2022.05.24

デジタル化とDX化の違いとは

近年デジタル化、DX化が進んでいますが、これらの言葉が同じように使われている傾向にあります。いずれもデジタル技術を活用することには変わりありません。

これまで人がおこなっていたことをデジタル技術を使って業務効率化につなげるのがデジタル化、デジタル技術を使ってビジネス改革をおこなうのがDX化です。

そのため、デジタル化とDX化は目的が大きく異なります。デジタル化することがDX化することと判断していたら、DXの本来の意味をはき違えることになってしまうので注意が必要です。

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デジタル化とは

デジタル化とは、これまで手作業でおこなっていた業務をデジタルでおこなうようにすることです。営業管理、顧客管理、生産管理などさまざまなデジタル化の例があります。

また、他にも従来の商品やサービスにデジタル技術を使うことによって、付加価値をつけることができます。そのため、これまで存在しなかったような、サービスの提供が可能になります。

デジタル化するメリット

デジタル化するメリットには、以下の点が挙げられます。

  • 業務効率化を図る
  • 働き方改革への対応
  • コスト削減につながる

業務効率化を図る

書類作成や顧客管理など、これまで人がおこなっていたことを自動化することにより業務の負担を減らし効率化につながります。自動化することにより、よりコア業務に集中することが可能です。

働き方改革への対応

従業員の負担を減らすことにより、残業時間を減らすことにもつながります。また、作業をデジタル化することにより会社に出社しなくても出先からでも済ませられるなど、従業員の満足度向上のきっかけにもなります。

デジタル化することで効率化できることから人材不足への対応としても利用可能です。

コスト削減につながる

これまで従業員がやっていた業務を自動化することで、人件費を減らすことができます。さらに書類をなくし電子化することで印刷代、郵送代、保管をする場所の確保などを省くことにより、コスト削減につながるのです。

デジタル化するデメリット

デジタル化するデメリットには、以下の点が挙げられます。

  • コストが必要
  • システム障害に対応する必要がある

コストが必要

デジタル化するためには、導入費、維持費、その他保守作業をするための人件費などコストがかかります。コストをかけても、十分にメリットがないといけません。

システム障害に対応する必要がある

システムを導入するとシステム障害に対応する必要があります。社内に対応できる従業員を採用する場合でも、外注する場合でもコストがかかるほか、システム障害になるとシステム化しているすべてのことに影響が出る場合があります。

DX化とは

DX(Digital Transformation、デジタルトランスフォーメーション)とは、デジタル化をすることにより企業やビジネスが変革することをいいます。2010年頃からDXを導入する企業が増えており、2018年には経済産業省がDX推奨ガイドガイドラインを発表しDXを以下のように定義しています。

企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。
出典:デジタルトランスフォーメーションを推進するための ガイドライン(経済産業省)

DX化するメリット

DX化するメリットには以下の点が挙げられます。

  • 生産性の向上
  • 市場競争力の向上
  • BCP対策強化

生産性の向上

DXの大きな導入目的は、生産性を向上させることです。それぞれ導入企業によってことなりますが、DXを導入することにより業務時間や作業時間の短縮、それに伴い人件費の削減を進められることから生産性の向上につながります。

市場競争力の向上

企業が持つ顧客情報やマーケティング情報、市場のある情報などのビッグデータから必要なデータをいち早く分析することにより、経営判断をスピーディーに進めることができます。また、人間が分析をするには難しい量のデータでも、DXであれば対応可能です。

このようにDXを導入することにより、他社と差別化をすることができ市場競争力の向上につながります。

BCP対策強化

BCP(Business Continuity Planning、事業継続計画)とは、地震や水害などの自然災害をはじめとした非常事態に対する準備のことをいいます。今後も企業に求められることなのですが、BCP対策をするためには、高額なコストがかかるため導入しきれていない企業は少なくありません。

しかし、セキュリティが充実しているクラウドサービスを導入することで、コストを抑えて非常事態の対策をとりやすくなります。BCPを導入することにより、大災害など不測の事態となっても事業の継続が可能です。

DX化する際の懸念点

DX化する際の懸念点には次の点が挙げられます。

  • コストパフォーマンスが上がらない可能性がある
  • 従業員全員がDX導入の意味を理解する必要がある

コストパフォーマンスが上がらない可能性がある

DXは導入費用、維持費用が高額になることがあり、結果的にコストパフォーマンスが上がらない可能性があります。DXを導入する前に、コストパフォーマンスが上がるかどうかのシミュレーションが重要です。

従業員全員がDX導入の意味を理解する必要がある

DXはシステムを統一することが多く、従業員がDX導入の目的や使い方などを理解していないと効果は表われません。そのため事前に十分に従業員に説明をすることが求められます。

デジタル化とDX化の違いとは

デジタル化もDX化もデジタル技術を活用することは同じです。しかし、以下のような違いがあります。

  • DXは変革をすることが目的
  • スタートとゴール

DXは変革をすることが目的

DXはデジタル化をして、ビジネスや企業が変革することを目的としています。つまり、DXもビジネス化をしますが、あくまで変革をするための手段に過ぎないのです。そのため新しいビジネスを立ち上げたり、収益を増やすなどの結果がでないとDX化を達成したことにはなりません。

DXを達成するためには、デジタル化することはもちろんですが、デジタル化したシステムを生かした変革が必要になります。

デジタル化はこれまで従業員がおこなっていた業務をデジタル技術を利用することで、業務効率化を進めることが大きな目的です。例えば、これまで紙ベースでおこなっていたことを、パソコン上で作業できるようにすれば、デジタル化したことになります。

スタートとゴール

デジタル化はDX化を進めるためのスタートであり、ゴールは企業の改革のことをいいます。そのためデジタル化とDX化を混合してしまうと、デジタル化をしただけでDX化をしたと勘違いしてしまう可能性があります。

まとめ

デジタル化とDX化はいずれもデジタル技術を導入することから、混合されることがよくあります。デジタル化とはこれまでのシステムにデジタル技術を活用して、例えば契約書を書類ベースではなく、WEB上で管理するなどさまざまな方法があり業務効率化が目的です。

しかし、DX化はデジタル化をすることによりビジネスの改革をおこなうことがゴールです。つまり、DX化をするうえで、デジタル化はあくまで手法の一つであり、ゴールは収益増加や新しいビジネスの開拓など結果を出さなければDX化に成功したとはいえません。

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