オンボーディングプログラムの高い効果を実感しています。

植田 個々の成長に加えて、組織全体の共通言語ができたことも大きな成果です
以前はパフォーマンスが低いアドバイザーへフィードバックしようにも、アプローチが難しく改善に多くの時間を割かざるを得ませんでした。マネージャーからの指導に対して、自分の問題点が分からず反発するアドバイザーも少なくなかったんです。

しかしプログラム導入後、アドバイザー自身が自分に不足している能力などを把握しやすくなり、マネージャーとのコミュニケーションも円滑になりました。その結果、改善スピードが格段に向上し、組織全体の活性化にもつながったのです。

リブ坊 マネージャーの負担軽減とアドバイザーの成長促進、そして組織全体の活性化といった成果が得られたのですね。
ウィルゲート様の場合、オンボーディングプログラムを今このタイミングで導入できたことも非常に大きかったと思います。組織が拡大すれば拡大するほど、自社の当たり前としている価値観をメンバーに落とし込むコストは増大します。

リブ・コンサルティング 赤塚 駿 アドバイザーの人数がまだ少ない今だからこそ、より早く貴社が目指す水準をメンバーに浸透させることができたのかなと思います。今後メンバーが増えても、プログラムを通じて早期の戦力化がスムーズに進められると思います。

吉岡 そうですね。当社が取り組むSEO事業とM&A仲介事業は、実は良く似ています。どちらの企業も、顧客の事業内容やターゲットを深く理解しないといけません。

今後、両事業間で人材の移動なども検討しています。社内異動と採用でM&A仲介に未経験者を集めていく中、このタイミングでオンボーディングプログラムを作れて非常に良かったです。

リブ坊 リブ・コンサルティングの支援プロセスで印象に残っていることはありますか?

植田 アドバイザーへのアプローチだけでなく、マネージャーへのアプローチにも力を入れていた点は、非常にありがたかったです

プログラムの内容を教えるだけでなく、マネージャーがその内容を理解し、使いこなせるようにするためのサポートが手厚かった。おかげで、マネジメントスキルの向上にもつながりました。

また、リブ・コンサルティングの伴走力には驚かされました

メンバーのスケジュール管理や業務内容のチェックなど、きめ細やかなサポートにより、PDCAサイクルをスムーズに回すことができました。若いマネージャーが多い当社にとって、皆さんのサポートは非常に心強かったです。

吉岡  月1回開催されるステアリングコミッティ(プロジェクトや組織の意思決定や方向性を指導・助言する委員会)も効果的でした

この会議体で進捗状況の確認や要望の伝達をスムーズに行えたことで、プロジェクト全体を円滑に進めることができました。

一般的な営業の型化支援では、コンテンツ作成に重点が置かれがちです。しかしリブ・コンサルティングは、コンテンツ作成だけでなくその活用方法まで丁寧にサポートしてくれました。そのおかげで、プログラムがしっかりと根付いたのだと思います。

 

ベンチャー領域のM&Aでトップに立つ

吉岡 型化・仕組み化は、トップセールスマンの時間を奪う可能性があるため、内製化にはリスクが伴います。特に単価の高い商売やLTVの高い商品を扱う企業、新卒・未経験者採用に力を入れている企業には、リブ・コンサルティングのプログラムを強くおすすめします

投資対効果は非常に高く、組織の成長を加速させる強力な武器となるでしょう。

植田 中小企業こそ、リブ・コンサルティングのプログラムを導入すべきだと感じました。今後、人材不足はさらに深刻化し、採用はますます困難になるでしょう。限られた人数で成果を上げるためには、質の高い育成プログラムが不可欠です。短期的なコストにとらわれず、長期的な視点で投資効果を判断すれば、大きな成果を得られるはずです。

リブ坊 ありがとうございます。最後に、ウィルゲート様の今後の展望について教えてください。

吉岡 ネオM&A仲介のビジネスをさらに成長させ、ベンチャー領域のM&Aを活性化していくことで、日本のスタートアップのエコシステムの構築・発展に貢献したいです

日本国内のM&A領域は、いわゆる一般的な経営者のM&Aが75%、また非IT領域のM&Aが95%を占めています。私たちが取り組む若手経営者のM&Aは25%、IT領域はわずか5%という市場規模ですが、それでもこの分野には大きな可能性があると思っています。

メルカリ創業者の山田さんをはじめ、M&AでEXIT後の次の起業で日本代表するようなメガベンチャーになった事例もいくつもありますから。まずはベンチャーM&Aで国内トップとなり、さらに事業承継や非IT領域にも進出していくつもりです。

その過程で、リブ・コンサルティングと共に作り上げたオンボーディングプログラムを活用して、優秀な人材を育成していきたいですね。

植田 吉岡が言うように、今後IT領域におけるM&A仲介をさらに成長させて、シェアを100%に近づけていきたいです。その中で、M&Aを通じてベンチャー企業に新たなチャンスを提供できるような支援ができればと考えています

こうしたさまざまなチャレンジを通じて、日本の産業界全体の発展に貢献できるよう、柔軟に動ける組織体制を作っていきたいです。

リブ坊 素晴らしい目標ですね。弊社もウィルゲート様と同様に、日本の産業を盛り上げたいという想いを抱いています。今後、人材育成も含めてさまざまな場面で外部のリソースが必要になった時は、いつでもお声がけください!

 

ウィルゲートの新人・未経験即戦力化の秘訣をより深堀りします!

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自社の人材育成、採用した社員の早期戦力化、欲しい人材の採用に課題を感じている方 は、ぜひご参加ください。

【こんな方におすすめ】
・事業拡大を目指し、早期戦力化に悩む経営者の方
・新規事業で活躍する人材の採用・育成にお困りの経営者の方
・事業開発や経営企画、人事部門で具体的なオンボーディング/育成対応を行っている方

【ご参加者様のメリット】
・具体的な育成手法や仕組みづくりのプロセスを学ぶことで、自社の事業拡大に応用可能
・「型化」「仕組み化」による組織づくりのポイントを見極め、属人化を避けて知識を得られる。
・育成の仕組みを「自分たちだけでなく外部も巻き込む」形で構築する考え方が得られ、採用や組織強化の方向性を具体化できる。
・ノウハウが属人化しない仕組みづくりを、事業を急成長させる企業事例から直接学べる

 

(※本記事は2025年3月の取材時の情報をもとに作成しています)

 

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