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めざましコラム 第18号 何でそのクルマなんですか!?敗戦
「色々とお世話になっていたのに、申し訳ないんだけど・・・
今回は×××(ミニバン)に決めちゃったんだよね」
絶句の私。ミニバン!?頭の中で「?」が踊る。
― 何でそのクルマなんですか!? ―
勢い込んでのクロージングアポの電話。『想定外』の反応に、言葉が詰まる。
「あ、あの・・・先日はコンパクトの〇〇〇と▲▲▲で迷われて・・・」
「うん、そうだったんだけどさ。色々あってね。決めちゃったんだ」
― 色々って何だ!?話が違うじゃないか!―
ミニバンだったら、うちにも良いクルマがあるよ!
声にできない言葉が、次々と頭を巡る。
だけど、結果は変わらない。
私との商談中には一度も出てこなかった『想定外』の車種での競合敗戦。
「コンパクトの○○○を考えています」お客様から口にされた。
― もしかしたらミニバンも…定石どおり、他の車種だって確認をした。
「ミニバンタイプは検討されていますか?◇◇◇などがお勧めですが」
「いや、ミニバンは検討していないよ」
それならばと、満を持してのクロージングのつもりだった。
「何でミニバンを提案しなかったんだ!?ちゃんと勧めたのか!!」
「勧めたんですけど、お客様がコンパクトだと仰るので・・・」
店長にいくら質問をぶつけられても、敗戦理由は少しも見えない。
ミニバンだって勧めたのに。検討車種をちゃんと聞いたのに。
お客様は本当のことを私には教えてくれなかった。
私が知りたい。「いったい、何でそのクルマなんですか!?」
「何でそのクルマなんですか」敗戦。時折生じる不可思議敗戦。
お客様の希望を聞いて、車種を絞っての商談提案。
そして、希望にすら上がらなかった全く別の車種での突発敗戦。
― いったい、何でそのクルマなんですか!? ―
お客様にかみつきたくなる気持ちも分かる。
だけどしかし、本当にちゃんと聞けていたのだろうか。
確かに聞いてはいた。ミニバンの検討状況を。
しかし実は、聞いていたのは、「その時、その車種を検討していたかどうか」だったのだ。
事実、お客様はその時はミニバンを検討していなかった。
今現在ミニバンが『検討のテーブル』に乗っているかどうかを尋ねられたから、
お客様は「検討していない」そう答えただけなのだ。
お客様はクルマ選びのプロではない。
自分がその車種を検討している本当の理由に気付かず、
今現在の『検討のテーブル』に乗せていないクルマだってある。
ミニバンで商談を決めたスタッフは、
お客様が今現在『検討のテーブル』に乗せている車種を確認したのではなく、
『検討のテーブル』の上で、お客様が何を検討し、何に悩んでいるかを確認したのである。
だから『検討のテーブル』に全く別の車種も乗せることができたのだ。
「何でそのクルマなんですか!?」答えはお客様の『検討のテーブル』の上にある。
『検討のテーブル』上で、お客様がこれまでどのように車種を検討してきたのか、
本当はどんなことを検討したいのか、悩みを聞いていくのである。
― 何でこのクルマなんですか?
その車種を検討している理由を聞いてみよう。
検討している理由を知れば、お客様の『検討のテーブル』が見えてくる。
その『検討のテーブル』上にこれまでどんなクルマが乗ってきたか。
逆にどんなクルマが弾き出されてきたか。
お客様の思い込みにより、『検討のテーブル』に乗らなかったクルマはないか。
お客様の検討の流れを知り、悩みに気付いたスタッフは勝利者となり、
気付かなかったスタッフは『想定外』の車種で敗戦者となる。
お客様が『検討のテーブル』でどのような検討をしているのか、
どのような悩みがあるのかを聞いていこう。
そうすれば『何でそのクルマなんですか!?敗戦』がなくなり
あなたも勝利者となる。
- UPDATE
- 2013.02.03
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