2024.04.05

BANTCとは

BANTCとは、営業をするうえで見込み顧客に対してヒアリングをするべき内容のことです。ヒアリング段階でBANTCを聞けているかどうかで、営業プロセスに大きく影響します。

BANTCは、Budget(予算)、Authority(決裁権)、Needs(必要性)、Timeframe(導入時期)、Competitor(競合)の項目から成り立っています。これらの要素は、今後見込みのある商談であるかどうかを見極める基準となります。

BANTCの項目

BANTCには、次のような項目がから成り立っています。

  1. Budget
  2. Authority
  3. Needs
  4. Timeframe
  5. Competitor

Budget

Budget(予算)は、商談を進めるうえで重要なポイントです。たとえ、商談相手に決裁権や必要性があったとしても予算がなければ契約に進むことはありません。そのため、営業活動をするうえで、相手の予算があるかどうか、ないとしてもどのような予算計画があるかを理解することが重要です。

商談相手がどれだけの予算をプロジェクトやサービスに割り当てることができるかを知ることで、適切な提案や調整が可能になります。相手が持つ予算を理解することで、商談の初期段階から双方が期待値を共有しやすくし、後々のトラブルを未然に防ぐことが可能です。

Authority

Authorityとは決裁権のことであり、経営者や社長など決裁権を持っている人と商談する場合は成約の可能性が高まります。決裁権を持つ相手はビジネスの方針や予算の調整などをおこなうことができ、スムーズに取引が進むことが期待されます。しかし、決裁権のない現場の人との交渉も重要です。現場の声やニーズを把握することで、より具体的な提案をすることができます。

商談前に相手がどれだけの決裁権を持っているかを把握することは戦略的に営業を進めるうえで重要です。これにより、相手に合わせた適切な提案をおこない、効果的な交渉が可能になります。また、商談相手の立場や役職によっては、提案内容や説明の焦点を変えることが求められる場合もあります。営業活動では相手のAuthorityを正確に理解し、柔軟かつ戦略的なアプローチを取ることが不可欠です。

Needs

Needsとは必要性のことで、営業活動のなかでもっとも重要な要素です。いくら予算があっても必要性がなければ導入につながることはありません。そもそも、必要性がなければ営業を続ける意味がなく、まず相手に必要性があるのかどうかを把握することが重要です。

相手のニーズを理解することで、サービスや商品の特長を適切に伝え期待に応える解決策を提供できます。例えば、相手企業が現在抱えている課題や改善したい領域を明確に把握することで、自社のサービスや製品がどのようにそのニーズに応えるかを的確に伝えることが可能です。

Timeframe

Timeframeとは導入時期のことであり、導入時期が早ければ優先して商談を進めることが必要です。特定のサービスや製品をどれくらい早く必要としているかを把握することで、営業をより戦略的に立てられます。早期導入を検討している場合、クライアントが抱える課題やニーズを素早く解決できる提案やソリューションを用意し、導入までのスムーズなプロセスを提供することが大切です。

逆に、導入時期が遠い場合は、クライアントのスケジュールや計画に合わせたフレキシブルな商談アプローチが求められます。Timeframeの理解は、商談の進捗やタイミングを的確に把握し、効果的なフォローアップや提案のタイミングを見極めるのに役立ちます。

Competitor

Competitorとは競合のことであり、近年ヒアリング項目に含める企業が増えています。事前に競合を知ることで、営業活動の準備がしやすくなります。競合他社の強みや弱みを理解することで、自社の提案や製品の差別化ポイントをより鮮明に描くことができます。

これにより、なぜ自社の商品やサービスを選ぶべきか明確に伝え、競争に勝ち抜くための戦略を立てられます。また、競合他社の対応や市場での評判も把握することで、自社のアプローチやサービス戦略を最適化することも可能です。

BANTCの活用メリット

BANTCの導入は、見込み顧客に対して効率的な営業プロセスを可能にします。各要素を詳細に把握することでニーズに的確に対応し最適なソリューションを提供することが可能です。

チームで情報を共有しやすい

BANTCを導入することで、チームで情報を共有しやすくなります。このフレームワークを使用することで、予算の可用性、決裁権の所在、ニーズ、課題、購買のタイミング、競合他社の存在などを明確に把握できます。そして、これらの情報をチーム全体で共有することで、各メンバーが一貫した情報をもとに見込み顧客との関係を構築し、戦略を展開できるようになります。

効率的な営業ができる

BANTCを意識することで、効率的な営業につなげられます。BANTCは顧客の質を判断するためのフレームワークで、それぞれの要素を把握することで効果的な営業戦略を展開できます。予算の明確化は、適切な提案や価格交渉のために重要です。また、権限やニーズの把握により、顧客に適したソリューションを提供でき信頼関係を築きやすくなります。タイミングと競合他社の状況も正確に把握することで、戦略的なアプローチが可能です。

適切なクロージングができる

予算や必要性、導入時期などを明確にしていることから適切なクロージングをしやすくなります。BANTCを用いてこれらの情報を整理することで、顧客の状況や要望を正確に把握でき、クロージングに向けたスムーズな段階移行が可能です。BANTCを活用することで、予算に関しては経済的状況を理解し、そのなかで最適な提案を提示できます。権限やニーズの明確化は、信頼関係を深めるような提案を実現可能です。また、導入時期や競合他社の状況を正確に把握することで適切なクロージングにつながります。

BANTCを活用するポイント

BANTCを効率的に活用するためには予算感をつかみ、信頼関係を構築することが重要です。予算感を掴むことで、提案や価格設定において柔軟かつ適切なアプローチが可能となります。また、信頼関係の構築は、顧客のニーズや課題に対応し真摯な姿勢でサポートすることによって生まれます。

予算感をつかむ

BANTCを効率よく活用するためには予算感をつかむことが重要です。予算感を把握することで、ニーズにあった提案をしやすくなったり、提案するサービスや商品が見込み顧客の予算に適しているかを判断できたりします。予算の可用性に関する情報は、スムーズな営業活動につなげることが可能です。

見込み顧客との信頼関係を構築する

BANTCを活用するうえでは頼関係を構築することが重要です。BANTCは、見込み顧客の評価や優先度を決定するためのフレームワークであり、見込み顧客のビジネスニーズを理解する一方で、信頼を築くための手段ともなります。

予算感や課題に対する必要性を把握することで、より適切な提案やソリューションを提供することが可能です。信頼を築くためには見込み顧客に対して透明かつ価値ある情報を提供し、見込み顧客の立場や課題に真摯に向き合う姿勢が求められます。

まとめ

BANTCとは、営業活動において予算の明確化、権限を持つ人やニーズの把握、導入のタイミングや競合他社を前もって把握することです。これらの要素により見込み顧客の見込み度合いを前もって把握し、営業活動を効率的に進められます。予算の明確化は、提案や価格交渉においてスムーズなコミュニケーションを可能にし、権限を持つ人やニーズの把握は、個別化された提案やソリューションの提供に繋がります。導入のタイミングや競合他社の情報を事前に知ることで戦略的なアプローチが可能となり優位性を保つことが可能です。

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