- 事業開発
事業開発のプロセス
新規事業開発をおこなう理由
事業開発への取り組みを効果的におこなうため、新規事業を立ち上げる意味を理解しておく必要があります。新規事業の開発には次のようなメリットがあります。
- 収益源が増える
- リスクヘッジになる
- 従業員が優秀な人材へと成長する
新規事業を立ち上げて収益を確保できるようになると、企業全体の売上が向上します。さらに、収入源が増えるため、ほかの事業で利益が衰退した場合のリスクヘッジにもなるはずです。収益源を分散させておくことで企業の利益を安定化させるだけでなく、新規事業の開発に取り組んだ従業員のレベルアップも期待でき、企業として大きく成長することができます。
新規事業立ち上げには資源とプロセスが重要
会社を運営するうえで必要なのは人材や商品、資金といったものです。新規事業を立ち上げる際にも同じ要素が必要であり、戦略の立案や業務をおこなう従業員、事業で使う資金などの資源は重要です。
また、事業化するまでのプロセスも重要になります。アイデアから考えたサービスが事業として成り立つまでのプロセスを細分化し、進める段階を設定することで新規事業の開拓を成功させます。しかし、事業を成功させることは簡単ではないため、それぞれのプロセスごとにゴールや撤退基準を設定して、失敗のリスクも考慮する必要があります。
新規事業の立ち上げ方
新規事業はプロセスが重要ですが、どのような立ち上げ方をするのか疑問に思う方は少なくありません。新しく事業を立ち上げるためにも、その方法を把握しておく必要があります。
新規事業の立ち上げ方は次のとおりです。
- ゼロから立ち上げる
- M&Aから参入する
ゼロから立ち上げる
1つ目の手段はゼロから新規事業を立ち上げることです。企業の規模を拡大するためにビジネスモデルの構築や市場の分析などをおこない、新しい事業を展開します。事業を黒字にするまでに資金や時間はかかりますが、独自のやり方で業務をすすめることが可能であり、会社や従業員の成長にも期待できます。
M&Aから参入する
2つ目の手段はM&A(Mergers and Acquisitions)で新規事業に参加することです。自社にとってプラスになる事業を買い取ることにより、利益の向上や会社の成長を促進できるはずです。買収する会社によっては、自社にはないノウハウや人材を獲得することもできるため、M&Aからの参入は多くのメリットや可能性があります。
事業開発のプロセス
事業開発は以下のプロセスでおこないます。
- コンセプトを決定する
- ビジネスモデルを構築する
- 事業計画を作成する
コンセプトを決定する
コンセプトの決定は事業を展開するうえで重要な要素であり、ビジネスモデルを構築するための軸となります。うまくいくビジネスモデルを設計するためにはニーズの高いものを把握する必要があり、まずは顧客が何を求めているのかリサーチします。
しかし、ニーズがあるからといってビジネスがうまくいくとは限らないため、事業領域の確認も必要です。ニーズのある領域で何を提供するべきか、事業が伸びる事実性があるのかなど、事業を展開する領域について調べ上げ、ビジネスの将来像を考えます。
領域の確認が終わったら事業の理念や目的を設定し、全体のコンセプトを決定することでビジネスモデル構築の段階に移ります。
ビジネスモデルを構築する
ビジネスモデルの構築構築に向けておこなう業務は、市場の分析や事実情報の確認です。商品を販売するには、事実情報をもとに市場や顧客属性の分析をおこない、最適なアプローチ方法を考える必要があります。
分析では今後市場がどれくらい伸びそうかの確認や競合他社との立ち位置の把握をおこない、どんな価値を提供すれば顧客が商品を手に取るのか具体的に考えます。しかし、事実情報を取り扱っていないと空想上の考えから計画を立てることになるので、事業の成功確率は極めて低くなるはずです。
事業像が明確になってきたら具体的なビジネスモデルの構築をします。どのように収益化するのかについて考え、商品の生産から販売して利益を上げるまでの流れを決定します。
事業計画を作成する
ビジネスモデルの構築が完了したら、最後は具体的に事業計画を作成します。考えたビジネスモデルをどのように展開していくのか、どうやって実現化させていくのかについて、今後の行動を決定するものです。
計画のスケジュールや施策の立案、資金など考えるべき要素は数多くあり、時間と人手が必要です。計画に不備が出ないよう細かく内容を決めて事業計画を立てます。
事業開発のプロセスにおけるポイント
事業開発ではプロセスが鍵であるため、開発過程におけるポイントをおさえることで新規事業立ち上げの失敗を防ぐことにつながります。
新規事業のプロセスにおけるポイントは以下の3点です。
- 撤退ラインを決めておく
- 人材の集めすぎには注意する
- 参入のタイミングを間違えない
撤退ラインを決めておく
事業開発を進めていくなかで撤退ラインは決めておくべきです。事業がうまく進行せず、大きな利益に結び付かないと、資金や労力に負担がかかります。時間がかかってしまったうえ、成果に結び付かなかった場合の金銭面のリスクは大きいです。
撤退基準を設定し、期間内に目標ラインを超えることがないようであれば、新規事業から撤退することも1つの戦略になります。
人材の集めすぎには注意する
新規事業の立ち上げの際は人手を集める場合もあります。事業を成功させるためには優秀な人材の確保が必須であるためです。しかし、人材の集めすぎには注意する必要があります。チームの人員が多くなりすぎて、コミュニケーションに支障を来たしてしまうことが考えられ、進めるべき作業が進まないといった事態になりかねません。
参入のタイミングを間違えない
事業の成功にはタイミングも重要になります。機会に恵まれれば順調に事業を進めることが可能ですが、タイミングを間違えると失敗するリスクは高くなり、撤退を余儀なくされます。
完璧な状態を求めてビジネスモデルの構築や戦略設計に時間をかけすぎてしまい、絶好のタイミングを逃すことのないよう気を付けるべきです。市場のニーズによっては、仮説を検証する段階でも事業を進め、取り組むなかで実行と改善を繰り返すことが必要です。
まとめ
事業開発においてプロセスは重要です。コンセプトの決定から始め、ビジネスモデルの構築、事業計画の作成といったプロセスで事業開発を進めていきます。
新規事業を成功させるのは簡単ではありませんが、段階ごとに細かいゴールや撤退の基準を設定しておくことで、失敗のリスクをおさえることが可能です。また、参入するタイミングを間違えないことも事業開発のプロセスにおけるポイントであり、新規事業を立ち上げる多くの企業が注意するべき点です。