2023.05.31

クロスファンクショナルチームとは

クロスファンクショナルチームとは、異なる部署や専門分野のメンバーが1つのチームを組んで業務をおこなうことです。従来縦割り組織で放置されている体制の刷新をしたり、部署を越えてメンバーを集めることで会社全体の課題に取り組んだりなどとさまざまな目的があります。企業の業務の多様化に伴い、クロスファンクショナルチームの導入が注目されています。

クロスファンクショナルチームとは

クロスファンクショナルチーム(Cross Functional Team、CFT)とは、事業部や担当している業務内容などに関わらず必要な知識やノウハウをもった従業員で構成したチームのことです。社内以外にも社外から人材を招集することも少なくありません。

プロジェクトを達成するために短期的に立ち上げるチームのほかに、常時構成する場合もあります。事業部を横断してプロジェクトに対応できるため、全社的な課題を解決したり組織体制の推進につながったりするのです。

クロスファンクショナルチームの由来

クロスファンクショナルチームは日本が発祥であり、日本が源流になっているといわれます。1980年代に日本が急成長を遂げた時点で、高い競争力の原動力になったことからアメリカをはじめとして理論化されました。

従来アメリカではチームごとに専門家が業務をおこなうのですが、日本ではチームに限らず会社全体的に課題解決をすることが一般的でした。アメリカでは日本の会社全体的に課題解決をするやりかたをまねて、導入するようになったのです。

クロスファンクショナルチームの概要

クロスファンクショナルチームは、異なる部署や分野のメンバーが集まり、共通の目的に向かって活動するチームです。例えば、商品企画のチームにはマーケティング担当者、デザイナー、エンジニアなど、異なる分野の人材が参加します。これにより、異なる専門性を持つ人材が集まることで、より多角的な視点から課題に取り組むことができるのです。

マトリックス組織との違い

クロスファンクショナルチームと似たような組織形態にマトリックス組織があります。マトリックス組織は、専門分野ごとにグループを分けた部署とプロジェクトごとに異なるメンバーが集まるチームを組み合わせた組織形態です。クロスファンクショナルチームとの違いは、チーム編成において部署ごとに決まったメンバーが集まるのがマトリックス組織である点です。

クロスファンクショナルチームを活用するメリット

クロスファンクショナルチームを活用するメリットとして次の点が挙げられます。

  1. 課題解決につながる
  2. アイデアが生まれやすい
  3. 組織に活性化につながる
  4. 強固な協力体制を構築できる

課題解決につながる

異なる分野のメンバーが集まることにより、より多角的な視点から課題に取り組むことができます。また、それぞれの専門性を生かして、より効果的な解決策を見つけ出すことがで可能です。例えば、商品企画のチームにはマーケティング担当者、デザイナー、エンジニアなど、異なる分野の人材が参加し、よりユーザー目線での商品企画をおこなうことが可能です。

アイデアが生まれやすい

クロスファンクショナルチームは、異なるバックグラウンドを持った人材が集まるため、多様なアイデアが生まれやすくなります。また、異なる分野の知識や技術が交わることで、新たなアイデアが生まれることもあるのです。このようなチームでのアイデア創出は、企業の競争力向上につなげやすくなります。

組織に活性化につながる

クロスファンクショナルチームは、部署や分野を超えたコミュニケーションが生まれるため、組織全体が活性化することが期待できます。また、異なる部署のメンバーが協力して仕事を進めることで組織内の壁を取り払い、組織全体での目標達成につながるのです。さらに、チームメンバーが相互に学び合い、スキルアップすることで組織全体のレベルアップにつながることもあります。

強固な協力体制を構築できる

クロスファンクショナルチームを活用することで、強固な協力体制を構築することが可能です。クロスファンクショナルチームは、異なる部門や分野の専門家が集まっているためそれぞれの専門知識を活かしながらプロジェクトに取り組むことができます。このような多様なバックグラウンドを持つメンバーが集まることで、チーム内でのアイデアの交換や知識の共有が促進され、その結果より高度な成果につながりやすくなるのです。

クロスファンクショナルチームを機能させるポイント

クロスファンクショナルチームを機能させるためには、次のようなポイントが挙げられます。

  1. コミュニケーションをとる
  2. 目的を明確にする

コミュニケーションをとる

クロスファンクショナルチームのメンバーは、それぞれが異なる分野や職種から集まっている点が特徴です。そのため、それぞれのメンバーが持つ知識や専門分野が異なり意見の食い違いが生じることがあります。そのような場合には、コミュニケーションをとることが非常に重要です。

各メンバーが自分の考えを明確に伝え、お互いに意見を交換することでより良い意思決定が可能です。また、コミュニケーションを通じてメンバー同士の信頼関係が築かれることでチームワークが向上します。

目的を明確にする

クロスファンクショナルチームを機能させるためには、目的の明確化が非常に重要です。異なる部門や分野の専門家が集まっているため、目的が曖昧だとそれぞれが異なる方向性でプロジェクトに取り組むことがあります。また、目的が明確でないと、プロジェクトの進捗状況や成果の評価が困難になることが少なくありません。

クロスファンクショナルチーム構成においての注意点

クロスファンクショナルチーム構成において次のような注意点が挙げられます。

  1. リーダーが介入する割合
  2. モチベーション維持

リーダーが介入する割合

クロスファンクショナルチームを構成する際には、リーダーが介入する割合について注意が必要です。クロスファンクショナルチームは、異なる部署や専門分野のメンバーが1つのチームを組むため、コミュニケーションの問題や意見の対立が生じることがあります。そのため、リーダーが介入して問題を解決することが必要です。

しかし、リーダーが介入しすぎるとメンバーの自主性が失われモチベーションの低下につながる可能性があります。リーダーは、チームメンバーが自分たちで問題を解決できるように支援し必要な場合に介入することが重要です。

モチベーション維持

クロスファンクショナルチームを構成する際には、メンバーのモチベーションを維持することが大切です。クロスファンクショナルチームは、異なる部署や専門分野のメンバーが1つのチームを組むため個人の専門性を生かすことができる反面自分の役割や責任範囲が明確でなくなることもあります。そのため、メンバーが自分の役割や責任範囲を理解し目標に向かって協力することが重要です。

また、メンバーの意見やアイデアを受け入れ評価することも重要です。メンバーが自分のアイデアが採用されることによって、やりがいやモチベーションが向上することがあります。

まとめ

クロスファンクショナルチームとは、異なる部門や業務分野からメンバーを集めたチームのことを指します。つまり、同じ業務分野内での専門性や知識だけでなく、異なる分野の専門家が一つのチームとして協力しプロジェクトを推進する形態です。事業部や役所に関わらずメンバーを集めることで、会社全体の課題を解決したり業務の刷新につながったりします。ほかにも、異なる部門の担当者と業務をすることで新しいアイディアが生まれたり、組織の活性化につながるなどさまざまなメリットがあります。

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