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成果実績

人財育成を最重要課題に活躍できる営業スタッフを生み出し続けるために

~岡山トヨペット株式会社~

10年スパンの中長期的目線で社員の成長を促す岡山トヨペットの取り組み

(左から)岡山トヨペット株式会社
取締役営業部長 上木 学 氏
営業部販売戦略室 店舗活動開発G 實石 賢二 氏

岡山トヨペット株式会社は、1956年(昭和31年)8月に設立された。同社は20店舗(2024年1月時点)での新車販売・中古販売などを通じて、岡山県の移動を支え続けている。岡山トヨペットは2017年度より、社員の営業力向上や組織力の強化を目的とした研修「高確率商談プログラム」をスタート。プログラムは改善を図りながら、2023年度に第8期を迎えた。今期行われた研修プログラムで得られた成果と共に、岡山トヨペットが掲げる人財育成への想いを伺った。

<Company Profile>
(会社名) 岡山トヨペット株式会社
(設立) 1956年8月(従業員数)540名 (店舗数) 20店舗
(代表者) 取締役社長 末長 一範
(事業内容)トヨタ系新車及び各種中古車販売/レクサス車・ダイハツ車の販売・整備
自動車の車検、点検、修理及び鈑金塗装/自動車用品、部品及びオイル類の販売
各種保険の販売/JAF取扱窓口/各種情報通信機器の販売

part1 先々を見据えて新たな研修プログラムを採用

岡山トヨペット様の、人財育成の方針について教えていただけますか?

上木学氏 (以下敬称略): 岡山トヨペットでは長年、仕事や自己成長への前向きな姿勢を養っていきたいという考えで、新人教育や管理職教育を進めてきました。研修内容は、マナー研修から店舗スタッフの商談レベル向上を目的とした研修まで、多岐にわたります。特に、後者の研修は「高確率商談プログラム」という名称で実施を続け、今期で第8期を数えます。

弊社は本プログラムの第1期から、研修の実施と改善に携わってまいりました。第8期まで継続して実施する中で、どのような変化を感じていますか?

上木:「高確率商談プログラム」では、営業や商談に欠かせない知識や実践の知識を学びます。その内容は抽象的かつハイレベルなもので、第1期ではまだ「この内容を私達の活動に活かせるだろうか」という不安があったのは事実です。

實石 賢二 氏 (以下敬称略): 私は第1期の受講生でもあります。確かに、研修内容には改善の余地があると感じました。一方で、営業活動で培った経験やノウハウと照らし合わせて、「その通りだ」と思う内容がいくつもあったのです。そして、「高確率商談プログラム」は継続する価値のある研修だと考えました。

私達は、どの研修も短期で成果が出るとは考えておりません。中長期的な目線を持ち、10年後に多くの優秀な人財を育てていきたいという想いで研修を実施しています。その観点から、時代の変化や自社に合った内容を模索しつつ、同プログラムの改善を続けてきました。

プログラム開始当初は全社員が対象でしたが、近年では対象が新入社員に絞られるようになりました。そこで私達は、参加者がより楽しく取り組める雰囲気が生まれるように、プログラムを変化させていったのです。
例えば、あるワークショップでは「お客様の購買ハードル7つを答えるまで帰れません!」と、クイズ形式にして場が盛り上がるようにしました。他にもアクションプランシートの作成やロープレの実施など、現場のアクションをより明確化できるような課題を提示するようにしました。

上木:改善と実践の結果、「高確率商談プログラム」は第1期と比較して、現座の研修内容は驚くほど良い方向に変わりました。

Part2 第8期のプログラムで何を行ったのか”

第8期となる今期の「高確率商談プログラム」は、どのような変更や改善を行ったのでしょうか?

實石:本プログラムは、導入の部分や資料の内容、伝え方、表現方法、運用方法など、毎年変化を加えて実施しています。特に第8期では、新入社員向けとして大きく3つの方向性を定めました。

  1. プログラムを通じて、新入社員が自分たちのアクションをやりきれる体制を構築する
  2. 新入社員のアクションに対して、店長や先輩社員がフォローできる体制を全店舗で確率させる
  3. プログラムをきっかけに、新入社員から店長まで店舗全体が意欲に燃えている状態を作り出す

新入社員への研修という点から、「講師の話を聞く時は相槌を欠かさないようにしましょう」「大きな拍手を送りましょう」など、ワークショップの参加ルールも周知させました。

實石:当たり前に思えるルールですが、それにどう向き合うかで新入社員の人となりを観察できました。

「この社員は別途、他の研修を受講させてさらに実力を磨いていこう」
「会話の中でそれとなくアドバイスしよう」

受講中の様子を見て、それぞれの社員と今後どう接するかを考える機会になりました。

第8期では、私達だけでなく各店舗の店長にも、積極的に講師を務めていただきました。さらに、新入社員の学びや実践に対して、店長からのフィードバックを積極的に促していきました。

上木:店長を務めている社員は、全員が優秀な営業成績を収めてそのポジションに就いています。かつては数字を残すことこそが、カーディーラーの店長に課せられていた使命でした。時代は流れ、現在は優秀な部下を育てること、より良い職場環境を整えることが、店長達の務めへと変わりました。この務めを果たすには、店長と他の社員が普段からコミュニケーションを取れる関係であることが重要です。

