- 経営戦略
プロジェクトベースドラーニングとは
プロジェクトベースドラーニングとは、問題解決型学習を意味する言葉です。従業員が自分自身で問題を探し、その問題を自身で解決する能力を会得する学習方法を表します。
また、文部科学省によって推奨されているアクティブラーニングの一種でもあります。思考力の向上や知識の定着率アップなど、さまざまな効果が期待できる学習方法です。
プロジェクトベースドラーニングとは、問題解決型学習を意味する言葉です。従業員が自分自身で問題を探し、その問題を自身で解決する能力を会得する学習方法を表します。
また、文部科学省によって推奨されているアクティブラーニングの一種でもあります。思考力の向上や知識の定着率アップなど、さまざまな効果が期待できる学習方法です。
プロジェクトベースドラーニングとは
プロジェクトベースドラーニング(以下、PBL)とは、問題解決型学習や課題解決型学習を意味する学習方法です。決まったカリキュラムを淡々とこなすのではなく、従業員自身で問題を発見、解決していきます。
PBLを実施する際は、従業員自身の自発性を重んじるため、教える側はあくまでサポートに徹します。また、あくまでも答えではなく過程を大切にするという理論であることも覚えておかなければなりません。
プロジェクトベースドラーニングの種類
PBLは主に、チュートリアル型と実践体験型の2種類に分けられます。
チュートリアル型
少人数でのグループワーク、ディスカッションを通じて問題点の発見、解決を目指す手法です。準備に時間をかけず進められるものの、事前に掲示されたテーマでのみ議論するため、実践力の会得は期待できません。
実践体験型
企業や団体と実際に連携を取りながら学習を進める方法です。実社会の目線で学習できるため、実践的な知識や経験が身につきます。ただし、企業や団体とのスケジュール調整に手間がかかるのがデメリットです。
SBLとの相違点
PBLと混在しやすい要素に、SBL(サブジェクトベースドラーニング)があります。SBLとPBLの大きな違いには、学習の順序が挙げられます。
PBLが最初に課題となる問題点を掲示するのに対し、SBLは対象となる物事の知識を事前に身につけるのが特徴です。実践で活かすかどうかは自分次第であるため、テキストで学ぶ一般的な学習方法と同様と捉えてください。
プロジェクトベースドラーニングの効果が期待できる3つの領域
PBLの効果は、問題解決、人材開発、組織開発の領域で期待できます。ビジネスの現場で活かせる観点なので、参考にしてください。
問題解決
問題解決の領域では、以下の効果が期待できます。
- 実際に現場で発生している課題における解決策の発見
- PBLで得たナレッジを別の問題解決にも活かせる
人材開発
人材開発の領域では、以下の能力が身につきます。
- 思考力
- 実践力
- 複雑化する課題への対応力
組織開発
組織開発で期待できるのは、組織の基盤をつくるのに大切な以下の要素です。
- 従業員同士での問題解決向けた姿勢
- サポートし合える関係性
プロジェクトベースドラーニングが注目される理由
PBLは、文部科学省が推奨するアクティブラーニングの一環として注目を集めています。アクティブラーニングとは、受動的ではなく能動的に学ぶ姿勢を目指す学習方法です。一般的な学習形態とは異なり、ディスカッションなどのやりとりを通じて学びます。
アクティブラーニングが注目されたことで、同時にPBLも注目されるようになりました。情報化が進む現代社会においては、自分自身の意志で学習する力が必要不可欠です。他人との協調も必要とされているため、アクティブラーニングの一環であるPBLを通じた学習が注目されています。
プロジェクトベースドラーニングの特徴
PBLは、学習意欲を高める効果がある手法として多くの企業で取り入れられています。特に高い効果が期待できるPBLには、以下の特徴があることを覚えておいてください。
- 企業へのサポート体制が充実している(評価制度の整備やコーディネーターの配置など)
