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めざましコラム 第12号 ホントに点検いりますか??

データベースのリスト取り出し、受話器を持って、

毎月恒例「入庫」の誘致。


車検の呼び込み終えて、ため息一つ。


続いて法点、最後は6点。

連なるリストをひと睨み。受話器を握る。

「●●自動車の△△です。お世話になっております。

××様のお車なんですが、もうすぐ点検のタイミングでして・・・」

「あ、そうなの?特に問題なく走っているから大丈夫だよ、ありがとう。」

「そ、そうですか。ただ、お車は定期的な点検が必要でして・・・」

「う~ん。何か不具合なことがあったら行くから!」

「そ、そうですか。よ、宜しくお願いします・・・」

いつもの会話・・・。

想定通り、予想通りにリストに「×」が並んでいく。

頭の中で、営業部長の声が響く。 「車が売れない分、入庫を徹底的に入れていけ!」

やるべきことはやっている。

言われた通りにリストを出し、対象のお客様に全数コール。

しかし、結果はいつもの通り。

お客様のつれない態度もいつもの通り。

一体どうすればいいのだろうか。

お客様がつれない態度をとらないようなアプローチの仕方を考えれば良いのである。

とはいえ、それが出来れば世話はない。

まずはここから考えたい。

「どうしてお客様はつれない態度をとってしまうのか」

-法定点検なんて必要ないと思っているからである。

そうそう、それが一番の問題なんだ・・・

皆さんは思うかもしれない。

しかし何故、そう思うお客様に必要性を納得させられないのか・・・

それは、皆さん自身も思っているから。

法点って本当に必要なのか?

車検は良い。 通さなければ、乗れなくなる。

必要性が多分にある。 大義名分が立つ。

しかし、法定点検はというと、

「何も問題なく走ってるから大丈夫だよ」と言われれば

『そうだよな、問題ないなら要らないよな・・・』

と、心のどこかで思っている自分がいる。

ここからが大事な話。

果たして本当に「問題ない」のだろうか。

お客様はクルマのプロではない。

お客様の「問題ない」は、単に「問題が表面化していない」ということなのだ。

煙や異音が出れば誰だって気付く。

表立って見えない「汚れ」や「磨耗」は、開いて調べなければ誰も気付けない。

今日は「問題なく」ても、明日「問題が起こる」状態かもしれない。

目に見えた「問題はなく」ても、目に見えないところに「問題がある」かもしれない。

しかし、お客様は気付けない。

よって返事は「問題ないよ!」

だからこそ、我々クルマのプロがお客様にお伝えするのだ。

伝えるのは、法定点検のお知らせではない。

お客様のクルマの状態だ。

年式、走行距離、使用用途・・・我々は沢山のお客様の情報を持っている。

前回の入庫歴があるお客様だっている。

その情報をフル活用して、お客様のクルマを想像するのだ。

「年間1万キロだと、もうそろそろブレーキパットが交換時期かな?」

「今年で11年だな。タイミングベルトが損傷してるかも。」

点検項目を見ながら、一つ一つ確認してみよう。

改めて、そのお客様の点検の必要性が見えてくる。

あとは、そのままお客様にお伝えすればよい。

点検の誘致ではなく、「点検ポイントと整備の予告」をするのだ。

「○○様の走行距離だと、もうすぐバッテリーが寿命のタイミングなのですが、

どこかで交換されましたか?」

「そうですか。でしたら、一度うちで見させて頂けませんか?」

お客様に合わせた、お客様の為の点検のお勧め。

お客様の点検への納得感が上がるだけでなく、

「自分のクルマのことを真剣に考えてくれている」と、

あなたに対する信頼も大きく高まるはずである。

UPDATE
2013.02.03
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