COLUMN
【LiB Mobility経営 vol.14】
会社ぐるみで実現する!プロ意識の高い人づくりセミナー
2022年6月3日、リブ・コンサルティングは残価設定型クレジット推進をテーマとするオンラインセミナーを開催しました。セミナーでは、当社コンサルタントが残価設定型クレジット獲得の意義について解説すると共に、当社支援先企業であるネッツトヨタ兵庫株式会社様から登壇者を招き、残価設定型クレジット比率大幅向上を実現したポイントを伺いました。本稿ではその内容を抜粋してお届けします。
残価設定型クレジット比率60%超を実現!
会社ぐるみで実現する!プロ意識の高い人づくりセミナー
株式会社リブ・コンサルティング
モビリティ・インダストリーグループ マネージャー
下井 崇裕
残価設定型クレジット推進が人財育成につながる
残価設定型クレジット獲得に注力しているカーディーラーに話を聞くと、取り組む意義としてよく挙がるのが以下の3つの理由です。1つ目は、割賦比率を高めることが求められているため。2つ目は、代替しやすくなると聞いたため。3つ目は、金利収益を高めるためです。これらは全て残価設定型クレジット獲得に取り組む正当な理由です。ただし、残価設定型クレジット推進にはさらに重要な効果があります。それは従来当たり前として考えられていた所有を前提とした売り方から、利用という売り方へのシフトにパラダイムシフトが起こることです。それが自ら考えて主体性を持って行動するプロ意識の高い人財の育成につながることです。
変化する時代こそチャレンジできる人財が必要
主体性を持つ人財育成は、変化が激しいこれからの社会情勢で重要性を増していく取り組みです。外部環境を見てみると、人口が減少に転じ、国内経済が停滞期に移っています。大量生産方式とマニュアル化により、良いものを作って頑張れば売れていた時代が終わり、顧客を理解し、価値を創造することが求められていますし、カーディーラー業界においても、トヨタ系カーディーラーの併売化、顧客の多様化、デジタル化、メーカーのモビリティ化、代替サービスの台頭といった変化が起きています。この変化を乗り越えていくためには、従来のように車の販売台数と修理台数を伸ばすだけでは足りません。将来的な顧客数を拡大する必要があり、そのためにも、主体性を持つ人を増やし、新たなことに挑戦し続けていくことが重要です。マネジメントの観点から見ると、あらゆることが変化する状況では過去の成功体験が通用しづらくなっています。正解や王道がない時代だからこそ、新たな成長に向けてチャレンジする組織づくりが求められます。
残価設定型クレジット比率大幅向上
ネッツトヨタ兵庫様の取り組み事例
ネッツトヨタ兵庫株式会社
取締役新車営業部長
小林 正樹 氏
ネッツトヨタ兵庫様は、当社支援を通じて残価設定型クレジット比率(新車直販)を大幅に向上させました。
その取り組みについて話を伺いました。
定量、定性の両面で大きな効果が生まれた
50%の壁。これが当社の課題でした。残価設定型クレジット獲得の成果は個人差が大きいのが難点。取れる人、取れない人の差が自然と生まれ、取れる人の事例を展開しても「あの人だからできる」という考えが生まれてしまいます。これは非常にもったいないと考えて、当社が支援を求めたのがリブ・コンサルティング(LiB)さんです。先に成果を見ると、定量面では、研修前時点で39.1%だった残価設定型クレジット比率が、22年5月時点で69.3%まで上がり、残価to残価も40%くらいまで向上しました。定性的な成果の面では、スタッフ全体の活動として、N-24活動が浸透するとともに、ツールを活用した面談の事前準備が定着。各店舗では、店長と残価設定型クレジット推進リーダー役であるトップガンが中心となって好事例を創出し、各店舗で展開することにより、残価設定型クレジット推進力が向上しています。特に重要なのがトップガンの活躍です。店長のフォロワーとして店舗内でアドバイスや議論を行い、店舗でのコミュニケーションが活性化したことで、残価設定型クレジット推進の方法をみんなで考え、教え合う風土が定着することとなったのです。
成果が生まれた理由
このような成果が得られた理由はいくつかあります。効果が大きいと感じたのは、使用するトークスクリプトや面談シナリオ設計シートといったツールです。トークスクリプトは提案力を高めるためのスクリプトで、全員が内容を覚えるとともに、ロープレ試験も行いました。当初は「覚えるのが大変」という声もありました。しかし、取り組みが進むにつれてスクリプトの重要性と必要性が認知されていきました。面談シナリオ設計シートは、お客さまの情報を細かく収集するもので、面談するお客さまごとに事前にシナリオを設計します。設計ポイントはどんなお客さまか、今までどのような面談してきたか、いつまでに、どのような取引を求めているか、今回の面談をどんな面談にするか、など。より詳細な情報が得られるようになったことで、面談と商談の効率が向上し、高回転で新車に乗り続けてもらうための種まき効果が生まれています。社内では、まずやってみる環境を作ったことも成果につながりました。トークスクリプトにしてもシナリオ設計にしても、着手前は気乗りしないスタッフがいるものです。トークスクリプトは「長くて覚えられない」と考える人がいますし、シナリオ設計も「何を考えればいいかわからない」「時間がない」と考える人がいます。しかし、そこで止まってしまうと先へ進めません。ですから、まずやってみます。すると、お客さまから良い反応が得られたり、成果が出たり、やってみた効果を実感できるようになります。この体験が重要。意識を変えるのは大変ですが、行動して成功体験を得ることで、自然と意識が変わっていくのです。ここでもう1つ重要なのは、成果を出した人の取り組みを、他のスタッフが「徹底的にパクる」ことです。徹底的にパクるを略して、当社ではみんなでTTPと呼んでいます。