- 組織的な関与を目的としたインターンシップを開催している(受け入れ態勢の整備化なども含む)
- 実践的な教育効果が高められるプログラムになっている
これらの特徴に当てはまっていることが、より高く確実な効果が期待できるPBLといえます。
プロジェクトベースドラーニングのメリット
PBLは主に、以下5つのメリットがあります。
- 表現力が身に付く
- 知識の定着率向上
- 情報リテラシーの会得
- 応用力の向上
- 思考力のレベルアップ
PBLの実施により期待できる5つのメリットについて把握し、実践してください。
表現力が身に付く
自分が身につけた知識を、相手に正しく伝えることは簡単ではありません。表現力が伴っていない状態だと、良好な関係構築が困難になる場面もあります。
PBLを実施することで、ビジネスシーンでも活かせる表現力を身につけられます。一般的な教育方法と異なり、自分の言葉で相手に意見を伝える必要があるためです。PBLを通じて自然に表現力が身につくため、さまざまなシーンで役立てられます。
知識の定着率向上
従来の教育は、テキストや資料を読み上げながら学ぶスタイルが一般的です。しかし、これでは実践的な知識は身につきません。
学生時代、授業で習ったことがいざテスト本番になると答えられないといった経験は誰しもあるはずです。PBLを取り入れることで、ただ耳に入れるだけの学習は回避できます。能動的に課題と向き合うため、実践レベルの知識が身に付くのもPBLのメリットです。
情報リテラシーの会得
昨今の情報化社会では、正しい情報だけでなく誤った情報も散見されます。情報を見極める能力を身に付ける必要性があるなかで、PBLでの学習が効果を発揮します。
PBLは問題解決に必要な情報を自分自身で集めるのが特徴です。したがって、数ある情報のなかから本当に正しいものを取捨選択する必要があります。PBLを通じて情報収集を繰り返すことで、高いレベルの情報リテラシーが自然に身につきます。
応用力の向上
応用力が向上するのもPBLのメリットです。テキストや資料に書かれている内容の暗記だけでは、効果的な知識の会得とは言い切れません。基本情報として頭に入っていたとしても、実践で活かせなければ意味がないためです。
掲示された問題を知識の応用により解決していくPBLを実践することで、より実践的な応用力を会得、発揮できます。ビジネスシーンや実生活などで問題が発生しても、PBLで得た知識を応用させて解決することが可能です。
思考力のレベルアップ
PBLでは、明確な答えが定まっていない問題と直面する場面も多くなります。決まった答え方を当てはめていくものではないため、自分自身の頭で考えなければなりません。
問題を解決するためにはどうすれば良いのか、という観点を身に付けることで、より実践的な思考力を身につけられます。学習レベルが上がるのはもちろん、ビジネスにおける課題解決にも役立ちます。思考力を活かしてコミュニケーションに役立てることもできるため、幅広い場面で活用できる手法です。
プロジェクトベースドラーニングを実施するステップ
PBLは、以下の手順で進めていくのが一般的です。
- PBL全体のテーマを決定
- テーマを解決するための対策を考案
- リサーチの対象を明確化
- 問題解決に向けた自主的な学習
- 会得した知識を適用
- 学習内容を要約し、文書などに起こす
実際にPBLをおこなう際は、これらの手順を頭に入れておいてください。
まとめ
プロジェクトベースドラーニングとは、従業員の自発性に着目した問題解決型学習のことです。問題解決や人材開発、組織開発などさまざまな場面での効果が期待できます。
ほかにも、表現力や思考力、応用力の向上などが期待できるのもプロジェクトベースドラーニングの特徴です。アクティブラーニングが注目されたことで、プロジェクトベースドラーニングの注目度も高まっています。
人材の能動的な学習意欲を鍛えるために、多くの企業で重要な役割を果たす学習方法のひとつです。実施するうえでのステップを把握したうえで、積極的に取り入れる必要があります。