實石:研修を通じて、両者の関わり合いは大きく改善されたと思います。研修でインプットを重ね、現場での新入社員のアウトプットに店長がフィードバックを返すというやり取りが、成立しやすくなりました。このコミュニケーションを今後も重ねることで、全社員のレベルアップや店舗の働く環境の改善につながると期待しています。

研修を通じて、新入社員と店長の皆さんがコミュニケーションを取れる関係を気づけるようにしたのですね。

part3 店長のマネジメント意識の変化

第8期の「高確率商談プログラム」が生んだ成果についてお聞かせください。

實石:今回のプログラムは、新入社員へのインプットが主な内容でしたが、店長達を関わらせたことで、間接的にマネジメントへの意識が大きく変化したと感じています。

これまで店長達には、「本部での研修で〇〇を教えるので、店舗でのフォローをお願いします」というメッセージを伝えるに留まっていました。しかし、今回は店長達がより深く研修に関わったことで、新入社員へのフィードバックの質が格段に向上していたのです。

第7期でも店長にコメントを求めましたが、「勉強してください」「早めに行動してください」など、ドライな反応が中心でした。また、新入社員の皆様の繰り返しに対して、ポジティブなフィードバックはあまり見られなかったと思います。

それが第8期では、新入社員の皆様の努力を誉めるコメントが非常に増えていました。

「(ロープレで)”買いたい”と言ってもらえたのは素晴らしい成果だと思います」「いつも意欲的に頑張っていますね」といったコメントが特に印象に残っています。こうした店長のコメントが、新入社員様のモチベーション向上に大きく影響したと思います。

上木:上司は時に、部下に厳しい言葉をかけなければなりません。そのような瞬間も、研修で伝え方を意識できるようになったことで、新入社員に店長の想いが伝わりやすくなったと思います。

今まで以上に、「店長は自分のために指摘してくれている」と思える環境に変わりつつあると感じるエピソードですね。店長の想いが届きやすくなれば、「店長についていきたい」という社員様の感情を想起させて、店舗の一体感を強めてくれるようになるかもしれません。

期の研修プログラムでは、新たに「”指示待ち1年生”から、”教えたい1年生”になろう」というテーマを設けていました。

研修では、今の自分でもできる業務(お茶くみ、洗車など)を率先して行うことで、店長・先輩社員との関係構築や店舗全体の活性化につながることをお伝えしたのです。

また研修時には、新入社員様にこう伝えました。「入社1年目は、先輩社員の皆様に何でも質問できる絶好の機会です。この時期を活かして、店長に必ずアドバイスをもらうように行動してください」。新入社員様は私達のアドバイスを素直に聞き入れて、行動に移してくださいました。

上木:そうした声がけやコンテンツが、非常に効果的だったと思います。現在、管理職のあり方はとても難しく、言葉を選んで伝えたつもりであっても、パワハラ・モラハラにつながってしまうリスクがあります。

店長がどう接すればいいか躊躇してしまう状況で、新入社員が率先してアクションを起こしてくれたことで、コミュニケーションが取りやすくなりました。それが、新入社員のみならず店長の成長にも寄与したと思います。

part4 教育は経営でもっとも大切な活動

今後の人財育成で取り組んでいきたいことをお聞かせください。

實石:私は若手社員の育成を通じて、お客様の人勢を豊かにする自動車ライフに貢献できればと常に考えています。若手社員のほうが、より長くお客様と関係を築けるパートナーになりうるからです。

私は1~2年のスパンではなく、10年後にそれを実現できるような社員を育てていきたと思います。このことは、研修を受けた社員にも伝えています。

第8期の最終日に行ったロープレ試験で、ある新入社員が同じことを話していました。「私は新入社員なので、お客様と長くお付き合いできる関係を築けます」と。實石様の言葉が伝わり、営業活動に活かされていると感じる瞬間でした。上木様はいかがですか?

上木:教育は経営において、もっとも大切な活動だと思います。例えばプロ野球では、若手の育成を続けて選手層が厚い球団もいれば、すでに強い選手の獲得に注力して成績が安定しない球団もいます。会社もこれと同じで、継続的な強さを発揮するには教育に重点を置かなければなりません。

もちろん、人財育成と同時並行で採用にも力を入れなければなりません。しかし採用難が叫ばれている昨今では、自社を選んでくれた人財をいかに育て上げていくかが、企業にとっての最重要課題だと痛切に思います。

採用活動と人財教育の連動は、非常に大切なことですね。

上木:「高確率商談プログラム」を始めた2017年から、時代は大きく変わりました。コロナ禍の数年間で、研修の方法論も激変しました。その変化を捉え、常に研修内容のブラッシュアップや方向修正を図りながら、現場で活躍できる営業スタッフを育成し続けていきたいと思います。

實石:ありがたいことに、リブ・コンサルティングさんとは研修のあり方という点で、同じ方向を向いています。
今後も引き続き力を貸してください。

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UPDATE
2024.02.15
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