2022.07.26

グロース ハックの事例

グロースハックとは、商品やサービスを作る段階からユーザーのニーズを意識していく手法をいいます。販売したあとも引き続き、ユーザーの声を確認しながら改善を続けていきます。一方、従来のマーケティングは商品やサービスの開発と、販売の仕方は別に考えるのが一般的です。

グロースハックの主な事例として、Twitterやフェイスブックなどが挙げられます。新用品の展開が早い現代において、グロースハックの需要が高くなる可能性があります。

グロースハックとは

グロースハック(Growth Hack)とは、Qualaroo社CEOショーン・エリス氏が提唱したマーケティングの概念で、商品を開発している時点で市場の動向やユーザーのニーズを研究をすることをマーケティングに取り入れる手法のことをいいます。グロースのハックの大きな特徴として、常に改善を続けることが挙げられます。

グロースハックが注目される背景としては、多くの企業が導入していることによる競争率の激化やサービスの短命化が挙げられます。さらに、インターネットやスマートフォンの普及によりユーザーはあらゆる情報を入手できるようになり、これまで以上にユーザーのニーズにあわせたマーケティングが必要になったことがあります。

グロースハックが成功するためにすること

グロースハックが成功するためには次のことをする必要があります。

  • PDCAを迅速に回す
  • ニーズのある商品やサービスを展開する
  • 費用対効果の高い仕組みの準備

PDCAを迅速に回す

グロースハックを成功させるうえでまず考えたいのが、PDCA(Plan、Do、Check、Action)を迅速に回すことです。自社の商品やサービスにおいての課題を見つけて、改善を加えて実施するまでをできるだけスピーディーに進めていきます。

ほかにも同じように商品やサービスを展開しようとしている企業は少なくなく、PDCAサイクルが長いとユーザーはほかのサービスに移ってしまいます。課題点を素早く改善する商品やサービスは必然的に満足度が高くなります。グロースハックを進めるうえでスピーディーな動きがもっとも重要になります。

ニーズのある商品やサービスを展開する

グロースハックを成功させるためには、ユーザーが求めている商品やサービスを展開させることが大切です。企業としてどれだけ満足の行く商品を開発できたとしても、ユーザーのニーズに合致していなければ今後売り上げを上げていくのはむずかしくなります。

費用対効果の高い仕組みの準備

グロースハックの大きな目的として、コストをできるだけ抑えて効率よく利益を出すことが挙げられます。そのため、グロースハックの仕組み自体にコストをかけてしまうと本末転倒です。そこで、明確なKPI(Key Performance Indicator、重要業績評価指標)を設定して随時費用対効果がどれくらいであるかを測定することが重要です。

グロースハックの事例

グロースハックには次のような事例があります。

  • Dropbox
  • Airbnb
  • Twitter
  • Facebook
  • Jimmy Jazz

Dropbox

Dropboxを率いているショーン・エリスはグロースハックの生みの親です。Dropboxでは新規ユーザーを分析することによって、新規ユーザーの30%以上は既存ユーザーが紹介していることを把握しました。そこで、紹介をしてくれたユーザーには250MBのストレージを追加する特典を提供しました。

さらに、登録フォームや表示する画像などにおいてABテストを徹底して進めることにより、コンバージョン率の改善に成功することができました。グロースハックの生みの親が進めた戦略であることから、現在でもグロースハック事例の基準となっています。

参考:グロースハックとは?事例から成功手法まで5分で理解できる記事(Udemy)

Airbnb

バケーションレンタルのオンラインマーケットプレイスであるAirbnbでは、地域情報を提供しているコミュニティサイトであるCraigslistと連携させました。Craigslistと連携させることにより、Airbnbにも自動的に投稿させるようになったことからユーザーを獲得することに成功しました。

この戦略はグロースハックの一般的なフレームであるAARRRモデルのはじめのフェーズであるAcquisition(ユーザーを獲得する段階)にあたります。ユーザーを獲得するための戦略をしたということになります。

参考:プラットフォームへの統合戦略によるグロースハック~PaypalやSpotifyの事例~(exidea)

Twitter

Twitterはサービス当初はアクティブ数を増やすことができない状態にありました。そこでFacebookのサービスを改善したグロースハッカーを含めたチームを作り、ホームページの簡易化など施策を進めていきました。その結果コンバージョン率を大幅に向上させることに成功しました。

Twitterは、Facebookのサービスを劇的に成長させたグロースハッカー「Andy Johns」氏を中心に、25人のグロースチームを発足。チームがまず行った施策は、「ホームページの簡易化」でした。
当時Twitterは、ユーザーに対し少しでも自社サービスの良さを知ってもらおうと、ホームページに使い方や特徴といった様々な情報を記載していました。しかし、その情報のせいでホームページは複雑化し、ユーザーのサインアップを妨げる原因となってしまっていたのです。
その事実に気づいたTwitterのグロースチームは、サインアップやログインに重点を置くようページをシンプルなものに改善する施策を打ちました。直後、コンバージョン率は大幅に上昇、サービスは劇的に活性化したのです。
出典:「グロースハックって何?」Twitterと転職会議の実例で説明してみた(wantedly)

Jimmy Jazz

Jimmy Jazzはファッションの販売店でオンラインでの販売をしていたのですが、コンバージョンが上がらないという課題を持っていました。これまでは購入ボタンを見つけるためには、カート内にあるものを紹介しているページの一番下までスクロールをする必要がありました。そこで、ABテストで購入ボタンをトップページにも設置することでどちらがコンバージョン率が上がるかの検証をしました。

40万人が検証に参加した結果、購入ボタンをトップページに追加したバージョンが圧倒的に購入者が多い結果となりました。この分析は購入プロセスの明確化をおこない、ユーザーの手間を減らすことに成功したことからコンバージョン率の向上に成功した例です。

参考:【ABテスト事例】購入ボタンの最適な配置とは?(dlpo)

まとめ

グロースハックとはデータを活用して検証を定期的におこない、商品やサービスの改善を続けて進めることをいいます。グロースハックとはもともとドロップボックス社のショーン・エリスが生みの親であり、DropboxやTwitterをはじめ多くの大手企業で導入されるようになりました。

グロースハックは従来のマーケティング戦略と違い定期的にユーザーに行動分析をおこない、サービスの改善をするPDCAを高速で回していくためユーザーのニーズに合った製品やサービスを提供できる可能性が高くなります。

特にTwitterやDropboxのようなIT関連のサービスはライフサイクルが短いといわれ、短期間で継続してデータを分析するグロースハックを導入するケースが少なくありません。

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