- 組織人事
採用力強化とは
少子化、高齢化社会が続く日本において、これまで以上に人材確保がそれぞれの企業において課題となっています。自社とマッチした人材を採用するためには、採用サイトやSNSなどで採用活動力を高めたり、企業力や労働条件を上げたりとさまざまな工夫をして採用力強化をすることが必要となっています。
今後、より人材確保がむずかしくなるなかで、採用力強化は企業の成長に直結する課題だといえます。
採用力強化とは
採用力とは企業や社会に有益な採用活動をする力のことをいいます。採用力を高めることによって企業に貢献できる人材を確保することによって、企業は安定して成長を続けることができます。
採用力とは
採用力とは企業や社会が発展していくうえで貢献できる人材を採用する企業の能力のことをいいます。少子化や高齢化社会になるにつれて、より人材を確保するのがむずかしい状況です。さらに、多様化や国際化が進んでおり、ただ待っている採用方法では採用力を高めることはできません。
売り手市場において良い人材を採用するためには採用力が重要です。
採用力強化とは
採用力を強化するためには自社で活躍している人材の特徴を把握し、求める人材像として求人内容に記載してください。経験者募集や30歳までといった内容ではターゲットが絞られておらず、必要な人材が伝わってきません。
さらに、必要な人材を採用担当者や面接官が共有している必要があります。担当者によって言っていることが違えば、求職者に理解してもらうことができず結果的にミスマッチにつながります。
このほかに、企業アピールを求職者にするなど採用力強化をするためにはさまざまな要素を必要としています。
採用力が高い企業の特徴
採用力が高い企業には次のような特徴があります。
- 求める人材が明確
- 面接官が共通の認識を持っている
- 離職率が低い
求める人材が明確
採用力が高い企業は一貫して求める人材が明確であることがほとんどです。求める人材を明確にすることで求職者が応募の段階でマッチするかどうかを判断しやすくなり、採用のミスマッチを減らすことができます。
面接官が共通の認識を持っている
採用力が高い企業は、どの面接官であっても求める人材に対して共通の認識を持っています。面接官によって認識がずれていれば、企業が求めている人材を不採用にしてしまったり逆に求めていない人材を採用にするケースがあります。
求職者も面接官によって説明が異なれば、企業の方針を理解できなくなります。
離職率が低い
採用力がある企業はミスマッチが少ないことからも離職率が低いのが特徴です。定着率が高いことから企業の成長につながり、求職者にとっても魅力的な要素となります。
採用力を強化する方法
採用力強化をするためには次の方法が挙げられます。
- 企業力を上げる
- 労働条件を上げる
- 採用活動力を高める
企業力を上げる
企業力には企業概要や企業イメージ、商品やサービスの競合優位性などが挙げられます。企業や商品、サービスがよければ人が集まります。しかし、企業力が高くても求職者にアピールをすることも大切です。
企業力をアピールする方法として、採用オウンドメディアが活用されることが一般的となっています。
労働条件を上げる
労働条件には契約形態や労働環境、そのほかにも採用条件や待遇などが含まれます。待遇には給与や休みのほか、教育の充実や平等な評価などの点も含まれます。近年では福利厚生に力を入れる企業も増えています。
従業員満足度が高いと離職率を下げることができ、求職者に対してもアピールすることができます。
採用活動力を高める
企業の採用力は採用活動力と企業力であるといわれます。例えば、起業したばかりの企業やベンチャー企業は企業力で大企業に劣ることがありますが、採用活動力を上げることで採用力を高めることができます。
採用活動には採用広報活動や人材選考活動、内定者が辞退をしないようなフォロー活動なども重要です。
採用活動といえばこれまでは求人サイトに掲載をしたり、転職エージェントへ依頼をすることが一般的でした。しかし近年では求人サイトや転職エージェントを通して直接オファーを出したり、SNSや採用WEBページを使った採用活動をしたり、動画採用ページを掲載したり、従業員の友人を採用するリファラル採用をしたりするなどさまざまな方法があります。
企業の特色や求める職種、人材によって的確な採用活動をしている企業は採用活動力が高いといえます。
採用力を強化するためのすべきこと
採用力を強化するためにするべきことは次の点が挙げられます。
- 採用ホームページの作成
- レスポンスの早さ
- 採用SNSの活用
採用ホームページの作成
企業のホームページとは別に採用のホームページを作成すると採用に効果があります。採用ホームページには採用関連の内容だけが記載されており、採用条件以外にも職場の環境など求職者が必要とする情報を提供することができます。
なかには従業員のインタビューを載せたり、職場の環境を動画にしたりなど職場の雰囲気を知ることができるとミスマッチを減らすことができます。
レスポンスの早さ
候補者に対する対応の速さが、求職者にとっての企業の評価を上げることになります。クライアントにとって営業担当者が企業の看板であるように、求職者にとってみると人事担当者が企業の看板になります。
求職者は最終的に人事担当者の対応で、職場を選んでいるケースが少なくありません。
採用SNSを活用
近年Wantedlyをはじめとしたビジネスに特化したプラットフォームが増えています。このようなプラットフォームには、これまで企業が成長してきた様子やプロジェクト、人脈など詳しく載せることができます。チャット機能があることから、求職者とのやりとりができるのも大きな魅力です。
海外人材を求めるのであればLinkedInといった、それぞれ特徴の違う採用SNSを活用することもできます。
採用力のある企業の事例
採用力のある企業の事例として次の例が挙げられます。
- 多くの応募者と面接をする
- リファラル採用を導入
多くの応募者と面接をする
ビズリーチでは代表が採用力=面接数と認識して面接数をKPIに設定しました。できるだけ多くの応募者と面接をすることで優秀な人材を集め続け、創設当時は2名だったのが5年間で1300人を面接して400名まで従業員を増やしました。
リファラル採用を導入
freeeでは創業時からリファラル採用を導入しています。リファラル採用は社員が人材を紹介して採用することをいいます。採用媒体をはじめ採用コストが抑えられるほか、紹介をする社員が企業が求めている人材を理解していることから企業にマッチする人材を確保しやすいのが大きなメリットです。
さらに社内に知り合いがいることから職場に馴染みやすいため、離職率を下げる効果もあります。
まとめ
人材不足によりこれまで以上に人材の育成が重要になっています。その一環として採用力強化に取り組む企業が増えています。求職者から選んでもらうのではなく、求職者に対するアピールが必要です。
企業理念や業務内容、企業に必要な人材要件などを求職者に対して伝えることによってミスマッチを減らすことがこれまで以上に求められます。採用力強化は人材の確保だけでなく、クライアントに対して、さらに社会的にも評価を上げることにつながります。