2024.07.19 「ころやわ」で世界中の転倒問題の解決へ。スピード感と実動力で事業戦略の検証を支援
EXECUTIVE SUMMARY
- 1. 独自の技術で社会課題解決に取り組むマジックシールズは、着実にその売上を伸ばしていた一方で、さらなる成長を実現するための人的リソースの不足に悩まされていた。そこで、そこで、外部の協力による事業戦略・営業体制の見直しを決定した。
- 2.リブ・コンサルティングは医療・介護業界に対する見識や実動力を活かし、営業体制の見直し、営業戦略の検証、新たなビジネスモデルの販路拡大などを支援。粗利の改善、スピーディな事業戦略策定に貢献した。
自社活動の着実な実績に加えて、さらなる事業成長の加速のために依頼を決断
リブ・コンサルティング 辻 将吾(以下、リブ辻) マジックシールズ様が抱えていた課題と、弊社にご依頼いただいた経緯について教えてください。
マジックシールズ 下村 明司様(以下、下村)高齢者の転倒による骨折は大きな社会課題であり、国内では毎年100万人もの方が転倒骨折しています。私たちが提供する「ころやわ」は、超高齢化の進む日本や世界各国に貢献できるプロダクトという自負があります。着々と国内での実績を積み重ねる一方で、徐々に自社の技術力や製品を市場に届けるために必要な、戦略やノウハウ、リソースの不足を実感するようになっていきました。
マジックシールズ 杉浦 太紀様(以下、杉浦) 営業方法や商品開発など、社内でできる限りの課題解決に取り組みました。一時期は業務委託を通じて、個人事業主などのパートナーに力を借りたこともあります。こうした活動に加え、さらに外部パートナーの協力を得て事業成長を加速させようというタイミングで、同業他社を通じてリブ・コンサルティングを知りました。
貴社は医療・介護業界での実績が豊富であり、組織力も高い。私たちに不足しているスキルやノウハウを補完しつつ、課題解決に貢献してくれるのではと思い、依頼しようと決めたのです。
実際に、プロジェクト初期から多くのメンバーが参画し、最初の2週間で400ページにも及ぶ事業戦略・営業戦略の資料を作成してくださいました。
その様子を見て、貴社に対して心強さを覚えました。
品質改善と営業体制の強化のために粗利も改善
リブ辻 ご支援では、大きく3つのプロジェクトを同時並行で進めていきました。そのうちのひとつが、営業業務の整理と標準化です。
杉浦 営業活動に関する情報を整理して資料化するというのは、長らく弊社が抱いていた課題のひとつでした。しかし、皮肉にも営業活動は好調で多忙を極めており、それぞれの営業担当者が持っている情報を集約・整理することができませんでした。結果、一つひとつの案件でお客様と丁寧な商談を重ね、適正価格で受注するという流れが作れずにいたのです。
弊社は一度、お客様と1対1の商談にリソースを割けないのなら、ウェビナーで1対複数の製品説明をすることで、省力化と受注数の増加をしようと考えました。しかしリブ・コンサルティングはその流れに異を唱え、顧客の課題をしっかりとヒアリングし、必要なプロダクトを提供するソリューション営業に切り替えるべきだと提案してくれました。
この声があったからこそ、弊社の営業戦略は適切に軌道修正できたと思います。その後、私たちはインサイドセールスが見込み顧客にアプローチして、フィールドセールスが商談し受注につなげるという営業スタイルを構築できました。
貴社の力がなくても、いずれはこの営業スタイルを確立できたかもしれません。しかしリブ・コンサルティングの支援によって、より早く営業体制を整えられたと感じています。
リブ辻 そう仰っていただけてよかったです。営業戦略の見直しでは、営業支援ツールを用いての顧客管理方法も整備させていただきました。
杉浦 そうでしたね。営業ツールを用いての案件管理の習慣は、徐々に定着してきています。現在はツールに記載された情報をもとに、対応すべき案件に優先順位をつけて営業できるようになってきました。
また、リブ・コンサルティングの支援によって粗利も大幅に改善されています。「ころやわ」の薄型化による原価低減も影響しているのですが、貴社が「黒字を確保できる値下げライン」を明確化してくれたことも、大いに寄与していると考えています。スタートアップは基本的に、専門領域の最前線で事業を展開しています。そこに深く関わる貴社だからこそ、新規事業開発の最新事情や、リーンキャンバスなどスタートアップならではのフレームワークをよくご存知でした。
特に印象的だったのが、スタートアップ事情としてもPMF度合いが高まっており、プロダクトの完成度も高く、市場の中で大きく活躍しているという状況を教えてくださったことです。この状況下に対して、弊社が従来の戦略で挑んでも成功は難しいという率直な意見から、弊社がどのように戦うべきかを指南してくださいました。
