- 営業戦略
新規顧客の獲得に向けた戦略
新規顧客の獲得とは企業が消費者へアプローチを仕掛け、新たな顧客として招き入れることです。新たな顧客のアプローチや集客方法にはさまざまな種類があり、大きく分けてプッシュ型とプル型に分類されます。
どちらにもメリットとリスクがありますが、自社に適する集客方法を組み合わせれば新規顧客の獲得に効果的な戦略を立案可能です。ただし、新規顧客は簡単な取り組みではないため、試行錯誤してより良い施策を考える必要があります。
新規顧客を獲得する必要性
新規顧客の獲得とは企業が消費者へアプローチを仕掛け、新たな顧客とする活動を意味します。企業の成長には新規顧客の獲得が重要です。企業が努力を重ねても、契約終了やライバル企業への流出による顧客離れは避けられず、新規を取り入れない限り顧客数を維持することはできません。
顧客離れが加速すれば一気に企業は衰退してしまいます。企業の利益向上やライバル会社との競争力を高めるためにも継続的に新規開拓と既存顧客の維持への取り組みをおこなう必要があります。
新規顧客を獲得するためのステップ
企業が新規の顧客を獲得するまでの流れは次のとおりです。
- ターゲットを明確にする
- ターゲットにアプローチする
- ヒアリングと提案をおこなう
- クロージングする
ターゲットを明確にする
まずはターゲットの明確化です。自社商品やサービスに適したターゲットの範囲を不必要に広げたり狭めたりすると、効率的なアプローチができません。
そこで、年齢や性別、趣味などを基にしてターゲットを属性ごとに分類し、徐々にターゲットを絞ります。ある程度ターゲットが絞り込めたら、顧客層のニーズを探りながら戦略の立案に進みます。
ターゲットにアプローチする
ターゲットを絞り戦略を立てたあとは、実際に消費者へアプローチします。アプローチの段階では、消費者から商品に興味を持ってもらうことを目的としており、認知の拡大を目指します。
アプローチは決して強引にするのではなく、消費者に寄り添ったサービスの提供を心掛けることが大切です。また、定期的にアプローチをかけて顧客との関係性を構築すると、新規顧客獲得の確率は上がります。
ヒアリングと提案をおこなう
自社の商品に興味を持つ顧客に対してヒアリングをおこないます。相手の悩みや問題となっている点をよく聞いて理解し、解決するための提案として自社商品やサービスを提案します。ただし、ヒアリングは顧客との信頼関係を築くことが目的であるため、営業色を控えめにし、顧客に寄り添った行動が大切です。
クロージングする
実際に顧客が商品を購入すると決定したらクロージングへ移ります。クロージングでは顧客の購買意欲を引き下げないよう、購入しやすい環境づくりが大切です。
スムーズなクロージングが行われないと顧客の購買意欲は一気に低下してしまう可能性があります。また、ヒアリングとクロージングとで、急に担当者が代わることになった場合も、スムーズに手続きを遂行できるよう、社内での情報共有は万全にしておくことが必要です。
新規顧客の獲得に向けた戦略
新規顧客の獲得に向けた戦略は次の2つです。
- プッシュ型
- プル型
プッシュ型
プッシュ型とは企業が自ら顧客に対してアプローチをかける方法です。自社の企業名や商品、サービスを認知していない場合でも、顧客のニーズと合致していれば即購入の可能性があり、新規顧客の獲得に向いています。一方で、知らない企業からのアプローチに警戒心を抱かれやすいため、話し方や対応には気を工夫が必要です。
プッシュ型の新規顧客の獲得方法として以下の具体例が挙げられます。
- テレアポ
- 営業訪問
- DMの活用
テレアポは取引経験のない相手に電話をかけ商談のアポイントメントを取ることであり、営業訪問はアポイントメントなしでの訪問によるアプローチ方法を意味します。どちらも直接消費者と会話することにより自社商品やサービスの良さを伝えられるため、接し方によっては好印象を与えることも可能です。
また、DM(ダイレクトメッセージ)はハガキによる郵送やWEB上のメール送信を通して、商品やサービスの情報を提供する営業活動です。住所や氏名などを把握できる顧客に対してのピンポイントのアプローチができます。
プル型
プル型とは顧客側から購買行動を起こしてもらえるよう仕掛ける集客方法です。プル型の戦略では、顧客側が商品やサービスを認知している状態のため警戒心は弱く、交渉をスムーズに進められます。ただし、集客には時間が必要であるため、長期の取り組みが必要です。
プル型の集客戦略として具体的には以下が挙げられます。
- SNSの活用
- リスティング広告
- プレスリリース
現代ではSNSの活用により自社商品とサービスを広範囲に拡散できます。若者を中心にSNSのユーザーは多く、拡散率も高いため、営業活動に利用する企業も増加傾向にあります。インターネットを利用した集客方法にはリスティング広告も挙げられ、顧客が検索するキーワードに関連した広告を表示させることで、商品やサービスの認知を広める方法です。
また、プレスリリースとは報道機関などで自社の魅力について取り扱ってもらい、認知を拡大する集客方法です。第三者としての立場から取り上げてもらうことで、信頼性が得やすくなります。
新規顧客を獲得するためのポイント
新規の顧客を集客するには以下のポイントをおさえる必要があります。
- 営業効率を高める
- 検証と改善を繰り返す
- 顧客情報の管理は徹底する
営業効率を高める
営業効率を高めるには行動を起こす前の準備が大切です。新規顧客の獲得にかかる手間やコストは既存顧客への営業と比較して高いとされていますが、ターゲットや目的をあらかじめ設定することで、効率的な営業を実現できます。また、営業の段階ごとに適切な人材配置をすることも効率を上げる有効な手段です。
検証と改善を繰り返す
新規獲得の戦略を立て、実行し終えたら結果の検証と改善をおこないます。検証の段階では問題点を洗い出すこと、改善の段階では次回に施策する方法を模索することが大切です。
一方で、アプローチに問題点が見当たらず新規の獲得がうまく進まない場合は、市場の変化が原因の可能性も考えられるため、外部環境にも目を向けてみる必要があります。検証と改善を繰り返しおこなうことで、回数を追うごとに営業効率は向上し続けます。
顧客情報の管理は徹底する
営業活動において顧客の情報は効果的なアプローチに必要な要素であるため、情報管理の徹底は新規顧客獲得に大きく役立ちます。ただし、多くの情報を集めた際は、できるだけ詳細に分析したデータをきちんと保管することが鉄則です。
個人情報は悪用される可能性があるため、万全なセキュリティ対策をおこなう必要があります。一方で、集めた顧客情報を社内全体で共有すれば、顧客からの急な問い合わせやトラブル発生時に、どの従業員でも迅速に対応できるよう環境を整えることが可能です。
まとめ
新規顧客の獲得とは企業が自社の魅力に気付いていない消費者へアプローチを仕掛け、商品を購入してもらう活動を意味します。事業拡大にはリピーターの確保が重要ですが、繰り返し商品を購入してもらえる顧客を獲得するには新規顧客を集めなければなりません。
新たな顧客を集める方法は多々あるため、自社に適した集客方法を活用することで成果を出せる戦略を立案可能です。ただし、場合によって新規顧客には時間やコストがかかるため、営業の効率化や顧客情報の徹底管理などのポイントを意識し、自社に適したアプローチ方法で取り組みを進める必要があります。