- 営業戦略
グロースハックと従来のマーケティングの違い
グロースハックと従来のマーケティングは、マーケティング方法や目的など様々な点において異なります。グロースハックはマーケティング部門だけでなく、開発部門も含めて企業全体で継続してユーザーの行動分析をすることによって、改善を続けていきます。
マーケティングは、売上を上げるために必要な仕組みを作っていくのが目的です。さらに、ブランド認知度をあげたり新たなリード手段の獲得、最適化などさまざまな目標があります。
グロースハックは集客から購入に至るまで改善をこつこつと重ねていくのに対して、従来のマーケティングは広告宣伝、プロモーション、市場調査、分析などさまざまな要素が含まれます。近年Webマーケティングやデジタルマーケティングの需要が高まり、さらにマーケティングの種類が増えています。
このように、グロースハックと従来のマーケティングは大きく違うマーケティング戦略です。
グロースハックの特徴
グロースハックとは従来のマーケティングとは違い、開発時から商品やサービスをユーザーの行動分析を継続することによって改善を続けていきます。改善を続けることで、ユーザーがその商品を購入することによって価値観を感じるようにすることが目的です。
グロースハックには次のような特徴があります。
- 費用をかけない
- サービスの成長を目指している
- ニーズの変化に強い
- PDCAを回すのが速い
- 継続的な細かい作業が必要
費用をかけない
従来のマーケティング戦略とは異なり、グロースハックでは広告費やマーケティング費用はまったくかけません。商品を知ってもらうことから、商品を購入しさらに商品を購入したい人に紹介してもらうなど、マーケティングにおいては新しい方法です。
サービスの成長を目指している
グロースハックは開発から消費者が購入するタイミング、さらには紹介をしてもらうフェーズに至るまで常に改善を続けています。そのため、売るための仕組みを作るのではなくサービス全体の成長が大きな目的です。
ニーズの変化に強い
グロースハックは常にユーザーの行動やニーズを分析していることから、ニーズの変化に対応できるメリットがあります。
継続的な細かい作業が必要
グロースハックは継続的にすべてのフェーズにおいて改善が必要です。そのため、地道に細かい作業を繰り返していくことが必要になります。
PDCAを回すのが速い
グロースハックはPDCA(Plan、Do、Check、Action)を回すのが速いのが特徴です。PDCAを迅速に回すことで継続的に売上拡大をして企業の成長につなげていきます。
PDCAを回すのに時間がかかってしまうと、その間に競合他社が新しい商品を発表したときにユーザーは移動してしまう可能性があります。しかし、迅速にPDCAを回すことによって、ユーザーをつなぎとめることができます。
従来のマーケティングの特徴
従来のマーケティングは、商品やサービスが売れるために工夫を重ねていきます。広告の利用やアクセス分析をすることによって、少しでも多くの人に見てもらうことがメインです。
従来のマーケティングには次のような特徴があります。
- さまざまな種類がある
- 自社の強みや弱みを把握している必要がある
- ブランド認知度を上げる
さまざまな種類がある
従来のマーケティングはこれまで一般的だったテレビや新聞などのマスメディアや交通広告に加えて、近年ではデジタルマーケティングが重要なマーケティング戦略となっています。検索エンジン、ポータルサイトなどの他にSNS、YouTubeを使ったマーケティングがよく利用されています。
自社の強みや弱みを把握している必要がある
従来のマーケティングを進めるためには、自社の強みや弱みを把握している必要があります。グロースハックも市場や顧客に関しては分析をしますが、自社の分析をするところが大きな違いです。
ブランド認知度を上げる
従来のマーケティングは、SNSの運用やオンライン広告、ローカルマーケティング、自社チャンネルの運用などさまざまな方法でブランド認知度を上げることが1つの目的となっています。
グロースハックと従来のマーケティングの違い
グロースハックとマーケティングの違いは次のような項目において明確に表われています。
- 目標設定の違い
- 視野の違い
- データの分析方法
- かける費用
目標設定の違い
グロースハックはユーザーのアクティブ率を増やすことが大きな目的です。ユーザー数を把握しておいて、ユーザーの行動分析を定期的にすることによってWebサイトやLP(ランディングページ)などの改善を繰り返しアクティブ率をあげるようにします。さらに、グロースハックはユーザーが利用価値を感じることが目的で商品が成長していくことも目的としています。
マーケティングはユーザー数を増やすのが目的で、クリック率やクリック単価を増やすことによってコンバージョン率を高めていく流れとなります。マーケティングの主な目的は商品やサービスが売れるような仕組み作りにあります。
視野の違い
グロースハックはユーザーの行動やニーズを常に確認していることから、市場の流れを読むことが目的となっています。そのため、離脱率やそれぞれのWebページの滞在率などを確認することが多くなっています。グロースハックは何度も改善を繰り返す戦略であるため、マーケティングのように大きく方向性を変えることはありません。
マーケティングはさまざまな角度からさまざまな数値を分析する必要があります。数値以外にも市場の動きや競合他社の動向など、広い視野を持つことが重要です。
データの分析方法
マーケティングにおいてはKPI(Key Performance Indicator、重要指数設定)を決めるとき、消費者数や売上、成果などが対象になります。しかし、この方法では消費者が購入をしたきっかけや理由などは反映していません。
そこで、グロースハックではAARRRとよばれるフレームワークを使う場合が多く、次の指標において消費者の行動データを分析していきます。
- Acquisition(ユーザー獲得)
- Activation(ユーザー活性化)
- Retention(利用継続)
- Referral(紹介)
- Revenue(収益化)
それぞれの項目において消費者の行動を正しく把握することによって、マーケティング費用をかけることなくビジネスを成長させていきます。
費用
従来のマーケティングは、広告費用やマーケティング費用が必要です。広告方法によっては高額な費用が必要で、費用対効果を出すのがむずかしい場合があります。しかし、グロースハックは基本的に費用は必要ありません。
まとめ
グロースハックと従来のマーケティングでは目的や仕組みが大幅に違います。従来のマーケティングでは売るための仕組みを作っていくのに対して、グロースハックでは商品を購入することによって利用価値を感じることによって、継続して商品を購入したりサービスを利用したりしてもらうことが目的です。
さらに、従来のマーケティングは売れるための仕組みを作ることに対してグロースハックは商品開発のときから消費者の行動を把握して、常に改善を続けていきます。グロースハックはあくまで能動的なため時間と手間が必要になりますが、マーケティング費をあまりかけず商品や企業のファンを増やすことができます。