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めざましコラム 第4号 「ディーラー車検は高いんでしょウィルス」の猛威

受話器ごしでも感染し、発症しても自覚症状はない。

感染すれば、着実に収益を蝕み、経営体力を奪っていく。

そんな恐ろしいウィルスが蔓延していると言う。

その名も「ディーラー車検は高いんでしょウィルス」。

 

このウィルスの最も恐ろしいところは

お客様からお客様へと感染していくのみならず、

自社スタッフにまでも感染していくところにある…


「いやぁ、今回はね。安いところにしようと思っているんだよ」

目の前が真っ暗になる。

前回まで二つ返事で自社に車検を入れてくださっていた。

人間関係も良好だと自分では思っていた。

「嫁さんからも少しでも安いところで!って言われてさ」

店長のしかめっ面が頭をよぎる。防衛率にサービス収益カバー率、口酸っぱく言われている。

しかし、頭を巡らせ、考えた挙げ句の言葉は

「そうですか…かしこまりました。乗り換えの時にはお願いしますね」


ウィルス警報発令中。


程度の差こそあれ、どんなスタッフでも一度や二度は経験したことのある場面のはずだ。

「こんなあっさり引き下がりません」「自社ならではの技術力を訴求しますよ」

色々と言い分はあるだろう。

しかし、多くのスタッフが聞けないでいる。

「何でディーラー車検が高いと思ったのですか?」

聞かない理由はシンプル。

「聞くまでもないこと」だと思いこんでいるから。

「ディーラー車検は高いもの」とお客様だけでなく、スタッフ自身も考えてしまっているから。

つまり、それがお互いの暗黙の了解になってしまっているのである。

 

本当にそんなに高いのですか?


誰でも、同じものを購入するならば「安ければ安い方が良い」。

当然の話。しかし、あくまでも「同じものを購入するならば」の話である。


お客様が比較している「値段」は、本当に「同じものの値段」だろうか。

ちゃんと同じ条件で見積をとって比較できているのだろうか。

そもそもお客様はちゃんと「比較」しているのだろうか…


当たり前が難しい。


新車商談では、まずあり得ない。

排気量の違い、グレードの違い、オプションの違い、値引き、下取り額の違い、

例え、敗戦するにしてもこれらを明確にして、一生懸命商談に臨んでいるはずである。


しっかりと競合比較を行い、ウィルス退治。

はじめの一歩は、競合他社の見積収集。

敵を知り、己を知れば、百戦危うからず…

競合のことも知らずに、戦いを挑むなど愚の骨頂。

情報がなければ戦えない。競合相手の商品力はもとより、見積の作り方、見せ方まで

知らなければならない。


何故なら、お客様も知らないから、である。

知らないままに、ウィルスに感染し、ディーラー車検は高いというイメージを持ってしまっている。

何と比較するでもなく、「高い」と信じ、「安い」ところを探しているのである。

まずは、自分のウィルスを退治しよう。

次いで、お客様のウィルスを退治しにいこう。

正しく競合先を知ることが出来ていれば、戦いようはあるはずだ。

少々の価格差くらいくつがえせるだけの技術力と人間関係はあるはずだ。

今こそ改めて、ウィルスチェック。

あなたのお店、「ディーラー車検は高いんでしょウィルス」に感染してはいませんか?

WRITER

TOHRU.Mコンサルタント
コンサルティング業務全般に従事し、特に組織活性化支援、マネジメント教育、セールス部隊生産性向上に取組む。カーディーラー拠点の営業生産性向上は、延べ100拠点を越え、机上論ではない『現場で活用できるノウハウ』と『本気の支援』に定評がある。
UPDATE
2013.01.29
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