2022.07.27

パーパス経営とは

パーパス経営とは、企業の企業理念で自分たちの存在意義をはっきりとさせその存在意義を中心にして経営をおこなうことをいいます。パーパス経営は経営戦略や企業のブランディングなどで用いられることがよくあります。

パーパス経営をやっている企業は存在意義がはっきりとしており、何のために働いているのかを社員が理解しているため、ミッション達成に向かって取り組むことができます。また、海外では主流のビジネスシーンになっており、日本でもトレンドになりつつあります。

パーパス経営とは企業の存在意義を第一に考えた経営方法です。パーパス経営が日本で注目されるようになった理由は、2021年に名和高司氏が執筆した「パーパス経営」という本によって注目を集めたことです。

名和高司氏は、東京大学法学部卒業後に三菱商事に入社しました。そして、同社のニューヨークへ転勤しハーバード大学ハーバード・ビジネス・スクールに留学をし、日本人として2人目となるベーカー・スラカーを受賞しました。現在は、一ツ橋大学大学院経営管理研究科特任教授として活動しています。

もともとパーパス経営という言葉は存在しており、最近できた言葉ではありません。パーパス経営が世界的に流行しだしたのは、2018年にブラックロック社のCEOラリー・フィンク会長兼CEOが投資先の経営者に「パーパスという意識」というタイトルで年次書簡を送り、そこでパーパス経営の概念を伝えました。

これからの企業は優れた業績のみならず、社会に対してどのように貢献できるかを示さなければ、パーパス主導でなければ長期的な成長を継続することはできない。自社の顧客や従業員など全てのステークホルダーにとって価値あるパーパスを示すことで、企業は競争力を強化でき、それは同時に株主には長期的な利益を提供することになる
引用:パーパス経営とは?事業戦略を加速する新たなキーワード(営業ラボ)

この言葉が、パーパス経営の概念になったのです。パーパス経営が世界に広まったことにより、社員の志が高くなり企業の質も上がりました。アメリカでは「パーパス経営の会社で働けるなら、給与は下がってもいい」という人が増えてきています。

パーパスという言葉を直訳すると、目的や意図という意味になります。そこから志や存在意義という言葉に考え方が変わっていきました。ビジネスのなかでは、企業の存在意義や価値をどのように提供しているかという意味になります。

パーパス経営と経営理念は同じだとよくいわれます。しかし、近い言葉ではありますが異なります。経営理念は会社を経営していくためにそれを中心にして働き、何をするかを明確にするもので企業の使命として使われます。

一方でパーパス経営というのは存在意義を明確にし、企業の本質的な部分を追求していきます。そのため、企業に良い事業戦略を立てることができ企業のブランド力を上げることができます。

パーパス経営が注目される理由

企業の存在意義、個人の存在意義の意味をはっきりさせるパーパス経営は海外でトレンドになりつつあり、日本でも注目を集めています。アメリカではパーパス経営の会社で働けるなら給料が下がってもいいという人までいます。

ここまでパーパス経営が注目されている理由は、以下のとおりです。

  • 新型コロナウイルスの影響
  • 社員の価値観の変化
  • DXの流行

新型コロナウイルスの影響

新型コロナウイルスの影響によりダメージを受けた企業は多くあります。会社に出社することができず、リモートワークが増えました。このなかで、企業の在り方やビジョンを見直した結果多くの企業がパーパス経営へシフトチェンジしたのです。

パーパス経営だと社員1人1人が企業理念や事業計画を自分の目標と捉えることができるため、リモートワークでも自分から行動をすることができます。今の時代にとってパーパス経営というのは企業にとって必要なものになっているのです。

社員の価値観の変化

現在の社員の中心となっている年齢層はミレニアム世代の人たちです。この世代の人たちは、自分の価値観を大切にし多様性を大事にします。いくら給料がよくても企業が社会に価値がないものなら魅力を感じません。

企業の価値だけではなく、社会的にどうあるのかも大事にします。そのため、自分だけがいいと考えるのではなく社会全体が幸せになってほしいという考え方が増えています。このような考え方は企業にも大きな影響を与え、その考え方と同じになるのがパーパス経営です。

ミレニアム世代はこれからの社会を担う存在になってきます。いい人材を確保するためには、パーパス経営に変えるということが重要になってきているのです。

DXの流行

現代では、DX(デジタルトランスフォーメーション)をおこなっていない会社は生き残ることができないといわれています。新型コロナウイルスの影響により働き方が変わり、DXを取り入れる会社が増えました。

また、パーパス経営とDXは密接な関係にあるため、パーパス経営にも注目が集まっているのです。DXの恩恵を受けるにはパーパス経営をしっかりと見直すことがあります。

パーパス経営のメリット

パーパス経営を始めると、さまざまなメリットが得られることができます。

  • 企業のブランド力の向上
  • 社員のモチベーション向上
  • イノベーションを作り上げることができる

企業のブランド力の向上

パーパス経営をおこなうことにより、企業のブランド力を向上させることができます。パーパス経営は大きな金融機関や投資家に注目されています。しっかりとしたパーパス経営をすれば投資家や金融機関から投資を受けられる会社になれます。そのため、ブランド力を向上することができます。

社員のモチベーション向上

パーパス経営をしている会社はやりがいのある会社が多く、働く目的が明確になっているため、個人の力を発揮することができます。生産性も向上するため企業としても成長することが期待されています。

また、企業が社会にしっかり貢献できているかというところを見せることができればいい人材も獲得することができます。

イノベーションを作り上げることができる

パーパス経営は企業の目的に向かって目指すため、ロールモデルはなく自分たちで作り上げていきます。そのため、様々なアイデアが出て新たなイノベーションを作り上げることができます。正解を作り上げるものに必要になるのがパーパス経営になってくるのです。

まとめ

パーパス経営とは企業の存在意義を重要視した経営のことをいいます。経済状況や働き方の変化から注目を集めるようになりました。存在意義を深く追求することで、パーパス経営をおこなうことができます。

パーパス経営は多くの大企業が実践している経営方法で、富士通やソニー、任天堂などもおこなっています。企業は利益だけではなく、社会にも貢献する必要があります。社会に貢献することができないといい人材が入ってこず、企業としての成長が無くなってしまいます。

パーパス経営を企業に取り入れることにより、レベルアップを図ることができ個人としても会社としても成長をすることができます。

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