2024.02.16 なぜリクルートは、業界関係なく勝ち続けられるのか?-"リクルート流"営業勝ちパターンの作り方-
時価総額日本5位、各業界にビジネスを展開するリクルート。
その事業は、
・ホットペッパー
・SUUMO
・スタディサプリ
など多岐にわたります。
読者のみなさまも上記サービス名は聞いたことがあるのではないでしょうか?
今回は、そのリクルートの事業の強さの源泉ともなる営業組織の秘密に迫った記事です。
最初に全体像をお伝えします。
リクルートの裏側を読み解くと、強さの秘訣が見えてきます。
リクルートの強さとは何なのか?
ちなみにリクルートの強さは、1人あたりの売上の高さに下支えされています。
この一人当たり売上の高さは何に支えられているのでしょうか?
リクルートのブランド力…
ではありません。
実は、リクルートの営業でも、想像とは異なり、意外と地道な営業活動が行われています。
・アポ数:1-2件/日
・アポ取得率:2%程度
・飛び込み営業件数:20件以上
決して、ブランド力のみによって、リクルートの好業績が実現されている訳ではないのです。
リクルートの強さの源泉
では、リクルートの営業の強さは具体的には何なのでしょうか?
強さの源泉を読み解くと、下記3つにまとめることができます。
①優秀な社員が勝ちパターンをつくる
②勝ちパターンを組織に落とし込む
③勝ちパターンを進化させる
リクルートは、それぞれの業界の勝ちパターンを見つけ、それを実行し、
アップデートし続けることが非常に優れているのです。
①優秀な社員が勝ちパターンをつくる
でリクルートでは、勝ちパターンはどのように作っているのでしょうか?
リクルートの勝ちパターンの定義は「高い受注率」と「高い再現性」を実現する営業パターンのことです。
営業の中において、高い受注率と高い再現性が担保できるのは、当たり前に望ましいことですよね。
皆さんが気になるのは・・・
1. どのように「高い受注率」を実現する営業パターンを見つけるのか?
2. どのように「高い再現性」を実現するのか?
この2つではないでしょうか?
実は、「高い受注率」と「高い再現性」を実現する勝ちパターンは、
役員層を含むトップ層の社員たちによってつくられているのです。
その一例を見てみましょう。
リクルートの中でも大きな事業の1つである住宅情報サイトのSUUMO。
このSUUMOの事業立ち上げ期も、リクルート流の勝ちパターンづくりが行われていました。
SUUMOの事業について、役員とトップ社員が初期仮説を立て、各エリアをまわることから開始。
その中で、「だれに」「何を」「どのように」に売っていくと、効果的なのか検証をしたそうです。
検証結果を徹底的に記録し、実行した施策を評価しながら、「高い受注率」と「高い再現性」を実現する勝ちパターンを確立させていきます。
<勝ちパターンを作る方法まとめ>
・役員層を含むトップ層が初期の仮説検証を行う
・PDCAサイクルを通じて「だれに」「何を」「どのように」売るのかを明確にする
②勝ちパターンを組織全体に落とし込む
ご紹介してきた、「勝ちパターンをつくる」だけでは全く意味がありません。
役員層を含むトップ層の社員がつくった営業パターンが受注率が高いことは想像がつきますよね。それを社員にどうやってもらうかが、次の関門となります。
勝ちパターンをどのように社員に落とし込むか?が次の関門となります。
その勝ちパターンをやらせきるために、リクルートではWill-Can-Mustシートを活用しています。
注目したいのは、リクルートは、ルールによる強制ではなく、「モチベーション維持」によって、行動を担保し、勝ちパターンを行動に落とし込んでいる点です。
営業マネージャーと現場で営業するメンバーとのコミュニケーションを図解で紹介します。
上記のイメージのように、自分の上長とシートを用いた定期レビューを実施します。
その中で、Will-Can-Mustを組み合わせながら、今後の自分のアクションについて、自己決定感を醸成することで、責任感を持たせ、組織全体でやりきるのです。
このようにモチベーションも担保することで、勝ちパターンを確実にやりきり、「高い受注率」と共に、だれもが実行できるよう「高い再現性」もあわせて実現していくのです。
<勝ちパターンを組織に落とし込む方法のまとめ>
・ルールによる管理ではなく、モチベーションの維持
・Will-Can-Mustを組み合わせた自己決定感の醸成
③勝ちパターンを進化させる
最後のポイントです。
トップ社員が一度作ったパターンはそのまま使い続けることができるのでしょうか。
勝ちパターンを時流に合わせて進化させていくこともリクルートの特徴です。
それを、ナレッジ共有・活用の促進をする仕組みをつくることで実現しています。
こちらは、勝ちパターンを進化さえる構造の図解となります。
初期の勝ちパターンは現場ではなく、上層部が検討するのはリクルート最大の特徴です。
その営業パターンを、そのまま一度現場に落とすものの、それを現場で展開した後には、どんどん精査していきます。現場の営業メンバーの工夫を、初期の勝ちパターンに反映させていくのです。
その自分たちの工夫を社員たちが発信できる場が設けられています。
自分の工夫を発信できる場があるため、社員たちは自分たちが「自由な営業活動」ができていると感じることもできるのです。
まさしく、自己決定感の醸成にもつながっていきますよね。
このように、発信の場があるだけではなく、ナレッジ共有への取り組みに対して、全社的に賞賛と評価する制度もあります。
人事評価の10%~20%がナレッジ共有への取り組みを占めており、勝ちパターンを進化させるために、どれだけ貢献できているかは社内昇進においても重要な要素となります。
与えられたことをしっかり行うこともさることながら、それを自分の頭で考えて実行していくことができる営業組織をリクルートは作り上げています。
<勝ちパターンを進化させる方法のまとめ>
・チーム~全社まで自分のナレッジを発表できる機会づくり
・ナレッジの共有やナレッジの活用を評価する人事制度の仕組み
〇リクルートの強さの源泉
業界を問わず、勝ち続けるリクルート。
その背景には、
①優秀な社員が勝ちパターンをつくる
②勝ちパターンを組織に落とし込む
③勝ちパターンを進化させる
この3つのポイントがあります。
リクルートの強さを支える”勝ちパターンづくり・展開・進化”の過程をぜひご参考にいただけますと幸いです。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。