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SDGsとは
SDGsとは、持続的な開発目標を意味する国際目標です。持続的、かつ、よりよい世界を目指すという名目で、2030年までの達成が掲げられています。
2015年9月に開催された国連サミットで採択されて以後、コロナ禍の影響もありさまざまな観点で注目度を集めている施策です。昨今では聞き慣れつつあるSDGsは、先進国、発展途上国ともに積極的な参加が求められています。
SDGsとは
SDGs(Sustainable Development Goals)とは、持続可能な開発目標を指す言葉です。2015年9月の国連サミットにおいて採択された、持続可能な開発のための2030アジェンダに含まれています。
地球上の「誰一人取り残さない」ことを原則とし、17のゴールと169のターゲットから構成されているのがSDGsの特徴です。先進国はもちろん、発展途上国にも必要性が問われていることから、世界規模の開発目標といえます。
MDGsとの違い
MDGs(Millennium Development Goals、ミレニアム開発目標)とは、8つの目標を2015年までに達成すべきとして掲げた開発目標のことです。SDGsの前身とも言われており、2030アジェンダにも受け継がれています。
MDGsで解決できなかった課題や新たに発覚した問題などを分析し、達成するために掲げられたのがSDGsです。明確な違いがあるというよりは、MDGsをきっかけにSDGsが生まれたと考えるのが自然です。
SDGsが必要とされるのはなぜか
SDGsは貧困や気候変動、戦争といった世界的な課題を解決し、安定した暮らしを続けるために必要な施策として生まれました。新型コロナウイルスの感染拡大も、SDGsの認知拡大に大きな影響を与えています。世界的な課題による危機を打破するために、SDGsが誕生したといえます。
SDGsが掲げる17の目標と169のターゲット
SDGsは、持続可能を前提にした17の目標と、それぞれにまつわる169のターゲットがあります。17ある目標は、主に以下のカテゴリで設定されています。
- 貧困
- 飢餓
- 健康、福祉
- 質の高い教育
- ジェンダー平等
- 安全な水、トイレ
- クリーンなエネルギーの確保
- 働きがい、経済成長
- 産業、技術革新
- 不平等の是正
- 住み続けられるまちづくり
- 生産消費形態の確保
- 気候変動
- 海洋資源の保全
- 陸域生態系の保護
- 平和と公正
- パートナーシップ
上記17のカテゴリから派生した169のターゲットに対し、持続可能な取り組みを構成、実施していくのがSDGsです。
日本におけるSDGsの現状
2021年9月段階での日本におけるSDGsは、達成スコア79.85、世界ランキング18位でした。165カ国中18位の位置は決して低くありませんが、1位のフィンランド(達成スコア85.90)と比べるとまだ伸びる余地があります。(参考:Rankings(Sustainable Development Report))
SDGsを構成する17の目標のうち、日本が達成できているものと改善が必要とされているものは以下の通りです。
達成済み | 改善の余地あり |
---|---|
1.貧困 3.健康、福祉 4.質の高い教育 6.安全な水、トイレ 8.働きがい、経済成長 9.産業、技術革新 11.住み続けられるまちづくり 16.包摂的な制度の構築 |
2.飢餓 5.ジェンダー平等 7.クリーンなエネルギーの確保 13気候変動 14.海洋資源の保全 15.陸域生態系の保護 17.パートナーシップ |
コロナ禍とSDGsの関係性
新型コロナウイルスの影響で、SDGsに対する考え方や取り組みにも変化が表れています。特に注目すべきは、コロナ禍によって解決が遅延すると見込まれている目標です。
例えば貧困(1)や飢餓(2)などが代表例に挙げられます。コロナ禍で経済活動の循環が悪くなり、貧困や飢餓が進むようになってしまいました。また、ステイホームによる孤独化をきっかけに、健康、福祉(3)の達成も遅延すると見込まれています。
