めざましコラム　第74号　ボクはじっくり慎重派！？

新規フリー来店のお客様。
アンケートも取得、カタログ説明に試乗も実施。
取り敢えず… と査定と商談メモも見ていただいた。
さてと、 いよいよ車種やグレード、
オプションの絞り込みに入りたいところ。
ところが、 お客様の反応は今ひとつ。
ー んー、 今日はちょっと決められないね。 家に帰ってじっくり考えたいね。
ー あ… そ、 そうですよね。 ぜひ前向きにご検討をお願いします。
ー そうだね、 また今度はかみさんも一緒に来てみるよ。
ー あ、 それでは来週はいかがですか？
ー う～ん、 分からないなぁ。 行けたら行くよ。
ー そうですよね。 ではお待ちしておりますので。 本日はありがとうございました。

ベストではないけれど、 悪くはない。 ボクはじっくり慎重派。
だけれど店長からは叱られる。
ー おいおい、 なんで簡単に帰してしまうんだよ！ アポも取れていないで。
もっとガンガン押していけよ! それじゃあ、 決まるものも決まらないぞ!
もっとぐいぐい踏み込んでいかないと、 商談は進まないんだよ。
ー いえ、 あの･･･ はい。

ガンガンぐいぐいなんて言うけれど、 本当にそれで進むのですか？
お客様は 「じっくり考えたい」 って言ってます。
それを無視して、 ガンガンぐいぐいなんて、 おかしいんじゃないですか？

ボクはじっくり慎重派。 ガンガンタイプではありません。
だって、こないだは店長から褒めてもらいました。
3ヶ月掛かった商談で、 「あきらめずに、 最後までしっかり追い続けた成果だ！」
お客様にじっくりと考えていただいて、 しっかりあきらめずにフォローするのです。

ボクはじっくり慎重派。 ガンガンタイプではありません。
だけれど、 ボクだって、 お客様が決めると言ったらすぐに進めます。
お客様が今は決められないと言ったから、 じっくり考えると言ったから、 お客様の意向に沿っただけ。

お客様の意向を無視するガンガンぐいぐいなんておかしいですよ！

あなたが本当にしなければならなかったことはなんですか？
店長があなたに伝えたかったことはなんでしょう？

お客様の意向を無視して、 ガンガンぐいぐい進めること？

いえいえ、 そうではありません。
それで商談がうまく進むはずはありません。店長だって分かっています。
それでは店長は何を伝えたかったのでしょう。 何が問題だったと言っていたのでしょう。

お客様の意向に沿っただけ、 で、 商談の進行をお客様にゆだねてしまったこと。
お客様の意向に沿っただけ、 で、 一歩踏み込むことなく、 身を引いてしまったこと。

じっくり考えたい、 のは当然のこと。 数百万のお買い物なのだから。
だけれど、 それでお客様が決められるのか… それは完全にお客様次第。
自社になるのか、 他社になるのか、 はたまた車検になるのか… それが完全にお客様次第。

本当にお客様のため、 と考えるならば、 自分も一緒にしっかりじっくり考えなければ。
お客様に、 「自分も一緒にしっかりじっくり考えたい」 と伝えなければ、 はじまらない。

じっくり、 慎重に踏み込んでいこう。
お客様の意向に応えながら。

一緒にじっくり、 考えていこう。 お客様と一緒にじっくりと。
お客様が、 一人で思い悩むことのないように。
お客様が、 プロのアドバイスがないために、 もったいない選択をしてしまわないように。

一緒にじっくり考えていこう。 その思いを伝えよう。
お客様の意向に沿いながら、 自分自身も寄り添って。

― んー、 今日はちょっと決められないね。
家に帰ってじっくり考えたいね。
― そうですよね。 高額な買い物ですから。
じっくり考えたいですよね。
ご家族との相談もありますよね？
― そうだね、 また今度はかみさんも一緒に来てみるよ。
― あ、 奥様も今度のクルマは運転されるのですか？
でしたら、 ぜひとも奥様にもクルマをご覧いただきたいですね。
私もご挨拶させていただきたいですし。
来週末の奥様のご予定って･･･
― う～ん、 ちょっと分からないなぁ。
― そうですよね。
では今晩、 ご連絡申し上げますので、 そこで予定を合わせましょう。
じっくり考えると、 またいろいろと確認したいことや、
悩みがでてくるものですし。
私も自動車のプロとして、 一緒に考え、 検討して参りますので…
― ありがとう。 では、 連絡待ってるよ。

一緒にじっくり考えよう。 自分勝手に身を引かず、 一歩踏み出してみよう。
しっかり寄り添い進めていこう。