- 経営戦略
リスクマネジメントとは
リスクマネジメントとは、リスク回避や万が一の際の失敗や損害を最小限に抑えることです。仕事をしているとさまざまな失敗をすることがありますが、その失敗を減らすための考え方の1つにリスクマネジメントと呼ばれるものがあります。
リスクマネジメントをおこなう際には、以下の4つの手順どおりにおこなっていくことで効率的に進められます。
- リスクを発見する
- リスクを分析する
- リスクの対策を決める
- 評価と改善をおこなう
リスクマネジメントとは
リスクマネジメントとは、起こりうるリスクを管理(マネジメント)することで、リスク回避や万が一の損失を最小限に抑えることです。
考えられるリスクには、さまざまな種類があり以下のように分類できます。
- 損失をもたらすリスク
- 利益や損失両方の危険
このほかにも個人情報流出やSNSでの情報漏洩などさまざまなリスクがあり、リスクマネジメントをおこなうことが大切です。
リスクマネジメントの目的
企業がリスクマネジメントをおこなう目的は、以下の理由が挙げられます。
- 損失を最小限に留める
- 社会的信用を守るため
そのため、企業にはさまざまなリスクを避け被害を最小限に抑えるためにリスクマネジメントを活用する必要があります。
リスクマネジメントが必要な理由
リスクマネジメントが必要な理由
企業は取引先や仕入先など業務上でさまざまな企業と連携して業務をおこなっています。そのため、自社が業務停止をしてしまうと連鎖的に影響を与えてしまいます。
また、以前に比べると社員の法令違反や商品の品質管理の問題など、さまざまなリスクが顕在化する時代です。さらに、現代の急速なIT技術の進化により情報が一瞬で全世界に広がります。
そのため、致命的なミスで一度信頼が失われてしまうと信頼を取り返すことがむずかしくなっています。企業を存続させるためには、以前に比べてリスクマネジメントの必要性が高まっている状態です。
混同しがちなリスクマネジメントの類語
リスクマネジメントと混同しがちな用語には次の3つがあります。
- クライシスマネジメント
- リスクアセスメント
- リスクヘッジ
クライシスマネジメント
クライシスマネジメントとは企業や個人が危険な状態に直面したときに、どのように対応するかを管理することです。クライシスマネジメントというよりも、危機管理という言葉で聞いたことがあるかもしれません。
リスクマネジメントは危機を発生させずに事前に管理することを指し、クライシスマネジメントは、危機が発生したときの対応の管理をすることです。
そのため、クライシスマネジメントのほうが平常時よりも危機的な状況での対応で使われる言葉になっています。
リスクアセスメント
リスクアセスメントはリスクを発見しそのリスクを分析して評価することです。そして、リスクアセスメントではリスク分析から評価までしかおこなわず、リスクを改善するための行動を含みません。
そのため、リスクアセスメントでは次の4つの対応をおこないます。
- リスクを発見する
- リスクを分析する
- リスクの対策を決める
- 評価をおこなう
そのため、リスクアセスメントはリスクマネジメントのプロセスの一部となっています。
リスクヘッジ
リスクヘッジはあらかじめ想定されるリスクに対して、そのリスクが発生した際の被害を防ぐ対策をおこなうことを指します。
リスクマネジメントではさまざまリスクに対して対策をおこない、実際に発生したトラブルに適切な対応をおこなうことで被害を最小限に抑えることです。
一方、リスクヘッジは今後発生する可能性があるリスクに備えるときに使用します。
そのため、リスクヘッジによって想定されるリスクが発生したときの被害を最小限に抑えるリスク管理方法がリスクマネジメントです。
リスクマネジメントの手順
リスクマネジメントは企業だけの問題ではなく、企業で働いている個人の意識の問題でもあります。そのため、業種や特性に合わせたリスクマネジメントを取り入れる企業も増えてきています。
そこで、リスクマネジメントをおこなっていくためにもリスクマネジメントの手順を覚えておくことが重要です。
一般的にはリスクマネジメントは次の4つの手順で進めていきます。
- リスクの発見
- リスクの分析
- 対策案制定および評価
- 対策実施および改善
リスクの発見
リスクの発見フェーズでは、考えられるあらゆるリスクを目に見える形でリストアップしていき、リスト化していきます。このときに各部署のメンバーが最低1人参加することで、さまざまな視点での意見を出すことが可能になります。
そのため、個人でおこなうよりも幅広い視点で確認でき、漏れをなくすことが可能です。
リスクの分析
リスクの分析フェーズではリストアップしたリスクごとに企業に対する影響度や発生する頻度などを考えていきます。
そして、リスク分析をおこなううえでは、影響度の高さをもっとも重視する必要があります。これは影響度の高いリスクは企業にもたらす損害が大きいだけではなく、企業の存続にも関わってくるためです。
また、影響度だけでなく発生頻度も重要で、発生頻度が多いとその対応に追われてしまうので、影響度が低くても発生頻度が高いリスも重視する必要があります。
そうすることで、優先して対応すべきリスクを可視化でき、リスクに対して優先順位を付けられます。
対策案制定および評価
リスクの分析後にはリスクの対策案の制定および評価をおこないます。
具体的には、リスクをそれぞれ見比べ、対策を練る作業の優先順位を決めていきます。
リスクにはさまざまな種類があり、すべてに対応するのは厳しく非現実的です。そのため、優先順位を付けることで重大なリスクへの早期対応が可能になります。
対策実施および改善
リスクへの対策実施後の注意点としては、リスクへの対策案を実施することで満足しないことです。リスクへの対策案を実施することは大切ですが、実施したあとの効果や改善点を探すのがリスクマネジメントの目的のためです。
そして、最後にリスクへの対策をおこなったときの改善点を洗い出し、修正対応をおこないます。
具体的には、以下の点を意識する必要があります。
- リスクの軽減もしくは予防効果があるか
- 社員の取り組み方
- リスクマネジメントの運用状況
上記を確認して適切な修正をおこない、改善点をまとめておくことで質の高いリスクマネジメントの継続が可能です。
まとめ
リスクマネジメントとは、考えられるリスクを回避したり万が一の際の失敗や損害を最小限に抑えることです。そして、リスクマネジメントは一般的には以下の4つの手順で構成されています。
- リスクの発見
- リスクの分析
- 対策案制定および評価
- 対策実施および改善
リスクマネジメントの目的や手順を理解し、実践することは企業が継続していくためには必要不可欠なことです。