株式会社リブ・コンサルティング モビリティインダストリーグループ

WORKS

成果実績

本部強化および割賦営業プログラムに取り組んだ背景と成果

~トヨタカローラ香川株式会社~
トヨタカローラ香川株式会社 代表取締役専務 向井 良太郎氏

トヨタカローラ香川様は設立50年超の実績を通じて培ってきた地域顧客とのコネクションを活かすべく、2018年から紹介営業力の強化プログラムを導入。また、残価設定型クレジット(商品名NEXT-ONE)の営業強化プログラムも立て続けに行い、割賦比率における中四国トップクラスの業績を出すまでに成長しました。割賦営業および本部強化を推進しようと決めた背景と、プログラム導入の成果についてお話を伺いました。

 

変化の波をかぶる前に変化を勝ち抜ける体制を作る

リブ・コンサルティング(以下リブ):割賦営業強化に注力しようと決めた理由を教えてください。

向井良太郎専務(以下敬称略):併売化などを含めて業界環境が変化していく中で、会社の柱を作りたいと考えていました。当社は2018年にリブ・コンサルティングの紹介営業力強化プログラムを導入し、紹介営業を一つの柱として強化してきました。また、それとは別の柱として、早期代替に対応できる残価設定型クレジットプラン(NEXT-ONE)を柱に据えたビジネスモデルを作ろうと考えたのです。

リブ:リブ・コンサルティングによる研修では、前回の紹介営業力強化プログラムからほとんど間を開けずに今回の割賦営業強化プログラムをスタートしています。短期で集中的にプログラムを導入した理由を教えてください。

向井:併売化になる前にしっかりとした土台を作っておきたいと思ったためです。何でも売れるようになってから売れる体制を作り始めるのでは間に合いません。売れる状態になったときに、すでに売れる体制が整っていることが重要です。その点を踏まえて立て続けにプログラムを導入することに決めました。

リブ:割賦営業のプログラム開始以前、現場にはどのような課題があったのでしょうか。

高岡伸郎さん(以下敬称略):正直なところ、当時は何が課題なのかすらよくわかっていませんでした。現場の取り組みとしては、例えば、店長や部門長を集めて月一回の会議を開き、割賦に関する知識やスキルのインプットを行いました。そのような取り組みを何年か繰り返したのですが、いまいち実績は上がらず、できる人とできない人に分かれてしまう状態から抜け出せなかったのです。

リブ:営業力強化の研修では現場で動く店長やスタッフなどを対象とすることが多いのですが、貴社の場合は取り組みを指揮する本部メンバー向けに思考方法の強化を中心とした実践型コンサルティングを行うこととなりました。その背景を教えてください。

向井:変化の中で勝ち抜いていくためには再現性のある法則に基づきながら、どんな商品でも売れる人や店舗を育てていくことが求められます。そのためには本部主導で継続的に成功体験を作り出していくことが重要です。個別の店舗やスタッフ個人を強化することよりも、営業の方向性などを打ち出す本部の実力を高め、会社全体を強くしようと考えたのです。

リブ;プログラム導入を経て業績が伸びていくことになった成功要因(KSF)はどこにあったとお考えですか。

高岡:知識やスキルなど、われわれがもともと持っていた要素を、プログラムを通じてうまくストーリーという戦略を作って設計し直せたことがKSFなのだと思います。特に、事前に仮説を立て、割賦に対する成功ポイントを店舗展開前に調査および検討をして本部側で固められたのは大きなターニングポイントでした。プログラム導入以前と比較すると、割賦営業に関するスタッフの知識やスキルはそれほど変わっていません。しかし、本部の采配で成果は大きく変わりました。戦略設計と運営方法によってアウトプットが変わり、成果が変わるという点は衝撃でした。部長として、本部としてのあるべき姿とそれに対して必要な能力や仕事の仕方が分かったことも大きなKSFの一つだと認識しています。

