2022.09.20

RPA(Robotic Process Automation)とは

RPAとはロボットが単純な繰り返し業務を自動化する技術であり、意思決定を必要としないデータ処理や情報収集などの単純な作業を自動化できます。ミスのない作業が可能であるため、業務の精度は非常に高いです。雑務を代行してもらえる技術であるため、業務における生産性が向上するメリットもあります。

RPAの導入には大きなコストがかかりますが、機能の充実さから購入する価値は十分にあります。最上位クラスのRPAでは分析から意思決定までの業務を自動化できますが、RPAはあくまでサポート手段として利用するのがベストです。

RPAとは

RPA(Robotic Process Automation)とはソフトウェアのロボットが繰り返しの単純作業を自動化する技術です。パソコンの画面上で人と同じように作業を実行します。

手順が定まっていれば単純作業をミスなく高速で自動化でき、人よりも作業スピードは早いです。RPAはデータの管理や処理、情報収集などの作業を代行できます。

また、RPAはプログラミング技術を必要としません。これまでのIT技術は専門家を必要としているサービスばかりでしたが、RPAは異なり、IT未経験者でも利用可能です。

産業型のロボットとの相違点

RPAと産業型のロボットの異なる点は代行できる業務内容です。RPAはソフトウェア型のロボットであり、キーボードやマウス操作など、パソコンにおける単純作業を代わりにおこないます。一方で、一般的にイメージされる産業型のロボットは手や足でおこなえる作業を代行します。

ソフトウェア型のロボットは経年劣化せず、物理的なメンテナンスも必要ありません。しかし、産業型ロボットは油を注したり、綺麗に磨いたりなど、定期的なメンテナンスをしないと故障につながります。

RPAのメリット

RPAは業務を遂行するうえで便利な技術ですが、利用すると具体的にどのような利点があるのか疑問に思う方は少なくありません。

RPAのメリットは次のとおりです。

  1. 生産性が向上する
  2. コストを削減できる
  3. 業務の精度が高まる

生産性が向上する

RPAを活用すると作業効率が上がり、業務がスムーズになるため、全体の生産性が向上します。単純な作業を自動化することで従業員にかかる負担を削減でき、コア業務に集中できるため利益の拡大も期待できます。人材不足もRPAにより解決するため、質を保ったまま少ない人数でも業務の進行が可能です。

コストを削減できる

業務が自動化すると企業で雇う従業員の数を削減できるため、人件費が安く済みます。人を雇用するほど人件費は高くなり、固定費として毎月企業の利益から支払う必要があるため負担は大きいです。RPAを導入すれば従来かかるはずであるコストの削減が期待できます。

業務の精度が高まる

人がおこなう作業ではミスが発生する可能性があり、長時間労働であれば、よりミスの増加が危惧されます。しかし、RPAはミスなく迅速なデータ処理が可能であるため、業務の精度が高まるうえ、作業スピードも飛躍的に上がります。RPAは繰り返し作業を得意とするため、RPAは単純作業、従業員は人の判断を必要とする作業といったように役割分担をすると業務の精度は高まります。

RPAのリスク

企業の利益拡大に役立つRPAですが、導入する際にはいくつかリスクがあります。導入による失敗を防ぐためにリスクの把握は必要です。

RPAのリスクは次のとおりです。

  1. 導入にかかるコストが高い
  2. 体制が整っていない
  3. 精通している人材が少ない

導入にかかるコストが高い

RPAは生産性を向上できる便利なシステムですが、費用が高く、導入には大きなコストが必要です。クラウド型であれば数万円と比較的安い方ですが、デスクトップ型を導入するのであれば数百万や1,000万円を超えるケースもあるため、社内での十分な検討が必要です。企業内で許容できる範囲内で費用をおさえないと損害につながります。

体制が整っていない

まだRPAを活用する体制が整っていない企業は、社内での浸透を図るために専門部署の設立が必要です。システムはほかの業務と兼用で導入できるほど簡単なものではなく、時間をかけずにスムーズに導入したい場合はしっかりと体制を整えるのがベストです。どうしても分からない問題が発生したときは、専門家に相談するとむずかしい点を解決できます。

精通している人材が少ない

これからRPAの導入をはじめる企業には、RPAに精通した人材が少ないリスクがあります。RPAを使いこなすためには知識の習得や実際に操作して学習する期間が必要であり、従業員の育成にコストと時間がかかります。導入する際はコストだけでなく、学習時間も含めて社内で検討が必要です。

RPAのクラス

RPAは3種類のクラスに分類でき、それぞれ対応できるレベルの業務内容が異なります。

RPAのクラスは次のとおりです。

  1. クラス1のRPA
  2. クラス2のEPA
  3. クラス3のCA

クラス1のRPA

RPAはExcelでの情報入力やキーボードなどの単純な操作を自動化するソフトウェアシステムです。雑務を自動化できるため生産性の向上が期待でき、主流のシステムとして認知が広がっています。

クラス2のEPA

クラス2とされるEPA(Enhanced Process Automation)は、RPAとAI(人工知能)を組み合わせて情報解析やデータの読み取りの自動化が可能です。あらかじめ質問への回答を準備し、顧客からの問い合わせが合った場合にEPAが自動で対応します。回答できない内容に関しては、従業員が対応することで作業効率を高めます。

クラス3のCA

CA(Cognitive Automation)は分析から意思決定までの作業を自動化でき、クラス3と定義されます。CAに搭載されるAIが機械学習をおこない、業務における意思決定の精度を高められます。

RPAに関する注意点

RPAをうまく活用して企業の成長につなげるためにも、注意点を確認する必要があります。

RPAにおける注意点は次のとおりです。

  1. 自社に適したRPAを導入する
  2. サポート機能として利用する

自社に適したRPAを導入する

RPAにはさまざまなツールが存在するため、特徴や価格が異なります。そのため、自社へ導入する際はRPAが対応できる業務範囲や、機能と価格が見合っているかの確認が必須です。事前に何を目的としてRPAを導入するのか考えると、自社に適したシステムを選択できます。

サポート機能として利用する

RPAは人がおこなう仕事すべてを代行できる訳ではなく、あくまでサポート機能として活躍するものです。自動化システムは業務を効率化させ、従業員がコア業務をメインに着手できるよう支援します。業務の負担を軽減できるため、従業員のモチベーション維持にもつながります。

まとめ

RPAとはソフトウェアロボットが繰り返し作業を自動化する技術を意味し、データ処理や情報収集などの業務を自動化できます。精度の高い業務遂行や組織における生産性向上の実現が可能であるため、多くの企業から注目を集めています。

人件費を削減できるメリットがある一方、RPAを使いこなせる人材の数が少ない点が課題です。RPAにはクラスがあり、技術レベルが上がるごとに利用できる機能の幅が広がり、最上位クラスでは意思決定の自動化が可能です。しかし、RPAはあくまでサポート機能の一部として利用するのがベストです。

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