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めざましコラム 第34号 配慮の試乗にもうひと工夫

試乗は大事。買う気を高める大事な体感。

試乗中―

しっかり体感いただけるよう、お客様への配慮は欠かせない。

慣れない試乗車の運転への不安もあるはずだ。

集中して運転できるよう

細かな説明は、試乗の前後で。質問への回答は簡潔に。

とは言え、沈黙も居心地が悪いはず。

リラックスして運転できるよう

他愛もない雑談がちょうど良い。考えずに答えられる質問が適度で良い。

普段行くショッピングセンターや、実家の場所など

運転の邪魔にならぬよう、体感を見守り、適度な会話でしっかり試乗。

 

なかなか良い感じで会話も弾んだ。試乗もじっくり体感いただけた。

このクルマの良さも伝わったはず。

商談テーブルに誘導しながら、感想を聞く。

「いかがでしたか?」

「うん、良いクルマだね!」

あれ? 期待と異なる曖昧な感想。

―ここは良かった!気に入った!

―これはすごいね、今のクルマと全然違うよ!

そんな感想が欲しいのに、その為にじっくり体感いただいたのに・・・

―加速は?取り回しは?乗り心地は?

具体的に質問をしてみたつもりだが、やっぱり返答は期待には至らない。

「うん、いいね」「いいね」「いいね」・・・

当たり前が難しい。

試乗は大事。買う気を高める大事な体感。

自動車雑誌で調べても、ネットで検索してみても、この体感だけは得られない。

だから大事。試乗で体感。

乗って初めて分かるそのクルマの良さというものがある。

だけど残念。一つ見落としている。

その良さは・・・乗っただけでは分からない。

見守っているだけでは、その良さを体感できるとは限らない・・・と言うことを。

お客様はプロではない。乗り比べの視点も経験もない。

試乗前に聞いたポイントだって、運転中に逐一思い出せはしない。

数時間前に乗った競合車種とだって、殆ど違いは分からないのだ。

実に試乗は奥が深い。

運転の邪魔をしないことは確かに大切。配慮は大事。

だけども、それだけでは物足りない。

しっかりとそのクルマの良さを体感いただかねばならない。

試乗の体感を演出しよう。それが同乗する営業スタッフの一番の仕事。

試乗の体感を演出しよう。

お客様にその魅力が伝わるよう試乗に工夫を重ねよう。

試乗コースのどこで加速を体感いただくのか、視野の違いを感じてもらうのか

小回りの良さは、静粛性は・・・

車種ごとに魅力は異なる。男女で伝わる魅力は違う。現有車種で比較ポイントも変わる。

しっかりと、そのお客様がそのクルマの魅力を体感できるよう。

そしてその場ですぐに感想を頂こう。

「ではここでアクセルを踏んでみましょう。力強い加速を・・・」

―おおっ グンと来るね!

―へ~、確かに交差点に立つと視野が全然違うのが良くわかるね。

試乗は大事。買う気を高める大事な体感。

一つひとつ演出していこう。

ポイント毎に「いいでしょ、これ?」「いいね、コレ!」

すると、お客様の買う気が一つ高まる。すると、試乗後の感想が変わる。

―いかがでしたか?

―あの加速は良いねぇ、魅力的だね。

WRITER

TOHRU.Mコンサルタント
コンサルティング業務全般に従事し、特に組織活性化支援、マネジメント教育、セールス部隊生産性向上に取組む。カーディーラー拠点の営業生産性向上は、延べ100拠点を越え、机上論ではない『現場で活用できるノウハウ』と『本気の支援』に定評がある。
UPDATE
2013.02.04
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