向井:紹介営業強化プログラムのときと同様、マインドを変革できたことも成功要因だったと感じます。以前の営業スタッフは「割賦は大事」「だから提案しなければならない」という考え方でした。しかし、今回のプログラムでは、whyhow, whatといった複数の視点から考える力がつき、特にwhy「なぜこの商品を売るのか」について本部も現場も時間をかけて考えた結果、割賦を提案する価値を正しく認識できたとともに、「提案したい」という考えに変わったと感じます。

リブ:本部の思考はどのように変わりましたか。

向井:販売店の会合などでは、業績を伸ばしている店舗などがよく「本部の本気度」という表現を使います。当時は「何だそれ」という感覚で聞いていました。われわれもわれわれなりにですが、常に本気で取り組んでいたからです。しかし、今回のプログラムを通じて、その意味が分かったように感じています。以前と比べて、現場向けの研修や店舗訪問を通じて新しい視点や知識を得る時間とチャンスを積極的に提供するようになりましたし、ニンジンをぶら下げたりムチを売ったりするだけに終始せず、成果を出すためのマネジメントを真剣に勉強するようにもなりました。

具体的に言えば、目標だけ掲げ、やり方は一緒に考えないマネジメントではなく、あるべき姿をブラさず現場で起こっていることを定性的に定量的に現状把握し、そのギャップを分析する問題解決の思考法を実践できました。

成果によって自信が生まれ、より高い目標が目指せるようになった

リブ:プログラムとリブ・コンサルティングについての評価をお願いします。
高岡:業績に関しては、定量的には目標達成できましたし、成果が上がったということは喜んでくれるお客様が増えたということですので、CSについても成果が得られたと考えています。定性面においては、社内や店舗の雰囲気が以前よりも明らかに良くなったと感じますし、成果が出て、成功体験を積めたことも大きな成果だと感じます。結果、スタッフの中で「やればできる」という自信とプライドが生まれました。当初は県内でナンバーワンになるという目標すらも遠く感じていましたが、今では四国でトップクラスとなり、全国レベルで上位を狙えるようになりました。

向井:成果について私が重要だと思うのは、割賦を増やすというゴールを踏まえた上で、日々の業務を設計し、成果創出における共通のサイクルを回していけるようになったことです。成果創出サイクルの要素は五つあり、まずは「TTP」(「徹底的にパクる」施策の頭文字)の意識で良い点をまねて取り入れます。二つ目は「分析」で、TTPを通じて触れるあらゆる知識や情報を自分なりに分析し、理解しようとする姿勢が根づきました。三つ目は「自分事化」することです。知識や情報の整理によって抽象的に理解したことを、自分のやり方に落とし込みます。本部なら自社化です。4つ目は自分のやり方を実践し、「腹落ち」させることです。最後は「成果」です。高岡部長が述べたように、成果が出ることによって「やればできる」という自信も生まれますし、次の挑戦に向けた再び新たなテーマでTTPをスタートできます。このような成果創出のサイクルを作り出せたことにプログラムとリブ・コンサルティングによる支援の大きな価値を感じています。

リブ:最後に今後の目標について教えてください。

向井:「学習する組織」であり続けたいと思っています。今回は本部と店舗全体を主とした研修を行いましたが、会社が成長していくためのベースは個人です。一個人の成長欲求や、「知りたい」「学びたい」といった欲求がないと、いくら本部がたきつけても会社は成長しないと思います。そのため、今後も一個人が成長する楽しさを実感できる機会や経験を提供していきたいと思っています。また、将来的には、そのような役割を店長が担えるようになるのが理想です。というのも、個人の成長欲求にクイックレスポンスしていく上で、本部主導の対応は遠く、遅くなるため、現場にいる店長が細かいニーズを拾い、支援するのが良いと思うのです。そのためには、店長がたくさんの引き出しを持たなければならないでしょう。引き出しの多さや対応力、支援力は上司に対する尊敬にもつながる大事なポイントですので、本部が店長に知識や思考方法を提供し、店長がスタッフの成長を支援し、結果として会社全体が成長していくような形にしていきたいと思っています。また、当然ながら本部もまだまだ成長する必要がありますので、リブ・コンサルティングのような外部の脳を活用しながら、私たち自身も学習を続けていきたいと考えています。

現場はどう変わった?

