- 組織人事
人材育成補助金の事例
従業員の研修参加費用、運営者が研修を主催した場合の費用、求職者が資格取得をするときの費用などそれぞれ地方自治体によってさまざまな補助金を出しています。
人材育成をするためにはコストがかかり、特に中小企業にとって大きな負担がかかっていました。そこで地方自治体が地域内企業の人材育成をサポートしています。
基本的な仕組みは助成金と同じですが、補助金は予算が決まっていることから審査や抽選により条件を満たしていても必ず受けられるとは限りません。
福島県須川市の人材育成補助金の事例
厚生労働省所管の公共職業訓練施設である福島職業能力開発促進センターにて、人材育成補助金(須川市中小企業等人材育成事業補助金)の受付、また相談対応をおこなっています。対象となるのは国や県の研修機関主催の研究事業や外部から講師を呼んで研修事業を主催する場合です。
補助金額
研修参加、研修主催ともに補助対象経費の3分の2以内で年間40万円までが対象です。また先進地の調査研修関連で2日以上の研修事業に参加する場合は、補助対象経費の2分の1以内、また年間10万円までとなります。
内容 | 補助率 | 限度額 |
---|---|---|
研修参加 | 補助対象経費の3分の2以内 | 年間40万円 |
研修主催 | 補助対象経費の3分の2以内 | 年間40万円 |
先進地の調査研修 | 補助対象経費の2分の1以内 | 年間10万円 |
必要書類
研修受講のための申込書、請求書、宿泊費など、証明できる書類が必要です。さらに事業が完了したあとも実績や事業の報告が求められています。
事業着手の2週間前に必要な書類
- 補助金交付申請書
- 事業計画書
- 研修参加社
- 雇用保険の写し
- 受講申込書の写し
- 受講料請求書の写し
- 研修内容が確認できる書類
- 交通費、宿泊費が確認できる書類
- 研修主催社
- 講師謝礼金、会場借上料の見積書
- 参加者、講師、研修内容が確認できる書類
事業完了後14日以内に必要な書類
- 実績報告書
- 事業報告書
- 補助金交付請求書
- 研修参加者
- 研修修了証書の写し
- 対象経費の支出が確認できる書類(領収書の写し等)
- 研修主催者
- 研修実施が確認できる書類
- 対象経費の支出が確認できる書類(領収書の写し等)
新潟県妙高市の人材育成補助金の事例
新潟県の妙高市では、地域人材育成支援助成金として求職者のために資格取得に必要な試験受験料、講習受講料の一部を助成しています。ただし、不合格となり同じ年度に再度受講する場合は、助成対象外となります。
補助金額
上限を3万円とした助成対象経費の2分の1の額を補助金額としており、同一年度においては1人2回まで補助対象となります。
内容 | 補助率 | 限度額 |
---|---|---|
試験受験料、講習受講料 | 助成対象経費の2分の1の額 | 3万円 |
宮崎県日南市の人材育成補助金の事例
宮崎県日南市では中小企業人材育成事業費補助金制度を実施しています。人材育成に必要な内部、外部研修や通信講座受講に対する費用の一部を負担しています。
補助金額
研修の受講料、教材費、交通費は1回当たり3万円まで、通信講座であれば1万円まで、講師を外部から派遣してもらうときは対象経費の2分の1以内となっています。
必要書類
従業員が研修を受けたことがわかる書類や、雇用を証明できる書類、納税が証明できる書類など必要書類は数多くあるので早めに準備をすることが必要です。
- 研修の概要を証する書類
- 研修の受講決定を証する書類
- 研修の受講料支払を証する書類
- 研修の修了を証する書類
- 研修受講報告書
- 雇用証明書
- 市税完納証明書
- 特別徴収実施確認・開始誓約書(様式第2号)
新潟県三条市の人材育成補助金の事例
新潟県三条市で実施している人材育成研修受講料補助金は以下のいずれかの条件を満たしている企業に対して、人材育成に関する研修費用に対して一部補助をしています。
- 製造業その他の業種従業員 300人以下又は資本金3億円以下
- 卸売業 従業員100人以下又は資本金1億円以下
- 小売業 従業員50人以下又は資本金5千万円以下
- サービス業 従業員100人以下又は資本金5千万円以下
受講対象となるのは、NAZEと中小企業大学校での研修となります。中小企業大学校では、経営者、経営幹部、管理者向けの研修をしており、人材育成のためには人事に関しても知識やスキルを身につける目的の補助金です。
NAZEとは自主的に参加している企業や行政などの支援機関、高等教育機関などが会員となり、モノづくり産業の活性化を目的として、地域内の企業が発展するためにサポートをしているNPO法人です。そのため、製造業や卸売業、小売業が対象となっています。
補助率
小規模対象と中規模企業者で補助率が異なります。また小規模企業は、研修内容によっても補助率が一律ではありません。
研修内容 | 補助率 |
---|---|
NAZE | 2/3 |
中企大三条校研修(長期研修) | 2/3 |
中企大三条校研修(短期研修) | 1/2 |
研修内容 | 補助率 |
---|---|
NAZE | 1/3 |
中企大三条校研修 | 1/3 |
地場産研修 | 1/3 |
必要書類
新潟県三条市人材育成研修受講料補助金を受け取るためには、中小企業大学校三条校、燕三条地場産業振興センター、NPO法人長岡産業活性化協会(NAZE)で手続きを済ませる必要があります。前もってそれぞれの商工課に申請書類を提出して、交付決定が決まったら通知書が送られています。
受講したあとに、受講実績報告書、振込受領書の写し、修了証書の写しの提出をすることが求められています。
愛知県小牧市の人材育成補助金の事例
愛知県小牧市では、中小企業を対象として人材育成のための研修費に対して中小企業人材育成研修費補助金制度を実施しています。対象となる研修は、小牧商工会議所や中小企業大学校が実施する研修、中部職業能力開発促進センターが開講しているセミナーです。
中小企業大学とは、中小機構が経営者や管理者向けの研修をしています。人材育成をするためには経営者や管理者もノウハウを勉強する必要があります。企業が人材育成の仕組みを作るためにも経営者や管理者が人材育成を理解していることは重要です。
補助対象となるのは、以下の事業です。
- 中小企業大学校の実施する研修
- 中部職業能力開発促進センター(ポリテクセンター中部)が開講する能力開発セミナー
- 小牧商工会議所が実施する研修等
補助金額
補助率 | 限度額 |
---|---|
補助対象経費×1/2 | 1人あたり10万円 |
必要書類
補助金の対象となるのは、地域内の企業で市税の滞納がない中小企業です。登記事項の証明書以外に、事業に関連する申込書や受講したあとの修了証書が必要です。
- 登記事項証明書
- 対象事業に係る申込書等の写し
- 補助対象経費の領収書の写し
- 補助対象事業に係る修了証書の写し
- 市税の滞納がないことを証する書類
まとめ
地方自治体では企業の人材を育てるための補助金を提供しています。補助金にはそれぞれ地方自治体によってさまざまな種類があり、事業に関連する研修や資格取得などが一般的です。厚生労働省が発表している助成金は雇用保険料が財源であることに対して、補助金は税金が財源となっています。
人材育成補助金は地方自治体が従業員のスキルアップや就職支援の一環として、発表しているケースがほとんどです。