2023.02.13

ビッグデータとAIの関係性

ビッグデータとは人の手ですべてを把握するのがむずかしい巨大なデータ群です。Volume(量)、Variety(多様性)、Velocity(速度)といった3Vを備えていることが特徴です。さらに、ビッグデータにAIを導入することで、データ予測や業務効率化などさまざまな活用方法があります。

インターネットやスマートフォンの普及、IT技術の進歩によりWeb上にはさまざまなデータが氾濫しています。AIを活用することにより企業にとって有益なデータだけを集めて分析し、業務効率化や生産性の向上、社会や経済面の課題解決などさまざまなことに活用できます。

AIとビッグデータの関連性

IT技術革新により、Web上では多くのデータが氾濫している状態ですが、膨大なデータがありながら従来の技術では蓄積や分析まではできない状態でした。しかし、ディープラーニングや機械学習といったAI技術が年々進歩したことから、ビッグデータを蓄積して分析しやすくなりました。

AIを活用して膨大なデータをスムーズに整理でき、必要なデータだけを選んで分析することが可能です。AIにはさまざまな種類がありますが、ディープラーニングや機械学習などにおいては急激に技術が進歩している状況です。

豊富なデータをAIが分析できることから、自動車の自動運転や工場の保守作業など業務効率化のほかに社会や経済における課題解決にもつながっています。例えば、自動運転であれば過疎化した地域において住民の足になったり、工場の設備が故障しそうであれば知らせてくれたりする機械を設置することで老朽化による事故を防げます。

このほかにも、ビッグデータやAIを活用することによりさまざまな目的に対応できるのです。

AIとビッグデータを活用するメリット

AIとビッグデータを活用することで次のメリットが挙げられます。

  1. 現状の把握
  2. 効果的な意思決定
  3. 業務効率化

現状の把握

AIを使ってビッグデータの分析を進めることで現状の状況をより明確に可視化できるため、正確に把握しやすくなります。設備故障の予兆を見つけたり、ECサイトや販売サイトなどにおける顧客一人ひとりのニーズを把握したりするなど、企業においてさまざまな分野での現状把握をスムーズにできるのです。

現状把握をすることで、課題がわかりやすくなりどのように対処すればいいのかを検討しやすくなります。

効果的な意思決定

KPIを基準としてAIを使ってデータを収集して、実行できる情報に変換することで効果的なデータドリブンな意思決定ができます。分析したデータを活用して自社の目的や目標を設定することは少なくありません。

業務効率化

ビッグデータをAIが分析することにより、企業に有益な情報だけを選んで将来の状況予測をしやすくなります。さらに、現状の状況把握ができるためマーケティング戦略を立てやすくなり、業務効率化につながるのです。

AIとビッグデータを活用する際の注意点

AIとビッグデータを活用する際に次の注意点が挙げられます。

  1. セキュリティ対策
  2. 大規模なビッグデータを蓄積できる環境が必要

セキュリティ対策

ビッグデータを取り扱うためには、膨大なデータを蓄積できるプラットフォームやシステムが必要です。さらに、多くの個人情報を扱うことになるためセキュリティ対策が求められます。顧客一人ひとりの属性から行動履歴がWeb上に保管されているため、サイバー攻撃をはじめとした外部からの攻撃に対して対策が必要です。

大規模なビッグデータを蓄積できる環境が必要

IT技術の革新によって、Web上で蓄積できるデータが増えています。今後もさらに増え続けることが予想されるため、大規模なビッグデータを蓄積できる土台が求められるのです。さらに、データは蓄積するだけでなく適切な分析が必要です。そのため、処理速度を向上させるなどサーバやシステムの性能を上げることが求められます。

AIとビッグデータを活用するためのポイント

AIとビッグデータを活用するために次のポイントが挙げられます。

  1. データサイエンティストの育成
  2. 対応できるシステムや人材

データサイエンティストの育成

ビッグデータを扱うためには、データサイエンティストの役割が重要です。データサイエンティストはデータ分析以外にもAIをはじめとしたプログラミングや統計学などにも強く、AIとビッグデータを効率的に活用するためには必要不可欠な人材です。そのため、今後データサイエンティストを育てることが重要です。

対応できるシステムや人材

大規模なビッグデータを扱うためには対応できるシステムが必要です。さらに、AIを活用するためにはAIに対応できるシステムや環境が求められます。

ビッグデータを活かすためには、企業内データや外部データなど十分なデータのほかに、ビッグデータ分析やAIの機械学習、プログラミングなどといった専門の知識をもった人材がデータサイエンティスト以外にも必要不可欠です。

AIとビッグデータの活用目的

AIとビッグデータはさまざまな目的で活用されていますが、主な目的として次の3例が挙げられます。

  1. 自動運転
  2. 保全業務
  3. 採用活動

自動運転

自動運転はAI技術とさまざまな走行シーンにおけるデータを蓄積したビッグデータを活用しています。 天候や運転する時間、さらには様々な状況において実際に走行した映像を蓄積して、ディーブラーニングを活用することによってそれぞれの状況に適した走り方を学習することは可能です。

より多くのデータを蓄積したビッグデータを活用することによって、 自動で安全な走行ができるようになります。年々自動運転の技術が向上しており、自動運転が導入されるケースが増えています。

自動運転を導入することによって渋滞の緩和や交通事故の低減、さらに少子高齢化への対応など社会的な課題の解消につながります。自動運転によって安全や車間距離や速度管理をすることで、渋滞解消に取り組みます。さらに、自動ブレーキや速度管理などをおこない交通事故の低減を目指します。

公共交通機関の運転手が不足している地域で自動運転を普及させることで地域住民の足となったり、運送業において運転手不足などにも対応したりするのです。

保全業務

日本では工場の老朽化が社会問題となっており、老朽化による事故が発生するケースは少なくありません。さらに、保守対応できる担当者が不足していることから保守作業がなかなか進まないこともあるのです。

そこで、ビッグデータとAIを活用することによって、工場の老朽化対策が可能です。例えば、センサーを設定しておいて設備が故障する予兆を見つけることで早めに対策をとれるようになります。老朽化が進む前に対策をすることで、保守作業の手間を減らし業務効率化にもつながるのです。

採用活動

採用業務は採用計画から始まり採用戦略、採用サイトや転職サイト、企業説明会など母集団形成、選考とさまざまなプロセスがあります。そのため、採用業務において大きな負担となっている企業は少なくありません。

採用基準にも課題があり、学歴が低くても優秀な人材がいる可能性は十分にあります。しかし、応募者が多い場合は書類選考に時間がかかりすぎることから、学歴を判断基準にしているなど本来進めたい方法ができないことがあります。

そこで、これまで採用した人で活躍している従業員のが学歴や経験、スキルなどのデータを蓄積することでビッグデータとして分析することで、企業で活躍できる人材像を明確にできます。このことから、具体的な採用基準を設定できミスマッチを減らせるのです。

まとめ

ビッグデータとは、データの量や多様性、処理速度などを兼ね備えた巨大なデータ群です。ビッグデータはWebサイトデータやカスタマーデータ、オペレーションデータなどさまざまなデータを蓄積から分析することでさまざまな活用方法があります。さらに、AIを導入することで、自動車の自動運転や採用活動、保全業務などさまざまな分野で利用されています。

スマートフォンやインターネットの普及、さらにIT技術革新が進む現在において、Web上に多くのデータが氾濫しているのです。膨大なデータをAIの活用により有益なデータを集めた分析が可能であることから、生産性の向上や業務効率化、さらに自動運転をはじめとした社会面での課題解決にもつながります。

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