- 経営戦略
PMF(Product Market Fit)とは
PMF(Product Market Fit、プロダクトマーケットフィット)とは提供している商品やサービスがユーザーに満足されていることにより、適切な市場にある状態です。
PMFにおいて、ビジネスを始めるにあたってユーザーに満足されていることと適切な市場に受け入れられてることが重要です。例えば、適切な市場に受け入れられていても、ユーザーが満足をしていなければビジネスのスタートアップが失敗する可能性が高くなります。
PMFとは
PMF(Product Market Fit、プロダクトマーケットフィット)とは商品やサービスがユーザーの満足度を満たしている状態で特定の市場で適合していることをいいます。インターネットやスマートフォンが普及している現代において、必要な情報を簡単に入手することが可能です。そのため、一人ひとりのニーズを満たしていて、課題を解決する商品がサービスを提供することが重要です。
さらに、ユーザーの満足度が高くても受け入れてくれるユーザーが少ない市場、今後伸びることが見込まれない市場であれば商品やサービスがよくても世の中に広まらない可能性があります。ビジネスを大きくするためには、ユーザーの満足度を高めることと、適切な市場にあることが重要です。
PMFではこの2点を達成するために必要なプロセスを重ねていく点が特徴です。
PMFの達成基準
PMFには次のような達成基準が挙げられます。
- NPS®(Net Promoter Score)
- Product/Market Fit Survey
- エンゲージメントデータ
- リテンションカーブ
NPS®
NPS®(Net Promoter Score、ネットプロモータースコア)はユーザーのロイヤリティを計ることを目的とした数値です。顧客満足度も同じ目的ですが、NPS®のほうが業績との関連性が高いのが大きな特徴です。
NPS®の活用方法はシンプルであり、「ユーザーに対して商品やサービスを友人などに勧める可能性はありますか」といった質問をします。勧める可能性によって11段階で答えてもらい、進める可能性が高い割合から進める可能性が低い割合を差し引いた数値がNPS®となります。
Product/Market Fit Survey
Product/Market Fit Surveyとは、起業家であるショーン・エリス氏が考案した調査方法であり、定量的に把握することが目的です。調査方法はユーザーに対して、もしその商品がなくなったらどうしますかといった質問をして非常に残念と答えたユーザーはPMFを満たしていると判断されます。質問の仕方は、非常に残念、やや残念、残念ではない、使っていないの4択です。
エンゲージメントデータ
エンゲージメントデータは、ユーザーが商品やサービスをどのくらい使っているかを調査することです。BtoBでは契約数や商談率、BtoCでは商品を購入した数が主な指標になります。
リテンションカーブ
リテンションカーブとはサービスをユーザーがどれぐらいの期間利用しているかを表す指標です。リテンションとはマーケティング用語においてユーザーとの関係を維持していくことを目的とします。リテンション率を縦軸にサービスを発表してからの期間を横軸に表示したグラフのことをリテンションカーブといいます。このカーブが横ばいであればあるほど長期間ユーザーに利用されているといった判断が可能です。
PSFを満たす手順
商品やサービスがPMFを満たした状態になるためには、PSF(Problem Solution Fit、プロブレムソリューションフィット)を満たしていなければいけません。PSFとはユーザーの持っている問題や課題を解決できるサービスや商品のことをいいます。
ユーザーの課題を想定する、つまり、ユーザーのロイヤリティを得るためにはユーザーの問題や課題を解決することが重要です。企業はユーザーの課題を想定して商品を開発しますが、常に正しい判断をできるとは限りません。そこで、ユーザーの真のニーズを高めるためにPSFを進めていきます。
PSFは次のような手順で進めていきます。
- 試作を作成
- 試作からのフィードバック
- フィードバックをもとにもとに改善
試作を作成
試作を作ることから始めるのですが、その前にインタビューによりユーザーの声を集めておくことが重要です。ユーザーの声を基準としていないとユーザーが抱えている問題や課題を把握できません。
試作からのフィードバック
試作品をユーザーに使ってもらってフィードバックをもらいます。プロダクトインタビューと呼ばれるこのプロセスは、ユーザーの問題や課題を商品によって解決できるかどうか見極めることが目的です。
フィードバックをもとにもとに改善
プロダクトインタビューによって得たフィードバックをもとに商品の改善をしていきます。この改善をすることでPSFに近づけることが可能です。フィードバックの内容によっては秘策を作る段階に立ち戻ることが必要である場合があります。
PMFを満たす手順
PSFを達成した時点でPMFを達成するために次のような手順で進めていきます。
- MVPをユーザーに使ってもらう
- MVPの検証をする
- MVPを改善後ユーザーに再度使ってもらう
MVPをユーザーに使ってもらう
MVP(Minimum Viable Product、ミニマムバイアブルプロダクト)とは、実用最小限の商品のことをいいます。ユーザーに対して最小限の機能は提供しながら、競合には商品の価値をすべては見せないことが重要です。ユーザーがMVPを使うことで、この商品を買って試してみたいと思わせることが必要です。この、MVPをユーザーに使ってもらうことがPMFの達成につながります。
MVPの検証をする
ユーザーにMVPを使ってもらったら、ユーザーのフィードバックを集めます。機会があれば直接ユーザーからフィードバックをもらうことで、文字以外のユーザーの言葉や表情などからより伝わりやすくなり、この時点でユーザーが違和感のある部分を改善することが重要です。
MVPを改善後ユーザーに再度使ってもらう
ユーザーからのフィードバックをもとにMVPを改善していきます。問題点を改善することだけでなく、良かった点をさらによくするような工夫も必要です。このような工夫が、ユーザーの顧客満足度につながります。
まとめ
PMFとは商品やサービスがユーザーの課題や問題を解決し、さらに適切な市場にあることをいいます。ビジネスを始めるにあたってこの2つのポイントが重要です。インターネットやスマートフォンの普及により、誰もが簡単に状況を集めることができます。
そこで、ユーザーニーズに合った商品やサービスを展開することが求められます。PMFを達成することでユーザーにとっての課題を解決でき、顧客満足度が上がります。長期間商品やサービスを利用してもらえる可能性が上がり、他社との差別化につながります。これらのことから、PMFに対する取り組みはビジネスを成功させるにあたり理にかなっています。