2022.10.17

プロダクトアウトの事例

プロダクトアウトとは、企業が作りたいと考える商品を開発することをいいます。企業が作りたい商品が基準となるため、企業の強みや技術、特色を最大限に活かすことができるのがメリットです。競合他社が持っていない技術を活用し差別化ができることや、これまでにないような商品を開発する場合もあります。

例えば、iPhoneをはじめとしたApple社の製品はプロダクトアウトの代表的な例です。Apple社のように、他社ができないような製品を開発することで、市場を独占するケースがあります。このほかにプロダクトアウトにおいて成功している事例はさまざまな例が挙げられます。

プロダクトアウトとは

プロダクトアウトとは、企業側が率先して商品を開発する手法です。ユーザーやそれぞれの市場が求めているものではなく、開発をしている人間が良いと判断したものを開発するのが特徴です。ユーザーや市場のニーズを優先に開発を進めるマーケットインとは対になる言葉として使われています。

プロダクトアウトの特徴

プロダクトアウトには次のような特徴が挙げられます。

  1. 自社の強みを活かせる
  2. 革新的な商品を開発できる可能性がある
  3. 商品を開発するまでの手間や費用を抑えられる

自社の強みを活かせる

プロダクトアウトにおいては、自社が持つ技術やノウハウといった強みを活かした商品開発をします。そのため、自社の強みを最大限に活かせるため他社にはできないような商品開発ができ、差別化を図ることが可能です。自社にしか開発できない商品がヒットすることにより、ブランディングをでき顧客ロイヤリティにつながる可能性があります。

革新的な商品を開発できる可能性がある

自社の技術や農箔を最大限に活かすことから、これまでの市場にはないような革新的な商品を開発できることがあります。ユーザー自身も気がついていないような潜在的なニーズを満たすことによって、大ヒットにつながるような商品を誕生させることが可能です。

商品を開発するまでの手間や費用を抑えられる

プロダクトアウトは企業の強みを最大限に活用することから、商品を開発するまでの手間や費用を抑えられます。企業がノウハウを持っていない商品を開発する場合であれば、一から醸成することが必要であり、手間や費用が必要です。

プロダクトアウトの注意点

プロダクトアウトは、企業側が率先して開発しますが決してユーザーの声や市場の動きを無視しているわけではありません。ユーザーのニーズに注目して、それらを満たすことができる商品を開発しています。いくら企業の強みを最大限に活かしているとはいえ、ユーザーの声を完全に無視した商品は失敗する可能性が高くなります。

これまで市場に出ている既存商品とは違うもので、企業の技術やノウハウを最大限に活かしてユーザーの課題を解決できる商品を開発することが重要です。

プロダクトアウトの成功事例

プロダクトアウトには次のような成功事例が挙げられます。

  1. ポケモンGo
  2. iPhone
  3. LINE
  4. SONYウォークマン
  5. カップヌードル
  6. Yahoo BB
  7. 電気自動車

ポケモンGo

ポケモンGoはアメリカのナイアンティック社が開発したゲームアプリであり、現実世界を舞台にしているのが特徴です。ポケモンGoの前身となったゲームであるIngressで導入した位置情報やAR技術を活用しています。さらに、コミュニティに参加できることから付加価値が生まれ大人気ゲームとなりました。

iPhone

iPhoneの初代が登場した2007年は携帯電話を使っている人が一般的でした。タッチパネルでの操作や薄型の端末など、これまでになかったようないiPhoneが持つ特徴に人々がだんだんと魅了されていきました。2022年において、iPhoneはAndroidとユーザー数は変わらない位に人々に定着するようになりました。

LINE

LINEが登場した頃はメールでのやり取りが一般的であり、ほかのツールを使ってコミュニケーションをとることが考えられない時代です。しかし、LINE同士であれば無料通話ができたりSNS機能を活用したりできることは潜在ニーズに合っており、後々に大きな反響がうまれ、現在では代表的な通信手段の1つとなっています。

SONYウォークマン

SONYではポータブルの音楽再生機能がほとんどない時期から、1979年にカセットタイプ、さらに1984年にはCDタイプを販売しました。音楽を再生することができるものを小型化したことにより、幅広いユーザーを獲得する結果となりました。大ヒットした要因として、SONYの高い技術が挙げられます。

カップヌードル

日清のカップヌードルは販売してから48年がたちますが、現在での売り上げを伸ばしており、チキンラーメンやどん兵衛など定番の宝庫といわれる企業において特別な存在です。カップヌードルは、他社の製品が時代に合わせてさまざまな味を出すなか、発売当時から味やパッケージをほとんど変えていません。日清では時代のニーズに合わせるよりも、定番を作ることを重要視しています。

参考:カップヌードル、ポカリスエットが定番であり続ける理由(日経ビジネス)

ポカリスエット

大塚製薬のポカリスエットは、発売から約40年たっていますが、2018年度に前年比で1割前後出荷が伸びるなどロングセラー商品となっています。安い飲料水が増えるなか、安易に安売りしないことが特徴です。

参考:カップヌードル、ポカリスエットが定番であり続ける理由(日経ビジネス)

Yahoo BB

ADSLサービスによってインターネットの常時接続を初めて展開したのがYahoo BBです。月額固定料金であることから市場が広まり、ユーザーの潜在的なニーズをつかむことに成功しました。

電気自動車

電気自動車が開発された当時は、どちらかというとネガティブな言葉が多く聞かれました。しかし、技術が進歩し世界環境への配慮が重要になり、世界各国の政府や世界の自動車メーカーが需要を喚起するようになったのです。環境問題への取り組みから、国や自動車メーカーの動きによってさらに需要が高まる可能性があります。

まとめ

プロダクトアウトは、企業の技術や特徴を最大限に活かして企業が作りたい製品を開発することです。そのため、ユーザーのニーズや市場の動きに合わない可能性があります。そのため、ユーザーのニーズを基準とするマーケットインにすべきといわれることがありますが、プロダクトアウトのなかにはユーザーの潜在ニーズを満たした独自性の強い商品を開発しているケースが少なくありません。

それぞれの時代にあわせて革新的な商品が誕生しますが、そのほとんどがプロダクトアウトといったアプローチから生まれています。

一覧に戻る

関連コラム