2022.10.04

プロダクトライフサイクルの成功例と失敗例

プロダクトライフサイクルとは、製品の誕生から衰退までのプロセスを表す言葉です。自社におけるプロダクトライフサイクルを成功させるためには、他社の事例なども含めて把握しておく必要があります。

プロダクトライフサイクルについて把握することは、コスト削減やマーケティング戦略の最適化、売り上げの最大化につながる、市場競争の優位性に関連する重要な視点です。

プロダクトライフサイクルの成功例

一般的には、トレンドに左右されやすいプロダクトが、プロダクトライフサイクルにおける成功につながりやすいといえます。代表例を挙げるとすると、タピオカや白いタイヤキなどがあります。

トレンドに沿ったプロダクトは、プロダクトライフサイクルにおけるフェーズの多くで一気に売上を確保できます。しかし、その分、衰退期に到達するまでのスピードが早い点には注意してください。

あくまでも単発で、かつ、爆発的な売上拡大を望むのであれば、トレンドの動きに沿ったプロダクトでの施策を立案するのがおすすめです。

また、参入障壁の低いビジネスを取り入れるのも成功につながりやすいといえます。SEOアフィリエイトや小規模での物販など、競合の少ない観点でのプロダクトライフサイクルを意識してもいいかもしれません。

ただし、トレンドや参入障壁に沿ったプロダクトライフサイクルは、短命である点も事実です。できることならロングセラーとして活躍できるプロダクトを開発したいと考える企業がほとんどです。

ロングセラーとして成功しているプロダクトライフサイクルといえば、日清食品のチキンラーメンが挙げられます。チキンラーメンは、インスタントラーメンの代名詞的存在として、現在でもトップクラスのシェアを誇ります。

レトロな雰囲気のパッケージデザインに、あえて人気女優をCMに起用するといった、歴史とトレンドを組み合わせたような独自の手法で市場ニーズに応えているのが特徴です。古い歴史のみを売りに出すのではなく、現代におけるニーズも取り入れているため、プロダクトライフサイクルの成功例といえます。

プロダクトライフサイクルの失敗例

プロダクトライフサイクルの失敗につながりやすい製品には、独自性の強いものが挙げられます。独自性が強すぎることで成熟期が長期に亘り、衰退期が訪れにくいことが理由です。

独自性の観点における失敗例として挙げられるのは、薬用養命酒です。薬用養命酒は、配合されている漢方薬を変えることなく、なんと400年ものロングセラーを記録しています。成熟期が長期間続いているため製品としては成功かもしれません。しかし、爆発的な売上アップやトレンドを取り入れにくいといった観点で、プロダクトライフサイクルの成功とはいえません。

また、生活必需品も、プロダクトライフサイクルの成功に当てはまりにくいとされています。生活必需品はトレンドに左右されず、常に必要とされるものです。そのため独自性が強い製品同様、成熟期が長いとされています。衰退期がほとんどないといえるものの、爆発的なヒットも期待できないのがデメリットです。

プロダクトライフサイクルに当てはまらない生活必需品の例には、炊飯器や電子レンジなどの家電が挙げられます。これらは多少の変化はし続けているものの、生活に必要なものということもあり衰退期がありません。よほど注目される改革を起こさない限り、成長期のような伸びは期待できないといえます。

フェーズ別の戦略・製品事例

プロダクトライフサイクルには、以下5つのフェーズがあります。

  1. 導入期
  2. 成長期
  3. 成熟期
  4. 飽和期
  5. 衰退期

導入期

プロダクトを導入したばかりの時期であるため、認知拡大に特化するフェーズです。主な戦略事例には、チラシやフリーペーパーの折込、広告出稿などが挙げられます。TVCMなどを打ち出す場合もあるため、プロダクトによって導入期の戦略は変化します。

導入期の製品事例に挙げられるのは、自動運転機能付きの自動車です。話題には挙がっているものの、一般的な普及となるとまだまだ進んでいません。今後の認知や拡大を通じ、一般への普及を目指しているため、導入期における代表例です。

成長期

プロダクトが市場に受け入れられ、成長拡大が期待できるフェーズです。トレンドに沿ったプロダクトに見受けられやすい段階でもあり、広告出向を中心としたマーケティング戦略を取ります。

特に現在での拡大が見られている製品例を挙げると、ChromecastやApple TV、Amazon Fireがあります。インターネット配信の番組を自宅のテレビで見られることもあり、コロナ禍における需要の高まりから急速に成長しているプロダクトの一種です。

成熟期

成長期を終え、プロダクトとしてのピークを迎えた時期を成熟期といいます。ある一定の売り上げは確保できるものの、成長期ほど爆発的な拡大は期待できません。成熟期を勝ち抜くためには、割引やクーポンなど、リピーターに向けた施策を実施するのが一般的です。

成熟期における製品事例に挙げられるのはスマートフォンです。市場としては確立されているものの、昨今では当たり前になりつつあるデバイスです。そのため、さらなる拡大よりも一定のペースでの売上が期待できる製品事例の一種です。

飽和期・衰退期

プロダクトの市場価格が下がり、売上が伸び悩むのが飽和期の特徴です。また飽和期を終え、売上と利益が下降するのが衰退期です。飽和期・衰退期ともに、既存製品のパッケージ化やモデルそのもののリニューアルなどが戦略として挙げられます。

飽和期・衰退期の具体的な製品事例は以下のとおりです。

  1. 液晶テレビ
  2. DVDプレーヤー

上記はまだ活躍の場は残っているものの、新しいモデルやBlu-rayプレーヤーに市場を奪われつつある製品として挙げられます。

プロダクトライフサイクルの特殊な事例

プロダクトのなかには、特殊なサイクルを描くものもあります。

主な事例としては、ライフスタイルとして長い寿命を持つものが挙げられます。住宅やスーツなど、大まかな形を変えられないものが代表例です。

また、スマホアプリやSNS、ファッションアイテムなど、代替品が存在するものは特殊なプロダクトライフサイクルに該当します。市場ニーズの変化で売上が大きく変化する、トレンドに基づいた製品も同じく特殊なプロダクトライフサイクルといえます。

ここまで解説したものは、以下のように分類されます。

  1. スタイル分野(住宅、スーツなど)
  2. ファッション分野(スマホアプリ、SNS、ファッションアイテムなど)
  3. ファッド(流行)分野(トレンドに基づいた製品)

プロダクトライフサイクルにおけるフェーズが、特殊な形で訪れるのが上記で紹介したプロダクトの特徴です。

まとめ

プロダクトライフサイクルは、マーケティングにおける成功を納めるためにも、覚えておくべき要素です。過去の成功・失敗事例を把握しておくことで、自社に置き換えた最適なプロダクトライフサイクルを実施できます。フェーズごとの製品事例も把握しておけば、より自社とマッチしたマーケティング戦略を建てられるかもしれません。

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