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めざましコラム 第66号 商談は知恵の団体戦!?
商談は知恵の団体戦。
自身の経験値に固執せず、 店舗全体の知恵と経験値で
お客さまに価値を届けよう。
商談進捗確認の電話。
奥様の同意がもらえずに、 どうやら一歩も進んでいない。
ご主人の口も気持ちも重たい様子。
さてと困ったどうしよう。
今月の読みの一台。 落とせない。
やはりここは団体戦。 誰かにすがってでも成果が欲しい。
先輩に相談だ。 知恵と経験をお借りしよう!
かくかくしかじか… 案件状況を報告する。
何か良い手はないでしょうか。
― う~ん、 そうだね。 どうやら奥様がハードルだね。
待っていても来店してくれないかもしれないから…
来場プレゼントを手土産に、 試乗車持って訪問してみなよ。
そして、 乗ってもらう前にね…
ふむふむなるほど。
そんなやり方もあったのか!試乗中のトークも教えてもらった。
話を聞いているだけで売れるような気がしてきた。
すぐにでもお客さまのところへ行きたいくらい。
先輩! ありがとうございます。
これで一台決まったも同然です。
さてさて当日、 試乗車に乗ってのご訪問。
奥様とも面談できた。 折角ですので…と試乗車に案内。
奥様にお乗りいただき、 いよいよ先輩直伝秘伝のトーク。
あれあれあれれ?
言われた通りにやっているはずなのに、 なんだか奥様に響いていない。
しっかり練習もしてきたのに、 どうにも上手く伝わらない。
ボクの目論見 もろくも崩れ、 受注と一緒にホットも消滅。
落ち込み隠せず、 先輩に報告。
― アドバイス通り実施したはずなのですが…
― いやぁでもおまえ。 今の話だと、 そりゃ奥様聞く耳持たないよ。
奥様は乗り換えること自体を迷っているのに、
さっきの話の仕方は 『乗り換える前提』 になってたぞ。
先輩、 そりゃないよ。 今の話は初めて聞きましたよ。
商談は 「知恵の団体戦」。
理想はわかる。 大事だとも思う。
自分の得意不得意把握して、 他人の得意の知恵をもらう。
それができれば万々歳。
だけれど結果はダメでした。
どうやら、 アドバイスをちゃんと理解できていなかったみたいです。
しっかりちゃんと聞いたつもり、 練習までして臨んだつもり。
何がどうして、 ずれてしまったのか…
商談アドバイスが難しい。
商談アドバイスの落とし穴。
案外すっぽりはまってしまう。
次の一手のシナリオだけを懇切丁寧にアドバイス。
― 試乗車を持って、 このように説明してきなさい
― 奥様をこうやって説得しなさい
― 競合車種とこのポイントで比較しなさい
― etc…
お客さまと次に、 いつ、 何をするのか。
その明確化を図ること。 非常に大事。 なくてはならない。
だけれどもこれだけでは不十分。 お客さまには届かない。
「何をするか」 はもちろん大事。
ただし、 もっと大事なことがある。
その一手が、 どのようにお客さまの気持ちを動かすのか、 である。
次の一手の目的は、 お客さまの気持ちを動かすこと。
買いたい気持ちを動かして、 更に具体的に欲しくなるように。
迷い悩む気持ちを動かして、 やはり買おうかなと思えるように。
お客さまの 「今の気持ち」 を共有しないまま、
目的を共有しないまま、
そんなアドバイスでは、 お客さまの気持ちは動かせないのです。
そのお客さまの 「真のニーズ」 は何ですか?
そのお客さまの 「一番のハードル」 は何ですか?
はやる気持ちをぐっと押さえ 「何をするか」 の前に考えよう。
「動かしたいお客さまの気持ち」 は何だろう。
お客さまはいま、 何を求め、 何に迷っているだろう。
それが次の一手の質を変えていく。
それが、 アドバイスの効果を変えていく。
知恵の団体戦。
お客さまのことを真剣に考え抜くことから始めてみよう。
WRITER
- TOHRU.Mコンサルタント
- コンサルティング業務全般に従事し、特に組織活性化支援、マネジメント教育、セールス部隊生産性向上に取組む。カーディーラー拠点の営業生産性向上は、延べ100拠点を越え、机上論ではない『現場で活用できるノウハウ』と『本気の支援』に定評がある。
- UPDATE
- 2015.06.09
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