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めざましコラム 第2号 しつこいと熱心
「もう少し考えさせてもらえるかな。
色々と迷っていて…うん。 決めたら行くから」
お客様が言う。
「あの…色々って…」
「いや、 決めたら連絡するから!」
言葉尻の 『しつこいよ』 を感じ取り、スタッフは渋々承諾。
「はあ、お待ちしております…」
『しつこい』 が怖い。
お客様にこう言われてしまうと、スタッフは身動きが取れなくなる。
何とかしなくては…とは思うが、どうして良いかは分からない。
営業部長は言う
「しつこいと言われてからが営業だろう! 待っていて受注が転がり込むか!」
しかし、残念。スタッフの身はすくむばかり。
スタッフの気持ちも分かる。
個人情報保護やら、特定商取引法やらと、動きづらい政策が気に掛かる。
本当にお客様から 「しつこい」 と言われてしまっては、どうしようもない。
しかし、一方でお客様のこんな声もある。
「熱心さが足りなかった」「売る気を感じられなかった」だから、買わなかった、と。
お客様は『熱心さ』は求めているのである。
当たり前が難しい。
『しつこい』 と 『熱心』 は紙一重。
しかし、しつこいは嫌われる。
一体何が違うのか?もっと足繁く通えば良いのか、しつこいを超えれば熱心に変わっていくのか…
しつこいと熱心の差。
それは、誰の為にそのフォローをしているのか、という一点に尽きる。
しつこいと思われてしまうのは自分の為だけのフォロー。
「検討は進みましたか?」「他社もご覧になったのですか?」
「週末のイベントに是非ご来場下さい」
単にお客様から 「答え」 だけを求めている。お客様の買い物の足しには全くならない。
こんなフォローに付き合っていてもお客様からすれば時間の無駄。
結果 「決めたら行くから」 となる。
熱心に感じてもらえるのはお客様の買い物が前に進むよう配慮したフォロー。
お客様の為のフォローである。
「先日お客様が仰っていた○○を調べて参りました」
「取り回しを気にされていたので、今のクルマとの寸法比較表を作りました」
お客様も自分の為に考え、持ってきてくれた情報には感謝し、喜んでくれる。
但し、買って欲しいという気持ちも大事。
自分を殺して、お客様に情報を提供するばかりでも、残念ながらお客様は満足しない。
このお客様に買ってもらいたい、良い買い物をしてもらいたい、
それが自分の喜び(実績)にもなる。
お客様にも自分にも嬉しい結果に向かって、一生懸命に考えてフォローをする。
すれば、お客様の反応も変わってくる。
「○○さんが熱心だから、あなたから買うことに決めたよ」
お客様の為に、でしつこいを熱心に。
当たり前が難しい
WRITER
- TOHRU.Mコンサルタント
- コンサルティング業務全般に従事し、特に組織活性化支援、マネジメント教育、セールス部隊生産性向上に取組む。カーディーラー拠点の営業生産性向上は、延べ100拠点を越え、机上論ではない『現場で活用できるノウハウ』と『本気の支援』に定評がある。
- UPDATE
- 2013.01.29
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