2024.04.05

MEDDICとは?項目と活用メリット

MEDDICとは見込み顧客の案件感度を見極めることが目的のフレームワークです。測定指数や決裁権者、意思決定基準、意思決定プロセス、見込み顧客が抱えている問題、自社サービスの擁護者といった項目を把握することで、問題解決方法や商品やサービスを使った場合の効果などを具体的に提案できます。

MEDDICは営業活動全般において何をすべきかを明確にしているため、案件に対して必要なことのみに集中できます。案件の内容を把握できるため、ほかの担当者と意思疎通をとりやすく受注までのプロセスを明確にすることが可能です。

MEDDICとは

MEDDICとは、見込み顧客の受注確度を把握するために活用するフレームワークです。数値指標の確認や意思決定者の特定、意思決定の基準、プロセスの明確化、課題の特定、プロジェクトを推進するチャンピオンの存在などを重視します。これにより、営業チームは顧客との関係を深め、成功に導くための具体的なステップを把握することが可能です。

MEDDICは次の項目を基準として、見込み顧客との信頼性の高い関係を築きながら具体的な提案や問題解決につなげられます。

  • Metrics(測定指標)
  • Economic Buyer(決裁権者)
  • Decision Criteria(意思決定基準)
  • Decision Process(意思決定プロセス)
  • Identify Pain(抱えている問題)
  • Champion(自社サービスの擁護者)

Metrics(測定指標)

Metricsは、顧客のビジネス目標や課題を数値化し理解することで、共通の目標を明確にする項目です。顧客のビジネス目標を具体的かつ測定可能な数値で把握することが肝要です。例えば、売上向上、市場シェアの拡大、コスト削減などが挙げられます。これにより、営業担当者は顧客の中長期的なビジョンを理解し、それに対するソリューションを提供する方針を立てることができます。

Economic Buyer(決裁権者)

Economic Buyerは、意思決定権を持つ担当者を特定し、担当者の視点や優先事項を把握する項目です。企業内で最終的な決定に携わる人物であり、プロジェクトや提案にかかわる資金やリソースの管理をおこないます。

ビジネスの目的やコスト面などの課題に焦点を当てることが求められます。これにより、提案される商品やサービスが企業の戦略やコスト面で適しているかを確認できます。

Decision Criteria(意思決定基準)

Decision Criteriaは、顧客が製品やサービスを選定する際の基準を把握し、それに合致する提案をおこなう項目です。顧客の意思決定に影響を与える主要な基準を理解することが不可欠です。これには、価格、品質、信頼性などが含まれます。各基準の重要度や優先順位を確認し、提案内容をこれらに沿った形にすることが求められます。

Decision Criteriaは、営業担当者が顧客のニーズに対応したソリューションを提案するうえでの指針となります。また、これにより競合他社との差別化ポイントを見出し、顧客がもっとも価値を見出せる提案をおこなうことが可能です。

Decision Process(意思決定プロセス)

Decision Processは、顧客の意思決定のステップや時間軸を把握し、営業活動を効果的に進める項目です。まず、顧客が製品やサービスの導入を決定するまでの具体的な手順を理解することが肝要です。これには、ニーズの認識、情報収集、提案の検討、契約交渉、最終的な決定などが含まれます。

Decision Processの理解は、顧客との信頼関係を築くうえで不可欠です。営業担当者は、顧客がどのステップにおいてサポートや情報提供が必要かを正確に把握し、プロアクティブにサービスを提供することで、より円滑なビジネスプロセスを促進することができます。

Identify Pain(抱えている問題)

Identify Painは、顧客の課題を明確にし、それに対するソリューションを提案する項目です。まず、顧客の現状や課題を把握するために、営業担当者は丁寧なヒアリングをおこないます。顧客のニーズや要望、およびビジネス上の困難に焦点を当て、それらを具体的な数値や事例として把握します。これにより、提案されるソリューションが具体的であり、顧客の期待にマッチするかどうかが明確になります。

Identify Painでは顧客が抱える悩みを明確に理解し、それに対する効果的な対策を提案する項目です。顧客が感じる困難や課題に対して的確にアプローチすることで、提案される商品やサービスが課題解決につながります。この段階での説明が具体的であるほど、顧客は提案に対して信頼を高める可能性が高まります。

Champion(自社サービスの擁護者)

Championは営業担当者が顧客組織内で強力な味方となる人物を見つけることを指す項目です。この味方となった人は提案される商品やサービスに賛同し、その価値を他の関係者にも伝える存在です。

