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めざましコラム 第47号 あいさつの唱和
ますます当たり前が難しい
笑顔で元気にあいさつの唱和!
「集~合~ぅ!」
朝礼当番からの号令一声。
小走りで来る人、ゆっくり歩いて来る人、話しながらやって来る人
そして時間に遅れる人。
いつもの朝礼、いつもの風景。
店長から新車の進捗について話がある。
いつもの通り、イマヒトツ。
ボクの実績もイマヒトツ。何となく目を伏せ、うつむいてしまう。
工場長からサービスの進捗。これもやっぱりイマヒトツ。
周りの皆もうつむいている。
朝からどんより重たい空気
その後は順番にひとりずつ、本日の予定の報告を。
誰に報告しているのか、いったい誰が聞いているのか。
うつむいたまま、床に向かって報告し、床の声を聞いている。
そして最後はあいさつの唱和。
今週の当番はボクだから、仕方なく一歩前に足を進める。
大きく息を吸って顔を上げる。輪になったメンバーに目を向ける。
だけれど、誰とも目が合わない。表情ない顔は下を向いたまま。
「おはようございます! 今日も明るくさわやかに!」
『おはようございます… 今日も明るくさわやかに…』
低く重たい輪唱が、床に当たってぼわんと響く。
「いらっしゃいませ! 元気に笑顔でにこやかに!」
―笑顔なんてひとつもない…
「お待たせ致しました! 常にお客様の立場・気持ちに配慮して!」
―配慮のかけらも感じない…
「ありがとうございました!またお越しくださいませ!
感謝の気持ちを忘れずに、すべてのお客様に感謝しよう!」
―倍増するイマヒトツの空気感…抑揚も表情もないまま進む。
「今日も一日宜しくお願いします!」「宜しくお願いします…」
嗚呼…あいさつが難しい。
新入社員研修で習いました。
挨拶とは「自分の心を開いて、相手の心に迫るもの」。
『挨』の字には『ひらく』、『拶』の字には『せまる』という意味があるのだそうだ。
挨拶の唱和は何のため?
うつむき、無表情に、心を閉ざして行って、何か意味あるものですか?
皆が時間使って集まって、暗い気持ちを確かめ合って、どんな価値を生み出しますか?
挨拶の唱和は何のため?
大事なひとつの開店準備。心のスイッチを入れるため。
お客様に向かう心と身体の準備運動。
一人目のお客様からしっかりとした挨拶でお出迎えできるよう
「声をほぐし、表情をほぐし、そして心をほぐす」もの
それが挨拶の唱和。
当たり前が難しい。
しっかり顔を上げて、大きな声で唱和しよう。
うつむいて、床に向かって挨拶しても、声はちっともほぐれない。
あごを上げ、大きな声を出せば、のどがまっすぐ伸びるはず。
しっかりと大きな口をあけて、ひと言ひと言をはっきりと唱和しよう。
ぼそぼそと小さな口で話していても、表情は固く、暗いまま。
あいうえおの一音をしっかり口を開いて発声すれば、表情筋がほぐれるはず。
しっかり笑顔で気持ちを込めて、口角上げて唱和しよう。
今日のこの日を共に働くメンバーに、気持ちを込めて挨拶する。
一番最初のお客様に、最高の笑顔で挨拶できる準備がしっかりと整うはず。
「おはようございます! 今日も明るくさわやかに!」
『おはようございます! 今日も明るくさわやかに!』
皆の明るく大きな声が、ショールーム内でりんと響く。
唱和の前に店長が言いました。
―先日、お客様からこんな言葉をいただいた。
「あいさつと店の雰囲気が良くて、それでこの店で買うことに決めたんだ!」
あいさつが変われば、朝礼が変わる。
イマヒトツの空気感を打ち破り、新たな心のスイッチが入る。
あいさつが変われば、お店が変わる。
準備を重ねたあいさつは、しっかりお客様の心に届くから。
WRITER
- TOHRU.Mコンサルタント
- コンサルティング業務全般に従事し、特に組織活性化支援、マネジメント教育、セールス部隊生産性向上に取組む。カーディーラー拠点の営業生産性向上は、延べ100拠点を越え、机上論ではない『現場で活用できるノウハウ』と『本気の支援』に定評がある。
- UPDATE
- 2013.11.07
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