ファイナンス 新規事業開発 経営戦略

2024.03.08 新規事業立ち上げから上場準備のサポートまで一気通貫でサポート

バリュークリエーション株式会社

2008年に設立。自社独自のツール「Vasta」を利用した広告運用支援などを主に行うマーケティングDX事業とは別に、2020年より不動産DX事業を立ち上げた。近くの解体業者の見積もりを比較し、最安値を知ることができる完全無料サービス「解体の窓口」では、全国1,900社の解体業者から「逆オークション形式」で業者を検索できる。2023年11月22日、東証グロース市場にて上場を果たした。

代表取締役 新谷 晃人様(画像左から2番目)
執行役員 田中 佑弥様(画像右)

EXECUTIVE SUMMARY

  • 1. バリュークリエーション株式会社は、マーケティングDX事業以外の事業展開の方向性を模索する過程で、不動産領域における解体業者のマッチング事業に注目した。協業できる解体業者の開拓や新規事業の立ち上げ・収益化のために、社外リソースとしてリブ・コンサルティングに支援を依頼した。
  • 2.プロジェクトでは、ビジネスモデルの再構築、解体業者の開拓、コールセンターの整備などで新規事業立ち上げを支援。その後に実施された事業展開プロジェクトでは、住宅解体からの土地活用に新たな収益性を見出した。さらに上場支援プロジェクトでは、事業の強みを適切に押し出した資料で上場を大きく後押しした。

不動産領域の新規事業立ち上げに向けて

リブ・コンサルティング 大島周(以下 リブ大島) バリュークリエーション様の主軸である、「マーケティングDX事業」と「不動産DX事業」の特徴について教えていただけますか?

バリュークリエーション 新谷 様(以下 新谷) マーケティングDX事業は大きく3つの点が特徴であり、他社との違いだと私たちは考えています。

①レガシー業界をメインターゲットに、リード獲得だけでなく、LTVを高めるための支援を行っている。
②バリュークリエーション自体も事業会社であり、お客様が予算をもって事業を展開することの難しさを理解している。
③お客様に自社の広告プラットフォーム「Vasta」を提供し、Web広告の効果検証と効果の最大化に貢献している。

また、不動産DX事業にて展開している「解体の窓口(https://kaitai-mado.jp/)」には、次のような特徴があります。

見積もりを比較して最安値の業者を発見できる。この「逆オークション方式」によって、お客様によりよいサービスを紹介・提供している。
②約1,900社以上の解体業者と提携している。
③住宅の解体で終わりではなく、土地の売却、住宅の建て替え、駐車場の整備といった出口戦略もサポートしている。

リブ大島 弊社は2020年4月から始まったプロジェクトで、「解体の窓口」のサービス開発と事業成立のお手伝いをさせていただきました。ご依頼いただいた経緯についても、教えていただけますか?

新谷 きっかけは、知り合いの経営者同士の集まりでした。その集まりで、リブ・コンサルティングの権田さんとご一緒したんです。不動産領域での新規事業について悩んでいた私に、住宅不動産とベンチャー支援の豊富な見識からさまざまなアドバイスをして頂き、そんな真剣に向き合ってくれる姿勢を見て信頼できそうだなと思い、と声をかけました。そして、新規事業の立ち上げを支援していただくことになったんです。

バリュークリエーション 田中 様(以下、田中) 当初リブ・コンサルティングには、急務としていた解体業者の開拓を依頼していました。ちなみに、このとき展開しようと思っていたビジネスモデルは、今のような逆オークション形式ではありません。「厳選1社スタイル」という形式で、プラットフォームを介してお客様に最適な解体業者を、私たちがご紹介するというものでした。

ギリギリの状況でたどり着いたビジネスモデルと副産物

リブ大島 実際にプロジェクトをスタートさせて、最初の1.5カ月で「このビジネスモデルでは難しいかもれない」という問題に直面したのを覚えています。そこから時間をかけて、現在のビジネスモデルに転換させていきました。

新谷 このときは、私たちもリブ・コンサルティングの皆さんも、重苦しい空気に包まれていましたよね(笑)。また、スタートアップの「生きるか死ぬか」という状況と真摯に向き合い、型化を現場に浸透させていくことも鑑みて行動してくださっていました。これらすべての姿勢が、ありがたく、頼りがいがありました。

リブ大島 プロジェクト開始からの約1カ月間は、苦しい状態が続いていました。プロジェクト開始時点から、解体業者の収益構造などの理解をはじめ、業界に関する理解を深めていきました。そして、このマッチングビジネスが成立するために、どのような課題をクリアすればいいのかを定義していったのです。

新谷 撤退の「て」まで声が出かかっているギリギリの中で、「これを試してみませんか?」と提案されたのが、逆オークション形式でした。

リブ大島 サービスのモデルを考えた後、お客様からの問い合わせから成約にいたるまでのフォローをしつつ、ビジネスモデルが成立するのかを考え、逆オークションモデルに辿り着きました。一定の手応えを感じられた後は、解体業者の開拓とコールセンターの整備に注力していきました。