Championを見つける際には、顧客組織内の人間関係を構築し、信頼を築くことが不可欠です。Championが組織内でどのような役割を果たしているかを把握し、該当の顧客との連携がビジネスにどのような価値をもたらすかを明確にします。

MEDDICの活用メリット

MEDDICは案件感度を見極めることが目的のフレームワークです。6つの要素を基準として、何が足りているか、何が足りていないかを確認できます。そのため、次のようなメリットが生まれます。

  1. 意思疎通をしやすい
  2. 案件の内容を理解しやすい
  3. 受注までのプロセスを明確にしやすい

意思疎通をしやすい

MEDDICを活用することで意思疎通をしやすくなります。MEDDICを適切に適用することで、営業担当者は顧客とのコミュニケーションを効果的に進め、ニーズに適したソリューションの提供が可能です。このフレームワークを取り入れることで、双方の期待や目標が明確になり、スムーズな意思疎通ができます。

Metricsでは、顧客のビジネス目標や課題を数値化して共通の目標を明確にし、Economic Buyerでは意思決定権を持つ担当者を特定することが特徴です。また、Decision Criteriaでは顧客が重視する基準を理解し、それに基づいた提案をおこなうことができます。Decision Processでは、顧客の意思決定のプロセスや時間軸を把握し、営業活動を戦略的に進めることが可能です。

Identify Painでは、顧客が抱える課題を具体的に理解し、それに対する最適な解決策を提案します。最後にChampionでは、顧客組織内での支持者を見つけ、強力な連携を築くことで信頼関係を深めます。これにより、営業担当者は顧客とのコミュニケーションをより戦略的かつ効果的に進め、案件の特徴や要件をより具体的に理解することが可能です。

案件の内容を理解しやすい

営業活動でMEDDICを進めることで、案件の内容を理解しやすくなる特徴があります。MEDDICでの6つの要素を網羅的に評価することで、顧客とより深いコミュニケーションをとることが可能です。MEDDICを用いることで、営業担当者はより詳細な情報を得ることができ、案件の進捗や課題に対する理解が向上します。また、これらの情報をもとに顧客との信頼関係を築きながら、受注につなげるための戦略を構築することができます。

受注までのプロセスを明確にしやすい

MEDDICを運用することで、受注までのプロセスを明確にすることが可能です。6つの要素を明確にすることで、営業担当者がターゲットとなる企業とのコミュニケーションを効果的に進め、製品やサービスが顧客のニーズにどれだけ適しているかを明確にしやすくなります。顧客の信頼を築きスムーズな受注プロセスを実現できることから、MEDDICは重要なツールだといえます。

MEDDICを活用するポイント

MEDDICを活用するポイントは、顧客の課題を特定してから受注するまでと、Championの育成から受注までのプロセスで異なることが一般的です。

課題を特定してから受注までのプロセス

初めての顧客との商談でIdentify PainやEconomic Buyerを明確にします。顧客が持つ課題を明確にするほか、意思決定を持つ担当者を把握することが重要です。また、意思決定において重要な役割を果たすEconomic Buyerを把握することも欠かせません。この担当者がプロジェクトに対する賛同や承認権限を持っているかどうかを確認することが重要です。

Championの育成から受注までのプロセス

次の段階として、Championが育成から入ることが一般的です。Championは顧客組織内で製品やサービスに賛同し、推進してくれる重要な味方です。Championが存在するかどうかで、案件の進捗や成功に大きな影響を与えます。Championがいる場合、案件の進展がスムーズになり、内外の関係者とのコミュニケーションも円滑になります。製品やサービスに対する熱意を持ち、プロジェクトの成功に向けて積極的な役割を果たすことが一般的です。

Championが見つからない場合、その案件に対する感度が薄まることがあるので注意が必要です。Championがいない状態では提案が進まなかったり、意思決定プロセスが滞ったりする可能性が高まります。そのため、存在が重要視され商談の初期段階で適切なChampionを見極め、育成していくことが良質な案件の受注につながりやすくなります。

まとめ

MEDDICとは見込み顧客の度合いを判断するフレームワークです。測定指数や決裁権者、意思決定基準、意思決定プロセス、見込み顧客が抱えている問題、自社サービスの擁護者といった6つの項目でBANTよりも詳細な分析をおこないます。購買プロセスのさまざまな側面を理解する必要があるため、購買プロセスが複雑であったり契約金額が大きい案件であったりする場合に活用されることが一般的です。

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