- 営業戦略
グロースハックのフレームワーク
グロースハックとは企業全体でユーザーの行動特性やニーズなどのデータを継続的に取得し、そのデータを活かして製品に改善をしていくことをいいます。グロースハックを進めていくうえで、基礎となる考え方や戦略のことをグロースワークのフレームワークといいます。
グロースワークにおいては、主にAARRRモデルやABテストが利用されます。AARRRモデルとは、ユーザー獲得から収益化までのステップを分けて、それぞれのフェーズごとに指標を設定して施策を進めていくことをいいます。
ほかにARRRAとよばれるモデルもあり、自社にあったモデルを選択することが必要です。ABテストとは複数のパターンがあるときに、どのパターンがもっとも効果的であるかをテストすることです。
グロースハックはデータを最大限に活用して、成功確率の高い手法で進めるのが大きな特徴です。そのためにも、フレームワークを効率的に活用することが重要です。
グロースハックとは
グロースハックとは開発から実装、実装後も常にユーザーの行動特性やニーズを分析して製品やサービスに改善をしていくマーケティング戦略です。こまめに改善をすることからユーザーのとって信頼感が高まり、ニーズを分析していることから成功率を上げることができるのが特徴です。
通常のマーケティング戦略のように、まず企業が100%と考える製品を作るのではなく開発の時点からユーザーのデータを反映させていきます。さらに、実装や実装後も引き続きデータ分析や改善をすることにより長期的にユーザーを増やしていきます。
改善をこまめに加えることによって、競合他社に乗り遅れるといったリスクを減らすことも可能です。
グロースハックのフレームワークとは
グロースハックには次のようなフレームワークがあります。
- AARRRモデル
- A/Bテスト
- ARRRAモデル
AARRRモデル
グロースハックにおいて代表的なのがAARRRモデル(アーモデル)です。AARRRとは次の5つの視点の頭文字をとっています。
- Acquisition(ユーザー獲得)
- Activation(ユーザー活性化)
- Retention(利用継続)
- Referral(紹介)
- Revenue(収益化)
それぞれのフェーズにおいてどのような課題があるのかを分析して、フェーズごとに改善施策を見つけていきます。改善施策を決める上で指標を設定するのですが、ユーザーリピート率や無料体験の利用者数などざまざまなデータを活用する必要があります。
Acquisition(ユーザー獲得)
Acquisitionとはユーザー獲得をする段階のことをいい、いかにユーザーに消費やサービスを認知してもらえるかといった観点になります。つまり、どれだけのユーザーを獲得できているかといったユーザーの量が対象となる視点です。
Activation(ユーザー活性化)
Activationとはユーザーがサービスを利用した段階のことをいいます。つまり、自社の商品やサービスに興味をもち、メルマガの登録や無料体験を利用するなどの行動があてはまります。
Retention(利用継続)
ユーザーが商品やサービスに対して継続して関心をもっており、メルマガの開封率や商品やサービスを紹介しているページへ再度訪問する確立などがこのフレームワークに当てはまります。
Referral(紹介)
すでに商品を購入したり、サービスを利用しているユーザーが、ほかのユーザーに対して紹介をしている段階です。主にTwitterやInstagramなどのSNSで拡散する方法をとります。企業としては、拡散された情報がどれほどエンゲージメントにつながっているかをトラッキングをはじめとした方法で確認することができます。
きっかけは紹介ですがユーザーの量を増やすことを表しているモデルです。ユーザーが商品やサービスを拡散しやすくなるような、紹介キャンペーンなどの施策が重要になります。
Revenue(収益化)
収益の段階であり、ユーザー1人ごとの最小収益やリピーターの割合などさまざまな観点において改善していきます。売上を最終目的にしているケースが多く、コンバージョン率が重要になります。
ABテスト
次にグロースハックにおいて使われるフレームワークがABテストです。ABテストとは、LP(ランディンページ)やWebページ、その他の広告の画像などにおいて2つ以上の複数パターンを用意しておいて、それぞれの効果を確認するためのテストをすることをいいます。
比較をして初めてわかることもあり、グロースハックを進めていくうえでは重要なフレームワークとなります。
グロースハックを進める上でABテストの役割とは、ユーザー行動にあわせて課題を検証して課題を解決するために改善することに役立てることです。ABテストにおいて、効果を確認する指標となるのはクリック率やコンバージョン率、エンゲージメント率が挙げられます。
コンバージョンとはWebサイトやLPサイトなどにおいて、あらかじめ設定している目標をどれだけ達成できるかを客観的に判断でき、費用対効果の分析も可能です。エンゲージメント率とは、SNSなどに投稿した内容に対して、どれくらいのユーザーが反応したかを把握することができます。
例えば、2つの広告画像を用意してどちらの画像がよりクリックされているかをテストします。このようなABテストを繰り返すことで、より効果的なマーケティング方法を選ぶことができます。
ARRRAモデル
ARRRAモデル(アーラモデル)とは、AARRRモデルの順番を入れ替えたものです。ARRRAは次のような順番になります。
- Activation(活性化)
- Retention(保持)
- Referral(紹介)
- Revenue(収益)
- Acquisition(獲得)
ARRRAモデルの特徴として、Activation(活性化)とRetention(継続利用)を先にもってきたことです。ユーザーが製品を使うことによって、ユーザーにとって価値がある状態を目指していきます。ユーザーにとって価値のある製品を作っていれば、おのずと推奨や収益はとからついてくるといった考え方です。
Acquisitionとよばれる集客を最後にもってきているのは、ユーザーにとって価値のある製品やサービスを提供することによって収益になり必然的に集客につながると考えているためです。逆に言えば、集客にいくら力をいれてもユーザーに対して価値提供がなければ企業の成長にはつながらないということです。
つまり、ARRRAモデルはAARRRモデルの順番を入れ替えただけではなく根本的に考え方が異なります。
まとめ
グロースハックとは開発から実装、実装後もユーザーの行動特性やニーズなどのデータを取り入れ、活用することで改善を重ねていくマーケティング戦略です。グロースハックを進めるうえで基礎となるのがフレームワークであり、主にAARRRモデルとABテストが利用されます。