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デジタルトランスフォーメーション(DX)の活用事例
デジタル社会の変革が進む中、デジタルトランスフォーメーション(DX)は取り巻く社会や人々に大きな影響を与えています。アナログで行っていた仕事をデジタル化することにより生産性を大幅に向上することも可能です。大企業によるデジタルトランスフォーメーションの成功は、人々のライフスタイルを大きく変えるきっかけにもなり得ます。
国内のDX活用事例
まずは国内におけるデジタルトランスフォーメーションの事例をご紹介します。
メルカリの事例
メルカリは多くの人が利用しているフリマアプリです。フリマアプリの中では不動の地位を確立しているといっても過言ではありません。メルカリは、これまでのフリマアプリには無かったアプリ上にて匿名のまま気軽に取引をおこなうことができる仕組みを生み出すことでDXを実現しました。
ひと昔前は自宅にある不要なものは処分するかリサイクルショップに持っていき売却するというのが主流でしたが、フリマサイトやアプリの普及によりネット上での直接売買が広まりました。メルカリはさらに気軽な匿名取引に加え、使いやすい決済サービスを提供することで取引の敷居を下げ、現在では多くのユーザーの支持を受けています。
家庭教師のトライの事例
家庭教師のトライは、長年のノウハウを詰め込んだ独自の映像学習サービスを開発しました。単に映像を見せるだけではなく、授業中にスマホを振ると講師に簡単に質問できるというシステムをはじめ、生徒の学習をサポートできるよう一歩踏み込んだオンライン授業を行っています。
学校においてもオンライン授業が当たり前になりつつあります。これからの時代、オンライン映像学習サービスはさらに成長していくことが期待されます。
大塚製薬の事例
大塚製薬は、薬の飲み忘れ防止に一役買う服薬支援サービスを開発、提供しています。
開発の経緯として、薬局でもらった薬を最後まで飲み終えていない人が多い状況にあることが背景にありました。今では一部の患者に提供されており、特に高齢者をはじめ薬を飲んだことを忘れてしまうことが多い方にとって非常に役立つシステムとなっています。
日本郵便の事例
日本郵便では、郵便物を配達する人員が不足しているという問題があります。こうした問題を解決するために、郵便物をドローンで配達する仕組みを導入しつつあります。まだ試験段階ではありますが、ドローン配達が一般化すれば、郵便物を配達する人員を大きく削減することができ、人力で配達するよりも早く荷物を届けることが可能になるかもしれません。
特に地方で一軒一軒が離れている場合や、険しい道を通らなければならない場合、郵便物をスムーズに配達するのが難しいという問題があります。ドローンでの配達が可能になればこのような問題は解消することが見込めます。
海外のDX活用事例
ここからは海外におけるデジタルトランスフォーメーション活用事例をご紹介します。
Amazonの事例
Amazonのデジタルトランスフォーメーションは、これまでの買い物事情をデジタル化したということ。今までは、店舗に足を運んで買い物を行くというのが常でしたが、インターネットを利用して買い物をするという、消費者の行動をデジタル化し買い物の概念を大きく変えました。これらはECサイト全般にいえることですが、他のECサイトに対しても競争優位性を獲得しようとしています。
また、Amazonでは、AIを駆使したレコメンド機能も充実させ、ユーザーにとって痒い所に手が届く便利な機能をいち早く取り入れました。加えて、商品購入時の配送料が無料となり映像や音楽などのサービスなどが利用できるAmazonプライムというサービスを拡充することで、多くのユーザーの取り込みに成功しています。
Amazonの事例はデジタルトランスフォーメーションの世界的な成功例といっても過言ではありません。
Uberの事例
Uberの事業内容の主軸となっているのが、自動車配車サービスです。具体的なサービス内容としては、Uberが提供するアプリを利用して行先を設定し配車を依頼します。これを依頼すると、配車までにかかる時間や現在地などが表示されます。利用料金はアプリ内での決済となるため、直接現金の授受などは発生しません。
よくタクシーと比較されますが、タクシーとの大きな違いはUberで配車される自動車は個人の自動車であるということ。ユーザーにとってこのサービスを利用するメリットとしては、料金の支払いはアプリ経由のため不当な料金請求の心配が減ること、ドライバーを評価するシステムがあるためマナーが悪い配達者を避けやすくなることなどがあります。
Uberがもつこの仕組みが可能となった背景には、デジタル技術が進み、個人のスマートフォンの普及によって誰でも簡単に利用できるようになったことが挙げられます。
Netflixの事例
もともとNetflixは、DVDを自宅に届けるというビジネスモデルでした。ただこのレンタルのサービスは他社も同様に行っており過当競争が起きていました。レンタルのビジネスモデルはあまり勝算のないものであると気づき、ビジネスモデルを変革しようと試みます。そしてNetflixは、自社のプラットフォームで動画配信サービスを行うビジネスモデルに移行していきました。
現在では、映画をはじめさまざまな動画の配信を行っているとともに、自社オリジナルの映像コンテンツを制作、配信まで行いユーザーからも大きな支持を集めています。
Spotifyの事例
Spotifyは、音楽の聴き放題サービスを展開する会社です。Spotifyのデジタルトランスフォーメーションは、これまでの音楽シーンを大きく変えたと言っても過言ではありません。
音楽を聴くには、CDやオンラインで購入した音源をダウンロードして聴くというのが主でした。これまでにもオンラインで音楽を聴くサービスは存在しましたが、社会にスマホがまだ普及しはじめた時代であったため、なかなか定着が難しいのが実情としてありました。スマホが社会に定着し始めた頃、スマホにアプリをダウンロードすることで、さまざまなコンテンツを楽しむことが可能となり、その流れを受けてSpotifyは登場します。
音楽聴き放題サービスは、他社でも似たようなサービスを提供していますが、Spotifyの強みは楽曲数の多さと他人が作成したプレイリストが利用できること、対応しているスマホ端末が多いことなどがあります。
まとめ
デジタルトランスフォーメーションは、デジタルを活用して生活や働き方を変えていくことが可能になる革新的な動きです。すでに、日本国内・海外でデジタルトランスフォーメーションに成功している企業も多数存在します。
デジタル化が進んでいる社会において、既存の事業を継続するだけでは、時代の流れに乗れず淘汰されてしまうことも懸念されます。いち早く時代の流れを察知し、デジタル化が進む社会の変革に乗り遅れないことが大切になってきます。