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めざましコラム 第6号 「買って!!」が言えない営業マン
展示車見せて、 カタログ駆使して、 試乗でも大満足。
テーブル座ってお見積もり。 お客様の表情も真剣そのもの。
さて、いよいよクロージング。
—買ってください! のどまで出かけた言葉をぐっと飲み、
お客様の意向を確認する。
「で・・・ いかがでしょうか・・・?」
お客様は面食らう。
「これが一番お勧めです」 と言われると思っていたから。
とたんに不安になる。「もう少し考えた方が良いということかなぁ」
購入に傾いていた気持ちがぐらついてくる。
「なるほどね。 う~ん、 もう少し検討させてもらおうかな?」
すっきりしないお客様は近くのA店に車を停める。
「○○様だったら、 絶対にこの車が合ってますよ!!
ぜひ、 私から買って下さい!! 絶対に損はさせません」
熱意のあるクロージング。
思わずお客様のテンションも上がる。
「そんなに言うなら、 決めちゃおうかな。 で、 いつ頃届けてくれるの?」
そんなお客様の心理にも行動にも気付きもせず、
“いかかでしょうか営業マン”は、 店長に意気揚々と報告をしている。
「良い感じで、 話がまとまってきたので、 次で必ず決まりますよ!」
「買ってください」
その一言が言えなかった為に、お客様は隣のお店で決めてしまった。
頑張って頑張って温めたお客様の気持ちは、
そのままその隣の営業マンにさらわれてしまったのである。
店長が嘆く。
「最近の子は、 『私から買ってください』 と言わないんだよ」
お客様も言う。
「売る気が感じられなかった」「熱意が伝わらなかった」
だから、 他の店で買ってしまったのだ、 と。
なぜ 「いかがでしょうか?」 になってしまうのか?
ーそれは、 「いかがでしょうか?」 が、 お客様への配慮ある提案だと思っているから。
しかし、それは大きな勘違い。
「いかがでしょうか?」 と言われてもお客様は困るだけ。
営業マンの意志が見えないから、どうして欲しいかが分からないから
応えられない、 決められない。
お客様は悩んでいる。
何百万円もする大きな買い物である。
簡単には決められない。 心の中は、 不安で一杯なのである。
だから、 営業マンに一緒に悩み、 考えて欲しいのだ。
最後には、 ぽんと、 背中を一押しして欲しいのだ。
皆さんは経験がないだろうか?
自分があまり詳しくないものを買う時の気持ちを…
テレビでも冷蔵庫でも良い。
自分の中では、 ほぼ買うことを決めていても、 誰かに相談したくなってしまう。
誰かに賛成して欲しくなる。 背中を押して欲しくなる… そんな気持ちを。
お客様は、 最後の一押しが欲しいのだ。
大きな買い物だからこそ、 買ったあとの言い訳が欲しいのだ。
「○○さんが、 そこまで言うから買ったのだ」と。
まずは、 はじめの一歩。
「いかがでしょうか?」
その一言をぐっとのみこみ、 勇気を出してみよう。
「私から買ってください!! (絶対に損はさせません)」
自分の買って欲しい気持ちを、 熱意を口にしてみよう。
「しょうがないな」「あんたには負けたよ」
苦笑い混じりのお客様の言葉は、
「無理矢理買わされた!」 などという嘆きでも嫌味でもなく、
最後まで一緒に悩み、 考え、 背中を押してくれたあなたに対する、
「感謝の言葉」 なのだ。
- UPDATE
- 2013.01.29
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