プログラムの内容と効果について店舗スタッフはどのように感じたのでしょうか。ワーキングチーム*のメンバーである東バイパス店の田中健太さんにお話を伺いました。
*ワーキングチーム…割賦実績の上位6名を選出し取り組み期間中に現場のPDCAを牽引することを目的としたトップチーム。本部メンバーが1名パートナーとして付き、取り組み期間中は一緒にPDCAを回し、店舗の中心となって活動した。

個にとらわれていた視点が店舗、会社に向くようになった

リブ:割賦営業の推進を目指し、ワーキングチームの一員に選出されたときの感想を教えてください。

田中健太さん(以下敬称略):最初は何をどうするかわからない状態で、とりあえず営業としてトップランナーを目指せば良いだろうといった感想しか持っていませんでした。当時は個人で動いている意識が強かったため、店舗全体で成長していくイメージが薄く、店舗内のスタッフにもライバル意識を持っていました。

リブ:個人という意識が店舗やチームといった意識に変わったのはいつくらいのことですか。

田中:研修が始まってからもNEXT-ONEができてからも、個人でやれば良いという意識はなかなか抜けませんでした。ただ、個人でたくさん売ったとしても、総数で見ると他店舗の方が強く、勝てません。(そういう実態を冷静に見たときに、)個人として取り組む限界を知ったとともに、それまでの自分の考え方を変えなくてはいけないと思いました。

リブ:その後、周りに売り方や考え方を伝える役割を担い、会社全体としての成果も伸びていきます。具体的にどんなことを伝えたのですか。

田中:割賦営業に関しては、取り方のスキルに大きな差がないことは分かっっていました。(知識はすでに持っています。スキルもあります。)しかし、総数が増えないのです。その原因が何か考えたところ、母数なのだと思いました。受注の母数が増えれば自ずと割賦も増えると考え、それまで手薄だった母数を増やす活動に力を入れることにしたのです。そのための方法として、スタッフには、僕が普段どんな活動をしているか伝え、それが成果につながっていることを伝えました。(他にいい方法があれば教えてほしい、ないのであれば、)まずは私がやっている方法をやってみてほしいと伝えて、私の考え方ややり方を取り入れてもらうことにしました。

リブ:当時の営業方法にはどんな課題があったのでしょうか。

田中:シナリオレビュー(SR)*をしているときに感じたのは、ゴールがぼんやりしていることと、そのせいで提案が抽象的になっていることです。そのため、店舗のミーティングなどではSRに参加し、ゴールを明確にしました。また、シナリオを踏まえながら、お客様とのやりとりがこのパターンになったらこうする、このパターンならこうするといったことを確認し、シナリオにないパターンになったら私のところに来てくださいと伝えました。ゴールが決まり、やることが明確になれば、あとは動くだけです。それを機に成果も出るようになりました。
*シナリオレビュー…翌日に面談および商談となるお客様全数に対して行う事前準備。店長もしくは教育を受けたレビュワーと呼ばれる代行者が営業スタッフの事前作成したシナリオに対して質問形式のフィードバックを行うミーティング手法。

リブ:最後に、田中さん自身の変化について教えてください。

田中:自分に向けていた目線が周りに向くようになったのは大きな変化ですし、周りを見ることによって考え方の幅が広がったように感じます。営業の目線から見ると、誰かに何かを伝える際の前提として、まずは自分がそれなりに売れていなければならないという思いはあります。ただ、その考えも少しずつ変わり、店舗全体で売れていれば、仮に自分がそのとき売れていなかったとしても良いのかもしれないと考えられるようになってきました。自分を見つつ周りも見るというという点で、私自身、今が営業として次のステージに進む変化点にいるように感じています。

 

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UPDATE
2020.11.19
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