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FinTech(フィンテック)とは
FinTech(フィンテック)とは最新テクノロジーを活用した新たなサービスを生み出すものです。金融機関とIT企業が連携して、新しい金融サービスを提供することが可能です。
近年、インターネットやスマートフォンの普及を背景に世界中で広く知られるようになり、日本でもFinTechの市場規模は拡大し、サービスの種類は多岐にわたります。新たな企業が続々と参入するようになり、FinTechの市場規模は今後も拡大すると予想されています。
FinTechとは
FinTech(フィンテック)とはFinanceとTechnologyを組み合わせて作られた造語であり、金融と技術を意味するものです。FinTechは金融機関とIT企業が連携し、新たな金融サービスを提供するというものを意味します。
広く知られているインターネットバンキングや決済アプリPayPayなどもFinTechの活用によるサービスです。日本でもこうしたサービスの利用者は急増しており、FinTechの市場規模は今後も拡大し続けると予想されています。
FinTechが注目されている背景
現在の日本でFinTechが急速に拡大した要因のひとつにスマートフォンの普及が挙げられます。これまで個人がインターネットとつながる手段としてPCの利用が主流でしたが、スマートフォンの普及により個人が容易にインターネットへアクセス可能となりました。
さらにIT技術の進展により、スマートフォンひとつでさまざまな分野のサービスが受けられるようになったため、利便性を求めた人々の需要が高まったといえます。また、新型コロナの影響により、非対面型や非接触型を求められたことも大きな要因となりました。
FinTechを利用したサービス例
インターネットバンキング
インターネットバンキングとは、PCやスマホからインターネットを介して銀行口座の残高確認や振り込みによる送金などがおこなえるサービスです。口座でのさまざまな取引を家庭にいながら手軽に確認できる点と、営業時間外や夜中でも時間を気にすることなく振り込みができる点から、多くのユーザーにとって利便性の高いサービスとされています。
家計簿アプリ
家計簿アプリとは、銀行口座と連携させて家計を管理できるものです。クレジットカードのWeb明細や電子マネーの利用履歴をまとめ、自動的に収入や支出を家計簿アプリに反映させることができます。また、スマートフォンのカメラ機能で買い物レシートを撮影すると、品物や金額を読み込んで自動的に仕分けされる機能が搭載されており、手軽に家計簿の作成が可能です。
仮想通貨
仮想通貨とは、ビットコインをはじめとするデジタル通貨を利用し、ネット上で商品の対価として使用するものです。金融機関を通さずに取引できる点や、海外への送金もスピーディーである点からユーザーの利便性を高めています。また、換金することができない電子マネーと異なり、仮想通貨は専門の取引所を通じて円やドルなどの法定通貨と交換することが可能です。
クラウドファンディング
クラウドファンディングとは、個人や企業がプロジェクト達成のためにインターネット上で資金を募る方法です。寄付型や購入型、融資型などの種類があり、個人による小口の資金だとしても複数の投資家により大口な資金となり得る点が特徴です。これまでの資金調達方法は、銀行からの借入や株式の発行などが主流でしたが、FinTechを利用したサービスによりネット上で不特定多数の個人から資金調達ができるようになりました。
ソーシャルレンディング
ソーシャルレンディングとは、資金を調達したい個人や企業と資産運用をしてお金を増やしたい投資家を結びつけるものであり、融資型のクラウドファンディングのことです。投資家の募集や融資をネット上でおこなえるため、クラウドファンディングと同様に注目を集めています。
キャッシュレス決済
キャッシュレス決済とは、現金を使わずにスマホアプリなどを利用して決済ができるサービスです。バーコード決済やQRコード決済のほか、従来から利用されているクレジットカード決済もFinTechを利用したサービスです。
現在では多くの人々が利用しており、国内で代表的なキャッシュレス決済サービスとしてはPayPayやLINEペイ、楽天ペイなどが挙げられます。また、同じアプリを利用している者どうしであれば手数料が無料で簡単に送金ができる仕組みです。