推進活動の維持と向上に取り組む
残価設定型クレジット推進を浸透させていくカギは、車のプロとしての提案責任を持つことだと思います。例えば、ベテラン営業は自分なりの売り方で売れますので、わざわざトークスクリプトを覚えるのを面倒に感じる場合があります。残価設定型クレジットに懐疑的で、金利払うのがもったいない、現金で買った方がいい、と提案する人もいます。当社にもそのタイプのベテラン営業がいました。当人独自の方法で売れているため、当初は残価設定型クレジット推進に価値を感じていなかったのです。しかし、今回LiBさんの取り組みを通じて、残価設定型クレジットについてきちんと伝えることもプロの役目なのだと認識するようになりました。以来、面倒くさがっていたスクリプトを完全に覚え、残価設定型クレジットの仕組みやメリットを学び、現在は残価設定型クレジット比率がほぼ100%になっています。もともと能力が高い営業は、残価設定型クレジットを通じてさらにレベルの高いプロになるのです。プロ意識は、会社や店舗が自立的に残価設定型クレジットを推進していくためにも重要なポイントになります。
LiBさんの支援期間が終了すると成果が下がりやすくなります。伴走者がいなくなることで緊張感が緩んだり、個人や店舗の残価設定型クレジット比率が向上したことに満足し、気を抜いてしまったりするのです。当社もその状態となったため、支援終了の3ヶ月後に自社で「おさらいワークショップ」を開きました。車のプロになっているか、お客さまに選ばれ続けるための活動が出来ているかを問いかけながら、いま一度、トークスクリプトやシナリオ設定を見直し、全体で学び直しをしたのです。残価設定型クレジット推進の成果はLiBさんの支援によって得られますが、推進活動の継続と向上は本部の役割。お客さまと社員に選ばれ続ける、ファンになってもらう、そのためにプロとして活動していくことを経営が明確に打ち出し、各々の役割を店長やトップガンに丁寧に落とし込んでいけば、残価設定型クレジット推進はブレない活動になりますし、成果も継続できると思います。
店舗スタッフをやる気にさせる
トップガンの役割
ネッツトヨタ兵庫株式会社
加古川野口店 マネージャー
早瀬 英明 氏
ネッツトヨタ兵庫様にて、残価設定型クレジット推進のキーパーソンとなったのが推進リーダー役のトップガン。取り組みを始める前と後でどのような変化があったか伺いました。
まずは自分がメリットを理解することが大事
取り組みを始める前の状態で、私の残価設定型クレジット比率は43%ほどでした。全社平均よりも上でしたし、個人的にはそれなりに獲得できていると思っていました。また、残価設定型クレジットについて半信半疑で、本当にお客さまにとって得なのだろうか、という考えもあり、一度説明して断られた場合はそれ以上の説明はしていませんでしたし、そもそも残価設定型クレジットについての知識が不足していたため、お客さまからの質問にしっかり答えらえないこともありました。しかし、残価設定型クレジット推進リーダーのトップガンとなり、その意識が変わりました。お客さまに対しては、残価設定型クレジットのメリットをしっかり伝えたいという気持ちが強くなりましたし、店舗代表として、成果の面で他店舗に負けたくないという気持ちも芽生えました。
知識と経験が増え残価設定型クレジット比率も向上
取り組みを始めてからは、「新しい車の買い方があります」「ご存じでしたか?」と自然に投げかけれられうようになりましたし、反応が薄いお客さまに対しても、知らないともったいない、こんなメリットがある、新車購入者の6、7割が選んでいる、といった話をして、最後まで提案を聞いてもらえるようになりました。これは知識があるからできることで、取り組みで学んだ成果の1つといえます。また、提案回数を重ねていくことで、話の切り出し方も固まっていきました。新車購入の商談を例にすると、まずは車の話をする前、お客さまがカタログを開く前に残価設定型クレジットの話をします。ここで共感を得ることが重要で、残価設定型クレジットのメリットをしっかり伝えます。次に、手持ちの車の下取り査定がありますので、その待ち時間にもう一度話をします。最後は、支払いのタイミングで、本当に現金で良いか確認します。車は時間と共に価値が下がりますが、お金の価値は変わりません。現金はなるべく手元に置いておいた方がいい、お金の使い方について考えてみてほしい、といったことを伝えます。実際、車の資産価値が下がっていくのはもったいないことですし、それが明確に理解できたことも取り組みの成果です。その考えを身内に話すような感覚でお客さまに訴えられるようになった時、自分が車のプロになったと実感でき、結果についても、43.3%だった残価設定型クレジット比率が直近で73.3%まで向上しています。
チームの意識を持って全員で取り組む
店舗では、トップガンとしてスタッフ全員で前向きに取り組めるように注力しています。具体的には、全員がチームの意識を持ち、残価に対して前向きに取り組めるように声がけをしています。好事例は土曜日の営業ミーティングで共有し、悩んでいるスタッフの課題やお客さまへの伝え方もここで議論しています。今後もこの取り組みを継続していきます。すでに残価設定型クレジット比率が向上したスタッフが多く、さらに高まるのは難易度が高いのですが、今の実績は落とさないようにしなければなりません。気持ちを切らさないように周りを巻き込みながら、声がけを続け、ワンチームで取り組んでいきたいと思っています。
▼残価設定型クレジットを切り口に、顧客数・LTV向上に繋げる”組織づくり”のポイント▼
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- UPDATE
- 2022.07.12
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