ステイホームをきっかけに家庭内暴力が深刻化し、平和と公正(16)が危ぶまれている事実もあります。また、コロナ禍以前は関心の高かった資源ゴミへの意識が薄れ、生産消費形態の確保(12)や海洋資源の保全(14)に関する解決が遅延しているのも現状です。
ただし、コロナ禍によるパンデミックをきっかけに、解決への意識が高まった目標もあります。ステイホームの影響で教育体制がオンライン化したことで質の高い教育(4)が実現可能になりました。
リモートワークの推奨をきっかけにワークライフバランスの実現が可能になり、働きがい、経済成長(8)にもつながっています。また、感染拡大防止対策で手洗い、うがいへの意識が高まったことで安全な水、トイレ(6)への意識も変化しました。
コロナ禍による経済のストップをきっかけに、エネルギーの節約への意識が高まったこともSDGsの目標達成に貢献しています。クリーンなエネルギーの確保(7)や気候変動(13)が代表例です。
ここまで触れたことからわかるように、昨今のSDGsはコロナ禍における影響を多方面から受けています。コロナ禍において解決が見込まれる目標と、遅延するとされる目標を改めて以下にまとめます。
解決が見込まれる目標 | 遅延が見込まれる目標 |
---|---|
1.貧困 2.飢餓 3.健康、福祉 12.生産消費形態の確保 14.海洋資源の保全 16.平和と公正 |
4.質の高い教育 6.安全な水、トイレ 8.働きがい、経済成長 7.クリーンなエネルギーの確保 13.気候変動 |
企業によるSDGsの取り組み事例
各企業が実施したSDGsの取り組み事例をいくつか抜粋して紹介します。
味の素株式会社
味の素株式会社では、食事を通した健康な体づくりにつながる取り組みを実施しています。いのちのもとと言われるアミノ酸の力を活用し、健康寿命を伸ばすことに着目していました。
株式会社セブン&アイホールディングス
株式会社セブン&アイホールディングスで実施されていたのは、ペットボトルの循環に関する取り組みです。使用済みペットボトルの資源化を、企業だけでなく消費者の行動を促すことで実現しました。
株式会社三井住友フィナンシャルグループ
株式会社三井住友フィナンシャルグループが着目したのは、お金の流れによる持続可能な社会の実現です。銀行を心臓に例え、グリーンエネルギーに目を向けた取り組みを実施しているのが印象的でした。
SDGsに関する日本政府の動き
日本政府はSDGsに対し、SDGサミットの実施やジャパンSDGsアワードの発足などを通じた取り組みをおこなっています。SDGs推進本部の設立やSDGs未来都市を選定しているのも、日本政府のSDGsへの代表的な取り組みです。
SDGサミット
SDGsの達成に向けた機運向上を目的に、ニューヨークの国連本部で開催されました。SDGサミットにおいて安倍元首相は、地方創生を中心とした国内外の取り組みを加速させると表明しました。
ジャパンSDGsアワード
2017年に発足された表彰制度で、SDGsを達成するための取り組みを実施している企業や団体が対象です。SDGsに関する取り組みを促進し、見える化する効果が期待できます。
SDGs推進本部の設立
総理大臣や官房長官、外務大臣や官僚から構成される実施体制のことです。SDGs推進本部を設立することで、SDGsの取り組みを具体化し、実施することが現実的になります。
SDGs未来都市の選定
SDGs未来都市とはSDGsの取り組みを提案、実施する都市や地域を選定する制度です。より優れた取り組みを実施している都市を選定し、資金面における支援をおこないます。
まとめ
17の目標と169のターゲットから構成される、持続可能な開発目標をSDGsといいます。2030年までの達成に向け、世界中でさまざまな取り組みが実施されています。
日本でも多くの企業がSDGsを意識した取り組みがおこなわれており、今やSDGsという概念を意識しない企業の方が少数派かもしれません。コロナ禍によってSDGsの捉え方も変化しているため、情勢の変化にも柔軟に対応できる姿勢、体制が求められます。
SDGsは世界情勢を前提にした重要な観点です。企業価値を高めるためにも、積極的に取り組む必要があります。