保険
保険でもFinTechが活用されており、PCやスマホ上で簡単に保険に加入することができるサービスです。これまで保険に加入する際は、代理店に出向くか営業マンの訪問により手続きをおこなっていましたが、現在では自分に合った保険を自らネット上で検索し、加入するというケースが増えています。保険の分野でのFinTechはInsuranceとTechnologyを組み合わせたInsurTech(インシュアテック)と呼ばれています。
ロボアドバイザーによる資産運用
ロボアドバイザーとはWebやアプリで簡単に投資ができるサービスです。AIによる資産運用の自動化も進み、利用者の情報を入力するだけで適正なポートフォリオを提案してくれるロボアドバイザーによる安定した運用が可能です。
最近では少額からの投資や手数料も安価で利用できるようになってきたため注目が集まっています。また、これまで人間である担当者がおこなってきた運用方法はバラつきがあるとされていましたが、ロボアドバイザーではそうした心配もありません。
セキュリティ
金融サービスにおけるセキュリティ対策として導入されつつあるのがAIによる生体認証です。これまでの暗証番号やパスワードよりも安全性が高く、精度の高い画像照合や画像処理の技術によってセキュリティを強化しています。
クラウド型会計ソフト
クラウド型会計ソフトは個人や法人向けの経理業務を支援するものであり、利用料を支払い、インターネット上で会計システムを利用するサービスです。経理や人事などの労務全般を自動化して業務効率化を実現し、バックオフィス業務における時間やコストを大幅に削減することができます。
FinTechを支える最新のテクノロジー
API
APIとはネット上でアプリを連携させる仕組みであり、ソフトウェアやアプリを別のプログラムと接続させ、機能の一部を共有する仕組みになっています。たとえばGoogleアカウントを使用し、ほかのアプリにログインできる仕組みはAPIの機能です。
ブロックチェーン
ブロックチェーンは分散型台帳技術とも呼ばれており、ネットワーク上にある端末どうしを直接接続し、複数の利用者が同一のデータを共有、管理できるデータベースです。データの改ざんや削除ができないため一度記録した取引は証拠として残り続けます。複数の利用者でデータを共有するため、一部のサーバがダウンしても残りの端末どうしで安定した運用が可能です。
IoT
IoT(internet of Things)とはモノのインターネットと訳され、身の回りのものがネットにつながる仕組みを意味します。家電や自動車など、モノそのものをインターネットにつなげる技術のことです。IoTの対象となるモノにはカメラや無線通信が搭載されており、膨大なデータがリアルタイムで蓄積され、人やモノへ伝送することができます。
AI
AIは人工知能とも呼ばれ、人間では困難である複雑なデータ分析や、IoTで収集した膨大なデータの分析に役立つものです。会計ソフトやロボアドバイザーなど、さまざま分野で活用されています。
生体認証
生体認証とは人間の身体的、または行動的特徴を用いて個人認証をおこないます。なりすましや偽造などの不正行為による被害を防止するために重要な技術です。広く知られている顔認証や指紋認証のほか、静脈認証、虹彩認証などがあります。
FinTechの市場拡大による今後の変化
FinTechの市場が広がるとともに、AIによる安定した資産運用を可能にするロボアドバイザーやブロックチェーンの技術などのセキュリティ強化により、投資や融資の幅も広がりました。国もNISAやiDeCoなどの資産運用を推奨している点も後押しとなって、投資家の増加により経済の循環が良くなることが期待されています。また、FinTechのサービスによる業務の自動化や効率化は人材不足やコストの削減につながるため、さまざまな企業で導入価値のある分野です。
まとめ
FinTechとは金融と技術を組み合わせたサービスの提供を意味します。現在ではIT技術の進展によってインターネットバンキングやキャッシュレス決済、仮想通貨、会計ソフトなど、さまざまな分野での金融サービスを受けられるようになりました。
最新テクノロジーと組み合わせて革新的な商品やサービスを生み出し続けており、今後も融資や投資などをはじめ、多方面でユーザーにとって利便性の高いシステムが拡充すると予想されます。