2023.02.02

人事評価における5段階割合

人事評価において5段階割合とは業務内容や役職を問わず、あらかじめ共通基準を設定しておき、段階で評価をすることです。日本では長い間導入されている評価方法で、現在でも5段階割合を導入している企業は少なくありません。

5段階評価はほかの人と比較をしやすいことから、競争心が生まれやすくモチベーションを上げやすい仕組みであることが特徴です。5段階割合には、絶対評価と相対評価があり、企業が選んだ評価方法からぶれないことが重要です。

参考:人事評価制度構築コンサルティング

人事評価における5段階割合

人事評価において5段階評価とは、日本では古くから導入されており役職や業務内容などを問わず同じ基準のおいて評価をすることです。絶対評価と相対評価の2種類あり、それぞれ企業の基準にあった方法を選択できます。数値で評価されることから、ほかの従業員と比較しやすく競争心が生まれやすい評価方法です。数値で提示するだけでなく、メッセージをつけて各従業員に伝えることが重要です。

5段階割合の種類

人事評価において5段階割合には次の2種類が挙げられます。

  1. 絶対評価
  2. 相対評価

絶対評価

絶対評価とは、前もって目標を設定しておき、設定した目標を達成しているかどうかで判断をする方法です。絶対評価は従業員一人ひとりが対象であり、客観的に評価をすることが特徴です。

絶対評価においては所属する部署や勤続年数が評価には影響せず、個人の成果が評価に直結します。近年、年功序列型の評価から絶対評価に変更する企業が増えています。外部環境による評価の影響がまったくないため、従業員にとってモチベーションを上げやすく、自身の成長につなげやすい特徴があります。

相対評価

相対評価とは、社内のほかの従業員と比較をすることによって評価をする方法です。例えば、5段階評価のうち5がもっとも良い評価であるとして、5の評価をするのは50人中5人、4の評価をするのは50人中10人とあらかじめランクに対して対象となる人数を決めておきます。日本では総体評価を導入する企業が多かったのですが、近年絶対評価に変わりつつあります。

5段階割合における評価基準

5段階割合による評価基準は企業によって異なりますが、ほかの従業員に対して模範的な態度や成果を出している従業員がもっともいい評価、職務を離れたり降格になったりするなど特別な事情であることが多いのがもっとも低い評価です。

もっとも高い評価

もっとも優れていると判断された従業員には最高等級評価となる評価が与えられます。高い成果を出しているほか、仕事態度も優秀で、ほかの従業員の模範となるような姿勢を見せている従業員が高い評価を受ける傾向にあります。評価基準は一般職層から管理職層までさまざまで、どの職層であっても高いレベルで仕事を進めている評価です。

2番目に高い評価

最高評価には届かなくても、企業が設定している基準以上の成果を出していることが2番目に高い評価につながります。もっとも高い評価にならなかったのは、成果を出していながら勤務態度にやや難点がある場合をはじめマイナス材料があるためです。

3番目に高い評価

3番目に高い評価はもっとも多くの従業員に対する評価となります。成果や業務態度など問題はない状態ですが、待遇としては現状維持と考えられることが一般的です。5段階割合の評価基準を導入している企業において、3番目に高い評価がもっとも決めやすいランクです。

4番目に高い評価

4番目に高い評価は企業が求めている基準を満たしていないといった内容になります。標準以下の評価であるため、継続して同じ評価となるようであれば降格になる可能性もあるのです。

もっとも低い評価

最低ランクの評価はさまざまな理由において職務についていないことを始め、なんらかの事情があることが一般的です。通常の業務をしていればなかなか着くことのない評価ですが、場合によっては今後のキャリア形成において影響が出る可能性があります。

5段階割合を活用するメリット

5段階割合を活用することにおいて、次のようなメリットが挙げられます。

  1. 評価をつけやすい
  2. モチベーションを上げやすい

評価をつけやすい

5段階割合には、従業員の給与や待遇などに影響が出にくい中間評価(3番目に高い評価)があります。そのため、評価を付ける担当者にとって評価をつけやすい特徴があります。先に中間評価対象者を決めておいて、ほかの評価対象者を決めることが一般的です。中間評価を設定する場合、従業員によって評価の内容が異なるためメッセージを加えることが重要です。

モチベーションを上げやすい

5段階割合を設定することによって、従業員が自分の評価をほかの従業員と比較しやすく、特にもっとも高い評価を受けた従業員にとってモチベーションを上げやすくなります。

2番目に高い評価を受けた従業員にとっては、業務内容や姿勢などにおいて企業が設定している基準よりは高いことが認められてはいるものの物足りない部分があるため、自分で課題を見つけやすくなります。このように5段階割合を設定することによって、競争心が生まれやすくなります。

5段階割合を活用する注意点

5段階割合を活用することにおいて、次のようなメリットが挙げられます。

  1. 中間評価ばかりに集めない
  2. 5段階では評価できない場合
  3. 絶対評価と相対評価がある

中間評価ばかりに集めない

評価をつけやすいからといって中間評価ばかりに集めると、評価制度を導入している意味そのものがなくなります。従業員にとっても、最終的に自分がどのように評価されているのかを判断しにくくなるのです。より効率的な評価制度にするためには中間制度をなくすことも1つの方法です。中間評価をつけた場合でも、なぜ中間評価になったのかを詳しくフィードバックすることが重要です。

5段階では評価できない場合

業務内容によっては5段階評価で評価しきれない場合があります。企業が求める標準以上に成果を出している場合でも、従業員によって差があります。さらに、5段階評価よりも上の評価をするべき従業員がいる場合もあるのです。このように5段階だけでは評価できない場合は、より詳しく従業員に評価を伝えるための工夫が必要です。

絶対評価と相対評価がある

5段階割合において、絶対評価と相対評価があります。絶対評価とは、個人の能力を基準にしたものでチームの成績や会社の売り上げなどに関係なく公平に評価をおこなう手法です。そのため、日頃の取り組みがそのまま評価に反映するのです。相対評価とは、ほかの従業員と比較をして評価を付けます。もっとも良い評価を受ける人数は最初から決まっており、十分な評価をされている場合でも最終的にはほかの従業員との比較になります。

それぞれの評価方法に特徴やメリットがありますが、企業はどちらの方法で評価をするか明確にしてぶれないようにすることが重要です。最高の評価を受けたとしても、絶対評価と相対評価では内容が異なります。相対評価では必ず最高の評価を受ける従業員がいますが、絶対評価では最高の評価を受ける従業員がゼロの場合もあるのです。

まとめ

人事評価において5段階割合とは、役職や業務内容などを問わず5段階で評価をすることです。従来日本ではよく使われていた方法であり、現在でも導入している企業は少なくありません。5段階評価は評価担当者にとってつけやすく、従業員にとってもわかりやすい方法ではあります。しかし、実際には5段階では評価できない業務も多く従業員により伝わるように工夫が必要です。

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