めざましコラム　第72号　時間がない！忙しい！！後手後手ループ脱出作戦

先月は受注で頑張った。 自分のギネスも更新できた。
今月は納車対応で大わらわ。 いつもはゆとりの月初がパツンパツン。
だけれどお構いなしにやってくる。 次から次へとやってくる。
僕の予定を狂わせる　お客様や上司からの「すぐやれ」指令。

「おおい、 あの書類はまだか？ あとはおまえだけだぞ」
店長から声が掛かる。
― ああ、 もう。 今言わなくてもいいのに…
そろそろやろうとは思っていたんですよ。
「はい、 スミマセン! 今からやります!」

― 確か、 書類はこのあたりに置いたはず…
納車手配確認をしていたパソコンの手を止め、 書類を探す。
書類を見つけたその瞬間に携帯の着信、お客様。
「はい、 ええ、 ちょうど連絡しようと思っていたんですよ…」

ふぅ、 ちょっと言いにくいことだったけど、 お客様も納得してくれた。
良かった良かった。さて… 何をしていたんだっけかな。
「あ、 電話終わりました？ 納車のお客様いらっしゃいましたよ」
受付スタッフから声が掛かる。

― え!? もうそんな時間？

時間がない　忙しい。

― しっかり段取り組んで仕事をしろよ。
店長、 先輩は言うけれど、しっかり段取り組んでいます。
だけれど、 段取り通りになんて進みません。

だって、 私たちはお客様商売。
お客様対応は最優先事項。 後回しなんて、 とんでもない。

段取りが狂うのも仕方がない。

だって、 私たちはサラリーマン。
上司から言われたら、 すぐに取りかかるもの。 余計な一言なんて火に油。

結局、 やらなければならないことなのだから。
今やっても、 後でやっても同じこと。

段取りなんて狂うもの。 段取り通りなんて行くわけがない。

そして店長から声が掛かる。
― おおい、無駄な残業するなよ! 早く帰れよ～

当たり前が難しい。

時間がない　忙しい。
自分の段取りお構いなしに、 次から次へと仕事が降ってくる。
お客様から、 店長から、本部から、同僚から…
そんなものだと割り切りたいが、 溢れて漏れて悪循環。
そろそろ限界、 どうしましょ。

本当に仕方がないですか。
本当にやりようがないですか。

お客様からのご連絡、 店長からの指示
すぐに取りかからねばなりません。 それはもちろんその通り。

すぐに取りかからなければならないから、 本来やるべき仕事は先送り。
やるべき仕事は後手に回る。 また言われてからやる羽目になる。

後手後手仕事の無限ループ。
いつまで経っても忙しいまま。 仕事のゆとりも心のゆとりも生まれない。

後手後手ループは生産性を阻害する。
結局やることではあるけれど、後手の仕事は無駄に時間が掛かるもの。
中断、 再開、 段取りの組み直し…
思うように進まぬストレスも、 さらに生産性を引き下げる。

後手後手ループ脱出作戦。
後手に回るから段取りが狂う。 後手に回るから「すぐに」対応しなければいけなくなる。

後手後手ループ脱出作戦。
先手をとれば、 後手にならない。
受け身で発生する仕事をコントロールしよう。 先手で仕事をコントロールしよう。

お客様都合の話だから無理？
いえいえ、 そんなことはないはずです。
後手後手仕事の8割は、 想定できた仕事のはず。
そろそろ手がけようと思っていた…
そろそろ連絡しようと思っていた…
ギリギリのタイミングではなかったから、 いつかやろうと後回し。
自分都合の段取りがじわじわ首をしめていく。

後手後手ループ脱出作戦。
残りの2割は仕方がない。
想定外のことは起こりうる。
想定できる8割の仕事に先手を打っていこう。

先手先手のコツひとつ。
「仕事の予告」の連絡を。 「納期の予告」の連絡を。

お客様や上司からの投げかけは
― ちゃんとやってくれているのかしら？
その「不安」からくるものなのだから。

先手の予告で安心を。
― あ、 店長、 例の書類、 今日戻ってから取りかかりますんで！
― 納期の件ですが、 まだ明確にならないんですよ、 今週末にもう一度…

その一言が「不安」を「安心」に変える。
先手の一言が、 信頼を生み出す。
後手後手ループの始点をつぶす。
自分の仕事、 段取りのコントロールを可能にする。

後手後手ループ脱出作戦。 無限ループを抜けだそう。
先手の予告で抜けだそう。

WRITER

TOHRU.Mコンサルタント

コンサルティング業務全般に従事し、特に組織活性化支援、マネジメント教育、セールス部隊生産性向上に取組む。カーディーラー拠点の営業生産性向上は、延べ100拠点を越え、机上論ではない『現場で活用できるノウハウ』と『本気の支援』に定評がある。