2022.04.12

新規事業に関連する助成金

助成金は国や都道府県が、設定された条件を満たすことにより受け取ることができます。融資ではないので返済をする必要がありません。助成金には大きくわけて2種類あり、厚生労働省が負担をしている雇用関係と経済産業省が負担をしている研究開発型があります。

新規事業を立ち上げるときに助成金を利用するメリット

新規事業を立ち上げるときに助成金を利用するメリットには、以下の2点が挙げられます。

  • 予算や支給件数に制限がないことが多い
  • 申請期間が通年であることが多い

予算や支給件数に制限がないことが多い

助成金は補助金と違って予算や支給件数に制限があることはほとんどありません。そのため必要条件を満たしており、 必要書類を提出することができればほとんどのケースで助成金を受け取ることができます。

申請期間が通年であることが多い

補助金は予算や支給件数に制限があることが多いことから、申し込み期間が限られていることがほとんどです。 しかし、助成金は通年であることが多く、いつでも申し込みをすることができます。

新規事業に関連する助成金

新規事業に関連する助成金には主に以下の4種類が挙げられます。

  • キャリアアップ助成金
  • 創業助成金
  • 人材開発支援助成金
  • 産業雇用安定助成金

キャリアアップ助成金

キャリアアップ助成金とは有期雇用労働者や短時間労働者、さらには派遣労働者といった非正規雇用労働者を正社員化するための取り組みをした企業に対して助成をすることが目的です。

キャリアアップ助成金で、新規事業が対象なのは主に以下の3つのコースがあります。

  • 正社員化コース
  • 賃金規定等改正コース
  • 諸手当制度等共通化コース

正社員化コース

正社員化コースには以下の3段階があり、それぞれ助成額が異なります。

  • 有期雇用労働者→正規雇用労働者
  • 有期雇用労働者→無期雇用労働者
  • 無期雇用労働者→正規雇用労働者
有期雇用労働者→正規雇用労働者
対象 助成額
大企業以外の場合 57万円
大企業以外で生産性の向上が認められた場合 72万円
大企業の場合 42万7,500円
大企業で生産性の向上が認められた場合 54万円
有期雇用労働者→無期雇用労働者
対象 助成額
大企業以外 28万5,000円
大企業以外で生産性の向上が認められた場合 36万円
大企業の場合 21万円3,750円
大企業で生産性の向上が認められた場合 27万円
無期雇用労働者→正規雇用労働者
対象 助成額
大企業以外 28万5,000円
大企業以外で生産性の向上が認められた場合 36万円
大企業の場合 21万円3,750円
大企業で生産性の向上が認められた場合 27万円

参照:キャリアアップ助成金のご案内(厚生労働省)

賃金規定等改正コース

有期雇用労働者の基本給を増やした場合、1事業所あたりで対象の労働者数に対して支給される助成金が異なります。またすべての有期雇用労働者の賃金規定を2%以上増額した場合と、一部の賃金規定を2%以上増額した場合で助成金額が異なります。

赤字文字の数値の内容ですが、左から大企業以外、大企業以外で生産性の向上が認められた場合、大企業、大企業で生産性の向上が認められた場合の助成額です。

1~10人までは1事業所あたりですが、11~100人までは1人あたりの助成額になります。

賃金規定等改正コースの助成額画僧出典:キャリアアップ助成金のご案内(厚生労働省)

諸手当制度等共通化コース

有期雇用労働者に、正規雇用労働者と同じ条件の諸手当制度を適用した場合、もしくは法定外の健康診断制度を設定し4人以上利用した場合が対象になります。

対象 助成額
大企業以外 38万円
大企業以外で生産性の向上が認められた場合 48万円
大企業の場合 28万5,000円
大企業で生産性の向上が認められた場合 35万円

参照:キャリアアップ助成金のご案内(厚生労働省)

創業助成金

創業助成金は東京都が提供している助成金で賃貸料や広告費、従業員人件費などの経費の一部を助成します。対象が幅広くなっており、新規事業を立ち上げるうえで必要な項目が多いのが特徴です。

また、助成対象期間が交付決定日から6か月以上2年以下と長いのも特徴的です。

助成対象期間 交付決定日から6か月以上2年以下
助成限度額 上限額300万円 下限額100万円
助成率 助成対象と認められる経費の2/3以内
助成対象経費 賃借料、広告費、器具備品購入費、産業財産権出願・導入費、専門家指導費、従業員人件費

参照:融資・助成制度(東京都創業NET)

人材開発支援助成金

人材開発支援助成金とは、従業員を社内または社外の研修を受けさせることにより従業員のレベルアップをサポートするための助成金です。大きくわけて特定訓練コースと一般訓練コースに分かれており、特定訓練コースはOFF-JTとOJTの2つにさらに分かれています。

新規事業において、従業員に特定の知識やスキルが必要な場合人材開発支援助成金をうまく活用することにより、業務効率化の向上につなげることができます。

人材開発支援助成金の助成額画像出典:人材開発支援助成金(特定訓練コース・一般訓練コース)のご案内(詳細版)厚生労働省

人材開発支援助成金は企業規模や、実訓練時間数によって変動します。また特定訓練コースや一般訓練コースによっても異なります。

経費助成金限度額画像出典:人材開発支援助成金(特定訓練コース・一般訓練コース)のご案内(詳細版)厚生労働省

まとめ

新規事業を立ち上げるための費用は、多額の費用が必要になることが一般的です。しかし助成金を利用することにより、費用を抑えることができます。特に人件費や人材育成に関して国が力を入れており、さまざまな助成金があります。

助成金は条件を満たしており、必要書類がそろっていれば受け取れる可能性が高いため、対象の助成金があるか確認をすることが大切です。

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