田中 現在「解体の窓口」は、毎月、数千件を超えるお客様から問い合わせを頂くサービスに成長しました。成約へとつながるお客様も着実に増えています。土地活用や不動産に残された不用品回収など、解体事業周辺の分野についても、対応できるパートナー会社が全国で増えているという状況です。

新谷 一気に潮目が変わったのを、私たちも感じていました。解体業者の開拓と成約の獲得という両輪が回り始めたことで、「この事業はいける」という実感が持てたんです。さらに、「解体の窓口」を通じて「土地活用」という大きな副産物も発見しました。

リブ大島 「解体の窓口」で集積された情報が、新たなビジネスにつながるのではないかと考えたのですよね。お客様へのヒアリングなどを行った結果、土地の売却や建て替えなどのニーズに応じて、適切な業者を紹介する。私たちは新規事業立ち上げに合わせて、事業展開もご支援させていただきました。

事業を熟知するからこそできた上場支援

リブ大島 その後、弊社はバリュークリエーション様の東証グロース市場上場もご支援させていただきました。

(バリュークリエーション株式会社 東京証券取引所グロース市場への新規上場に関するお知らせページ抜粋)

新谷 上場に向けて、投資家へ提出する資料の作成が必要でした。私にはそのノウハウがないし、CFOの和田 晃一だけで対応するには限界があります。そこで、弊社を支援し続けてくださったリブ・コンサルティングに、相談相手になってほしいと考えました実際に、今後の経営戦略についても数時間議論をして上場準備にとどまらない形でサポートを頂きました。

リブ大島 そうした情報をもとに、和田様と上場に必要な提出書類や、投資家に向けた資料を作成していきました。各種資料の作成では、事業を熟知して何を強みとして押すかがとても重要であり、難しいポイントでもあります。貴社を熟知している私たちだからこそ、上場という大事なタイミングでお手伝いできることがあったのかなと自負しています。

人間味のある支援に感銘を受けた

リブ大島 これまでの弊社の支援に対する感想をお聞かせいただけますか?

田中 新規事業立ち上げのプロジェクトからずっと感じているのは、「ここまでやってくれるのか」という驚きです

私たちは、今回はじめて外部のコンサルティング会社と仕事をしました。リブ・コンサルティングと仕事をするまで、コンサルティング会社は私たちと一歩距離を置き、フレームワークを駆使して支援するものだと思っていたんです。皆さんはまったく逆で、プロジェクトに深く関わり、物事を押し進めてくださいました。

リブ・コンサルティングは、プロジェクト中よく「伴走していきましょう!」と声をかけてくださいましたよね。フタを開けてみたら、伴走レベルではないほどの密着感でした(笑)。チームの一員として走り続けてくれるその姿勢には、感銘を受けました。近い将来の目標として、弊社のプロダクトで営業で悩む方をなくしたいと考えています

新谷 一言で言うなら、リブ・コンサルティングは人間味があるコンサルティング会社です。プロジェクトに携わってくれた方々が皆さん人間味にあふれていたので、こちらも社内・社外と区別をせず、存分に胸の内を明かすことができました。

リブ大島 新谷様からは、良い部分は良い、ダメな部分はダメと率直なフィードバックをいただきました。忌憚のない意見を交換できたからこそ、新規事業、事業展開、上場とすべてのプロジェクトを完遂できたのだと思います。

貴社はよく、事業立ち上げのヒリヒリした感覚を「胃の中に◯個ウニがいる」と表現していました。チームの一員として仕事ができたことで、私たちも同じ感覚を味わいながら仕事ができましたし、多くの達成感や感動も共有できました。

新谷 どんなプロジェクトであれ、リブ・コンサルティングはハンズオンで強力な推進力を発揮してくれます。周りの経営者には、そう伝えて貴社をおすすめしています(笑)。

リブ・コンサルティングは弊社と深い関係を築いた上で、今回のプロジェクトに取り組んでくれました。同じアツい想いを持ってハンズオンで共に事業を作ってくれる事の良さに皆、気づいていないし勿体ないなと思います。その素晴らしさを外部からのぞくことはできませんが、ぜひ多くの経営者には、貴社の熱意の強さを知ってほしいですね。

リブ大島 そう言っていただけてとても嬉しいです。最後に今後、上場のメリットを活かしてどのような成長戦略を描いていらっしゃるのかを教えてください。

新谷 上場によって、選べる戦略が大幅に増えたことを実感しています。その上で、私たちがやるべきことは、まず既存事業で着実に売上・利益を伸ばしていくことだと思っています。市場の世界では有言実行が重要ですから。

そうやって、目の前の予算をしっかり達成していった先に、1,000億、2,000億という時価総額が見えてくるのかなと思います。今は淡々と飄々と事業に取り組みつつ、この状況を楽しみたいです。