新たな販売チャネルの可能性をスピーディに検証
リブ辻 本プロジェクトの最中、マジックシールズ様はアメリカでの「ころやわ」販売事業により注力していこうか検討したことがありました。
下村 国内での売上が好調であったのに加えて、2023年8〜10月にかけてはアメリカへの販路が広がり、同国での反応が日本以上によかったんです。その様子を見て、私たちは国内ではなくアメリカを優先して、事業を拡大すべきではないかと考えました。
しかしリブ・コンサルティングは、国内での新たな営業戦略を提案してくださいました。それがケアリフォーム領域への販路拡大です。
リブ・コンサルティング 野原 考生(以下、リブ野原) 国内戦略を検証したところ、代理店を活用してケアリフォームにアプローチできる可能性があると弊社では考えました。昨年8〜10月は、資料を一旦集めたうえで営業活動を重ね、その結果を皆さまに報告し今後の方向性を協議するというフェーズを挟みました。残念ながら、結果的にケアリフォームへの事業展開は一旦保留という結論にいたりました。
下村 ケアリフォームは戸建て住宅などが対象となるため、どうしても1件あたりの受注金額は介護施設・病院などのお客様には届きません。ある程度の売上を確保するには量が必要であり、そこにリソースを割くのは難しいと考えました。
とはいえ、新たな販売チャネルの模索を自社だけでやろうとしたら、中途半端な結果しか得られなかったと思います。リブ・コンサルティングは、徹底的かつスピーディに、一連の検証を完遂してくださいました。おかげで、ケアリフォームというチャネルに対しての売上予想もでき、他の経営戦略に注力しようという決断を下せました。
杉浦 このフェーズでは、リブ・コンサルティングの営業力の高さにも驚かされました。ケアリフォームという新規営業先について、弊社から多くの情報を提供できずにいました。それでも、限られた情報を活かしてお客様とコミュニケーションを重ね、商談を成立してくださったんです。
弊社で人材を採用・育成して営業して……という手順を踏んでいては、これほどスピーディに検証結果を得られなかったでしょう。ちなみに、今回の検証で知り合った関係者様とは、今も良好な関係を築けています。今後行われる学会・展示会にも参加して、徐々に販路の拡大につなげていく予定です。
自社にはない視点で事業戦略を模索してくれた
リブ辻 今年に入ってからは、マジックシールズ様は「ころやわ」のサブスクリプションモデルを開始されました。料金設定にも大きな問題点は見られず、皆さまからこのアイディアを聞いたときは「なるほど!」と驚かされたのを覚えています。
リブ野原 サブスクリプションモデルの営業活動は、主に私が担当しました。まずは既存顧客である介護施設や病院からはじめ、居宅介護支援事業所(ケアマネージャー)にも販路を拡大していきました。
下村 サブスクリプションモデルは今年1月からパッケージングや料金設定などの準備を進め、2月からリブ・コンサルティングと検証を始めました。お客様には好評で、3月には新潟から四国にかけて多くの受注がありました。
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リブ辻 この流れを途絶えさせず、さらなる売上拡大につなげていけるようお手伝いできればと思います。最後に改めて、弊社の支援についてよかった点をお聞かせいただけますか?
杉浦 こちらの不足しているリソースを補完してくれたことと、私たちとは違う視点から徹底的に事業戦略を検証してくれたことです。貴社とは定期的に打ち合わせをおこなっていましたが、実はそのなかで業界知識をあえて伝えないことがありました。こちらから介護業界・医療業界の情報を共有することで、弊社の主観が入ってしまうかもしれないと考えたからです。
その状態から、リブ・コンサルティングは徹底的に情報を調べ上げるとともに、営業活動を通じて検証を重ねてくださいました。プロジェクトに参加した皆さんがその姿勢を一貫していたため、「リブ・コンサルティングが言うのだから間違いない」と、納得感を持って提案を受け入れられました。
下村 皆さんにお願いしてよかったのは、さまざな検証をスピードアップできたという点です。仮に、自社だけでは合計3ヶ月かかったであろう検証を、貴社によって1ヶ月まで短縮できました。会社の将来を預かる身として、2ヶ月の猶予が生まれることは数字以上に大きな意味を持ちます。机上の空論ではなく、高い解像度・実行力を持つリブ・コンサルティングのサポートに、今後も期待しています。
リブ辻 これからも、皆さまにご評価いただいた実動力とスピード感でご支援を続けられればと思います。
(※本記事は2024年6月の取材時の情報をもとに作成しています)