2023.10.06

クラウドコンピューティングとは

クラウドコンピューティングとは、インターネット環境を使ってサーバーやデータベースなどを運用することです。ソフトウェアやサーバーなどを自社で準備する必要がないことから、初期費用の負担が少なくなります。

クラウドコンピューティングは、現在において生産性向上や業務効率化に必要なサービスです。総務省で発表している令和3年版 情報通信白書にて、約70%の企業がクラウドサービスを利用していることがわかっています。

クラウドコンピューティングとは

クラウドコンピューティングとは、インターネット環境においてサーバーやデータベース、ストレージといったコンピューティングサービスを活用することです。コンピューティングを導入することによって、さまざまなメリットがあります。

クラウドコンピューティングには次のような特徴が挙げられます。

  1. コスト効率
  2. スケーラビリティ
  3. 柔軟性
  4. セキュリティ

コスト効率

従来の方法では、新しいアプリケーションやウェブサイトを展開するために、大規模なデータセンターを構築し、高価なサーバーとストレージ装置を購入し、それらを保守する必要がありました。膨大な資金と専門的なスキルが必要で、多くの場合、中小企業や新興企業にとっては導入するまでのハードルが高いことが特徴でした。

しかし、クラウドコンピューティングには、物理的なサーバーを購入したり保守業務をおこなったりする必要がありません。ユーザーは、必要なリソースを必要なだけ使用し、使用した分だけ料金を支払う仕組みを利用できます。

スケーラビリティ

クラウドプロバイダは、需要に合わせてリソースを拡張できるため、急激なトラフィックの増加にも柔軟に対応できます。従来のインフラでは、急激なトラフィックの増加に対処するために、物理的なサーバーの追加やハードウェアのアップグレードが必要でした。これには時間と費用がかかり、リソースの浪費も発生しました。

クラウドプロバイダは、オンデマンドでリソースを提供し、必要に応じて拡張できます。季節的な需要変動や予測不可能なイベントにも適しており、リソースのスケーリングにおいて革命をもたらし、ビジネスの成長に大いに貢献しています。

柔軟性

クラウドコンピューティングにより、場所を選ばすアクセスできるようになります。また、さまざまなプラットフォームやデバイスに対応していることも特徴です。クラウドプロバイダはデータセンターを複数持っており、冗長性を確保しています。そのため、サービスの中断を最小限に抑え、高い可用性を提供できます。

データセンターの冗長配置により、ハードウェアの障害や自然災害などが発生しても、データとアプリケーションへのアクセスを失うリスクを最小限に抑えることが可能です。このため、クラウドサービスを利用する企業は、サービスの中断やデータの損失に対する懸念を軽減でき、高い可用性を提供できることから顧客の信頼を得ることができます。

セキュリティ

クラウドプロバイダはセキュリティに重要な投資をおこなっており、データの保護やセキュリティの監視を専門的におこなうため、セキュリティリスクの軽減が可能です。クラウドプロバイダはデータセンターへの物理的なアクセスを厳格に制御し、防犯対策や監視カメラを活用してセキュリティを維持します。さらに。クラウドプロバイダは通信経路やデータの保存時に強力な暗号化技術を使用しています。

クラウドプロバイダがさまざまなセキュリティ対策を導入し、継続的に最新のセキュリティトレンドに対応するためのリソースの確保が可能です。そのため、セキュリティリスクを軽減し、データおよびシステムの安全性を確保できます。

クラウドコンピューティングにおける注意点

クラウドコンピューティング導入において次の点に注意が必要です。

  1. カスタマイズしにくい
  2. 社内システムと互換性のない場合がある
  3. サービスが終了する場合がある

カスタマイズしにくい

クラウドコンピューティングは完成されたサービスであることから、会社ごとのカスタマイズはできない可能性があります。そのため、細かい部分までは企業に合わせてシステムを作ることは容易ではありません。

クラウドコンピューティングプロバイダは、さまざまなサービスを提供していますが、それらのサービスは提供者によって設計され、運用されています。これにより、ユーザーは提供された機能や設定に基づいてシステムを構築する必要があり、提供者が提供する範囲内でカスタマイズがおこなえます。

社内システムと互換性のない場合がある

カスタマイズできないのと同様に、クラウドコンピューティングは社内システムと互換性のない場合があります。社内システムとクラウドサービスが異なるデータ形式を使用している場合、データの共有や連携がむずかしくなります。データの変換やプロトコルの調整が必要となり、これには追加の開発作業が伴います。

サービスが終了する場合がある

クラウドコンピューティングの場合は、利用しているサービスが終了してしまうリスクがあります。場合によってはサービスを提供している企業が倒産した場合、サービスが使えなくなります。

クラウドサービスプロバイダの信頼性や市場での評判を調査し、信頼性の高い提供者を選択することが重要です。業界で信頼されているプロバイダは、サービスの継続的な提供を確保するために積極的に努力しています。これらの戦略を採用することで、クラウドコンピューティングを活用しながらも、リスクを最小限に抑えることが可能です。

クラウドコンピューティングの導入例

クラウドコンピューティングは次のような企業で導入されています。

  1. AWS
  2. Google Cloud
  3. Microsoft Azure

AWS

Amazonが運用しているAWS(Amazon Web Services)は、運用の歴史が長く豊富な機能が特徴であるクラウドサービスです。AWSは世界中に分散されたデータセンターを持つため、ユーザーは地理的な制約を気にせずにサービスを利用できます。これにより、低遅延で高可用性のアプリケーションを構築できます。

AWSは需要に応じてリソースを拡張できるため、急激なトラフィックの増加にも柔軟に対応可能です。これは、ビジネスの成長に合わせてインフラストラクチャを調整できる利点を提供します。

Google Cloud

Googleが運用しているGoogle Cloudは、GoogleマップやYouTubeなどGoogleのさまざまなサービスを稼働させる基盤となっています。Googleは巨大なデータセンターネットワークを持ち、世界中に分散したデータセンターを活用しています。

これにより、高可用性と耐障害性の高いインフラストラクチャを提供できます。Google Cloudは、Googleの大規模な検索エンジンやYouTube、Gmailなどのサービスを支える技術基盤の一部を共有しています。

Microsoft Azure

Microsoftが運用しているMicrosoft Azureは、Microsoftが運用しているサービスとの親和性が良いといったメリットがあります。既存のオンプレミス環境が影響するActive Directoryとも簡単に連携ができる点も大きな特徴です。

Microsoft Azureは、Microsoftが提供するクラウドコンピューティングプラットフォームであり、多くの組織にとって魅力的な選択肢となっています。ここでは、Microsoft Azureの特徴と、なぜ多くの企業がこれを利用するのかについて詳しく説明します。

まとめ

クラウドコンピューティングとはネットワーク経由で、コンピュータ機能を活用する仕組みです。ソフトウェアやサーバーをはじめとして自社で準備をしたり、管理したりする必要がなく、自社の都合にあったタイミングと範囲で活用できます。

プロジェクトやキャンペーンの際に一時的に多くの計算資源が必要な場合、クラウドを利用して迅速に対応することが可能です。また、リモートワークの普及においてもクラウドは重要な役割を果たしています。従業員はインターネット経由でクラウドリソースにアクセスし、仕事を遂行できるため、場所に縛られない柔軟な労働環境を提供します。

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