2022.03.11

デジタルトランスフォーメーションの成功事例

昨今、業務の効率化や人手不足の解消を目的にデジタルトランスフォーメーションを導入する企業が増えています。 デジタルトランスフォーメーションは顧客管理や会計業務など業務の効率化に使われることが多くなっています。しかし他にも企業の課題を解決するために、さまざまなデジタルトランスフォーメーションの活用法があります。

日本企業のDX成功事例

日本郵便や JTB、 ファミリーマートなど、さまざまな業界においてデジタルトランスフォーメーションが導入されています。それぞれ導入方法や導入目的などが異なりますので企業の課題に応じたデジタルトランスフォーメーションを導入することが重要です。

日本郵便

日本郵便ではドローンと配送ロボットを使うことにより、2021年12月より東京都奥多摩町にて山間部の集落に郵送物を空輸しています。

DX導入方法

ドローンの自律飛行機能により、陸路での配送と倉庫への帰還を自動化することにより、配送員の負担を軽減することができます。日本郵便は山間部や離島など輸送コストや時間がかかる場所に、優先的にドローンを導入する方針を示しています。

また、2021年現在において法的規制により全自動配送が可能な場所が限られていますが、法改正が行われれば物流業界の人手不足も改善されることが期待されます。

DX導入の成果

日本郵便では2017年に福島県南相馬町と浪江町にて日本で初めて無人でのドローンによる郵送物配送を実施しました。さらに2020年には東京都奥多摩町にて郵送物を配送するなど、ドローンを導入することによって山や海など陸路では配送しにくい地域であっても、迅速な配送ができるようになりました。

また配送ロボットの取り込みもおこなうことによって、空と陸の両方にて人の手を使わず荷物を配送することができています。 2020年にドローンを導入した奥多摩地区では、これまで郵便物の配送に半日かけていたのが短時間での配送に成功しました。

参照:日本郵便「日本郵便、日本初のドローンと配送ロボットが連携した荷物配送実験」

JTB

JTBでは海外からのインバウンド客を増やすために、外国人旅行者向けにアプリを導入しました。

DX導入方法

ナビタイムジャパンと日本マイクロソフトと共同開発をすることにより、インバウンド戦略として外国人向けのアプリを開発しました。外国人向けの旅行プランや所要時間など、様々な言語で簡単に調べることができるアプリです。

DX導入の成果

2018年にスタートしたアプリJAPAN Trip Navigatorですが、2019年にはタクシー配車アプリであるJapanTaxiと連携しました。さらに AI を使った翻訳機能も搭載するなど、日本に訪れる外国人観光客にとって、より便利なアプリとなっています。 訪日外国人旅行者の利用した宿泊先などのデータを分析することにより、インバウンドビジネスに対しての支援もおこなっています。

参照:JTB「~訪日外国人旅行者向け観光支援アプリケーション~JapanTaxiとの連携によりタクシー配車、 マイクロソフトのAIによる翻訳機能サービスを開始」

ファミリーマート

ファミリーマートでは無人決済システムを導入することにより、万引きの発生件数を減らし、人件費の削減に成功しています。

DX導入方法

ファミリーマートでは無人決済システムを店舗に導入し、入店から商品を選ぶところまで自動で行います。 2024年度末までに駅の中の店舗を中心に1,000店舗導入を目標とします。
参考: ファミマ の無人決済店舗1000店にみる、コロナ禍で 2極化するコンビニの成長戦略

DX導入の成果

利用客が手に持った商品用センサーカメラが認識することにより、タッチパネルに金額が表示される仕組みとなっています。利用客は現金払いの他にキャッシュレス決済を利用することができます。そのため利用者にとって短時間で買い物を済ませることができ、さらに店舗側にとって人件費の削減につながります。またセンサーカメラが設定されているため、万引きの発生件数を減らすことができました。

特に駅の中にある店舗は、急いでいる顧客が利用する可能性が高いのが特徴です。そのため今後も駅の中もしくは駅の近くの店舗にて需要が高まることが見込まれます。

RIZAP

「結果にコミットする」をスローガンとしているRIZAPですが、 デジタルトランスフォーメーションを導入したのはゴルフ事業部です。一人ひとりの特徴や癖をデータ化し可視化することにより、最適な練習プランを提案できるようになりました。

DX導入方法

ゴルフクラブに小型センサーを付けることにより、顧客一人ひとりのスイングスピードスイングの角度などをデータ収集できるようになりました。データを収集することにより、りそうなスイングをつくり、クラブフィッティングにつなげます。

参考:ライザップゴルフ「02メソッド」

DX導入の成果

顧客それぞれの目標に応じて課題を可視化するためのデジタルトランスフォーメーションを導入しました。 そのため顧客にとってもわかりやすいような最善のレッスンプランをおすすめできるようになったのです。

レッスンプランは顧客一人ひとりのスイングデータや練習においての動画など、 多くのデータから分析することによって導き出しています。 そのため効率的に顧客一人ひとりが課題を解決することができます。

これまではインストラクターが顧客一人ひとりの動画などのデータをチェックしていました。そのためデジタルトランスフォーメーションを導入することにより、大幅に業務時間を短縮することができました。 さらに顧客にとってもはっきりとしたデータを見ることができるので、提案された練習プランを納得して受け入れることができます。

鹿児島銀行

鹿児島銀行は地域貢献を企業理念としている地方銀行であり地域に根ざしています。鹿児島銀行ではデジタルトランスフォーメーションを導入することにより、キャッシュレス決済を推進しています。

DX導入方法

鹿児島銀行の口座を持っているユーザー向けに、キャッシュレス決済サービスであるPayどん、さらにキャッシュレス専用の商業施設であるよかど鹿児島をオープンしました。

参照:Payどん

DX導入の成果

キャッシュレス決済を導入することにより、地域でキャッシュレス導入を利用する人が増えました。鹿児島県ではPayどん決済で食事をすると加入店で利用できるプレミアムポイントを提供するなど、さまざまなポイントプログラムを開催しています。このことにより地域経済の活性化につなげる結果となっています。

デジタルトランスフォーメーション導入を成功させるために

デジタルトランスフォーメーション導入を成功させるためには、企業の状況を把握した上で経営者から従業員までビジョンを共有することが大切です。 それぞれの企業が持つ課題に対して、デジタル化を導入することにより解決できるかどうかを判断する必要があります。

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