2022.09.21

エンドースメント効果とは

エンドースメント(endorsement)とは直訳すると承認や支援といった意味であり、マーケティングにおいて保証する効果のことです。親ブランドがすでに多くの人に認知されていて評価が高い場合は、子ブランドを出した場合でも無条件で評価が高くなる可能性が高い傾向です。

エンドースメントは競合他社に対しての優先度向上以外にも大きなメリットがあり、ユーザーは企業の取り組みや姿勢を評価することから、その企業が提供しているサービスや商品すべてを支持してもらえる場合があります。

エンドースメントとは

エンドースメント(endorsement)とは承認や支援などを意味していますが、マーケティンにおいては親ブランドが商品ブランドや事業ブランド等に対して保証することを意味します。商品ブランドや事業ブランドのユーザーが少なくても、親ブランドの力を使って信頼を受けやすい環境を作ります。ユーザーにとってみたら、信頼度の高い親ブランドの子ブランドであれば信頼しやすいということです。

エンドースメント契約とは企業と著名人において自社製品を独占利用することをはじめとした取り決めのことをいいます。著名人は企業のブランドを保証する立場にあり、企業の製品を独占的に利用して広告効果を提供する代わりに報酬を受け取ります。エンドースメント契約をした著名人は、他社製品の使用に制約が設定されることがほとんどです。

エンドースメント効果とは

エンドースメント効果とは、企業ブランドにおいて他社と差別化をして企業の商品全般を指示することにより市場での競争において優位に立てることをことをいいます。ユーザーにとって、同じ商品なら信頼のおける企業を選びたいといった判断をしてもらうことが可能です。企業ブランドを高めることは、ユーザー以外にも取引先や従業員、地域社会などのステークホルダーの指示を得られるメリットもあります。

エンドースメント効果の目的

エンドースメント効果には、次のような目的が挙げられます。

  1. 競争力の向上
  2. 企業の思いを理解してもらう
  3. ステークホルダーが企業に特別感を持つ

競争力の向上

エンドースメント効果の大きな目的は競争力の向上です。既に親会社がユーザーから評価をされている場合は、子会社を作って新しいサービスや商品を提供した場合でも、ユーザーが評価する可能性が高くなります。例えば、同じような商品であれば企業の名前だけで商品を選んでもらえる傾向にあるのが特徴です。

企業の思いを理解してもらう

親会社の商品やサービスだけでなく、企業の取り組みや社会性を組み入れた価値などユーザーは企業の思いを理解する可能性があります。この企業だけは特別とユーザーに思ってもらうことで、競合他社と戦う必要がなく他者に対して優位性を持つことが可能です。この流れこそが企業ブランド力ということになります。エンドースメント効果とは、企業ブランド力を持った親ブランドが子ブランドに対して保証を提供するといった意味合いになります。

ステークホルダーが企業に特別感を持つ

エンドースメント効果があるのは、ユーザーだけではありません。取引先や投資家、地域社会、また従業員といったステークホルダーの支持を得ることにもつながります。商品やサービスの質や特徴以外にも社会に貢献していると認知されることにより、さらにブランド力が増すことになります。

ブランド戦略とは

エンドースメント効果を発揮するためには、親会社のブランド戦略が重要です。ブランド戦略とは、その企業ならではの商品やサービス、さらに社会への貢献など独自の役割を築くことをいいます。できるだけ多くの人に強い感情移入を促すことが必要です。ブランド戦略が成功することによって、長期間利用してくれるユーザーが増え、エンドースメント効果を発揮することになります。

ブランド戦略を立案するためには

ブランド戦略を立案するためには経営者が企業を今後どのようにしたいのか明確なビジョンをたてることが重要です。このほかにも、従業員が自社に対してどのように思っているか、株主や社会がどのように評価しているかといった内容がビジョンと一貫することによって強力なブランド戦略に繋がります。

目標の設定

ブランド戦略を立てるためにはまず何のために企業ブランドを作るのか、またどのようにブランド価値を高めるのかといった目的を明確にすることが重要です。ブランド戦略の目標は社内向けと社外向けが必要です。社外向けはユーザー以外にも取引先や株主、地域に向けての目標設定をすることが求められます。社内向けとは従業員に対しての目標であり、自社へのロイヤリティを高められるような明確な目標設定が重要です。

つまり、企業のブランドを高めるためにユーザーはもちろん取引先や株主、地域社会や従業員といったさまざまなステークホルダーに企業の存在を認めてもらうことが必要です。

構成要素の設定

企業ブランドを構築するためには、企業が持っている価値観や経営者がどのような企業にしたいかといったビジョン、ユーザーやステークホルダーに提供する経験、周りからどのようなイメージを持たれたいかなどさまざまな構成要素を設定することが重要です。

このほかにも企業が持つべき社会的責任や能力、行動なども構成要素として求められます。

ブランド力を広める施策の実行

企業ブランドの構成が決まったら、広告やイベントをおこなったり、商品を実際に使ってもらうために作品を準備するなどさまざまな施策を進めることが重要です。商品やサービス、そのほかにも社会貢献など企業がアピールしたい内容によってブランドの広め方が異なります。

ブランド戦略の事例

次のようなブランド戦略の事例が挙げられます。

  1. アキレス
  2. スターバックス

いずれの場合も商品名や店名を聞くだけで、どのようなサービスや商品を提供してくれるか誰もが想像しやすい特徴があります。

アキレス

アキレスは小学生向けに速く走れる靴として瞬足を売り出し、キャッチコピーである「コーナーで差をつけろ!!」は小学生の親であればほとんどの人が知っているほど有名でした。当時多くのスポーツメーカーが子供用のシューズ市場に参入してきたのですが、2011年には年間600万足も売れるような人気ブランドとなりました。

参考:瞬足とは(アキレス)

スターバックス

スターバックスは、自宅や職場以外で落ち着いた場所を作りあげるためのサードプレイスをブランドコンセプトとして設定しました。ほかのコーヒーショップと比べて高い値段設定でありながら、多くのユーザーをつかむことに成功しています。スターバックスのミッション、またバリューである1杯のコーヒーやコミュニティーを通して自分の居場所といられるような文化を作ることに共感する人が多いのです。

参考:OURMISSION(スターバックス)

まとめ

エンドースメント効果とは、親会社がブランド戦略に成功しており多くのユーザーやステークホルダーから評価をされていれば、子会社がどのような商品やサービスを展開してもまずはユーザーが優先して選んでもらえるといった保証のことです。同じような商品であれば、競合他社ではなくユーザーはその企業を選ぶ可能性が高くなります。親会社の商品やサービス以外にも、社会的な貢献などブランド力を高めるためには様々な要素があります。

親会社がそのブランドでなければいけないとユーザーやステークホルダーに認識されていれば、高いエンドースメント効果を期待できます。

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