株式会社リブ・コンサルティング モビリティインダストリーグループ

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成果実績

サービススタッフの力で、お客様を守り、サービス収益を向上させる!

~トヨタカローラ高知株式会社~

トヨタカローラ高知
代表取締役専務 西山 正純 氏

トヨタカローラ高知様は、高知県内に9店舗を展開するカーディーラーである。サービス入庫量は多いものの車検単価は全国平均並みか、それを下回る水準の会社であった。
2016年に サービススタッフのレベルアップに取り組み、車検単価、メンテナンスパック入会率など各種実績を大きく向上させた。その施策の一つとなったのが、同年4月からスタートしたサービススタッフ向けのプログラム(ツナギ営業力向上プログラム)である。
今回は、どのようにサービススタッフの提案力を高め、サービス収益の増加、メンテナンスパック入会率の向上に結びつけたのかに焦点を当て、代表取締役専務の西山氏、そして、飛躍的な成果を上げた朝倉店の二宮店長・坂本工場長にお話を伺った。

リブ・コンサルティング(以下リブ):トヨタカローラ高知様では、2016年4月からの約半年間、サービススタッフを対象とした「ツナギ営業力向上プログラム」にお取り組みいただきました。まずは、本プログラムを導入するに至った経緯についてお聞かせください。

西山専務取締役(以下敬称略):理由の一つは、営業スタッフに「仕事の負荷が掛かり過ぎている」と感じていたことです。あくまでも私の感覚ですが、大手家電量販店に例えると、全フロアの商品を1人で担当し、その上で故障・修理の対応も引き受けるというような状態。目の前の仕事をこなすのが精一杯で、全く余裕がありませんでした。

その一方で、サービスは営業から受けた仕事を淡々とこなし、作業結果をお客様に説明するだけという「好ましくない分業化」が進んでいました。本来であれば、そこに今後の安心・安全なカーライフのための提案が入るはずです。サービススタッフから提案活動を行うようにすることで、あるべき業務分担に変えようと考えたのが理由の一つです。

もう一つの理由は、サービススタッフの知識レベルと提案力を高めたいと思ったことです。例えば接客の場面では、サービススタッフがお客様から質問を受けることが多くあります。ショールーム内の車について聞かれたり、メンテナンスパックの詳細を聞かれたりすることがあるわけです。しかし、十分な知識がなく、納得いただけるレベルの回答ができていなかった。そのせいで戦々恐々としているというか、質問されることを怖いと感じているところがあったのです。そのような状況を知識を増やすことによって打破できれば、接客も楽しくなりますし、仕事のやりがいにもつながるでしょう。
サービススタッフの役割は車を完璧に整備・修理することですが、車は「ありがとう」とは言いません。どこからやりがいが生まれるかというと、自分の技術レベルを高めることだったり、車の持ち主と対話し、「整備してくれてありがとう」とお声をかけていただいたり、予防整備的なアドバイスをしてお客様から感謝していただくことです。その部分をプログラムを通じ、補完したいと考えたわけです。

リブ:自社での取り組みではなく、外部に委託した理由は何ですか?

西山:理由は単純で、「餅は餅屋」と思ったからです。豊富な商品知識や、提案が上手なスタッフは社内にもいます。しかし、経験則や実感値としてわかっていても、体系化して誰かに伝えるためには別のスキルが求められます。伝え方次第では、重要なことが誤解されて伝わったり、部分的にしか伝わらない可能性もあります。ですから、背景も含め、「現場がきちんと理解できるレベル」で伝えてくれるプロに任せたかったのです。リブ・コンサルティングであれば、この業界にも詳しく、他社事例やノウハウも多く持っているので、今回のプログラムをお願いしたいと考えました。

「お客様にプラスになることを提案する」という自覚の芽生え

リブ:プログラム開始前と現状を比べて、現場で変わったと感じるのはどのような点ですか?

西山:まず、現場スタッフの意識が変わったと思います。以前は、一つひとつの業務について「上司から指示されたからやる」というような意識がありました。メンテナンスパックや各種用品についても、提案する理由がよくわかっていないままお勧めするというような状態だったのです。しかし、プログラムの途中から現場スタッフの意識が変わり、「お客様にプラスになることを提案する」という自覚が芽生えました。
また、提案活動の大切さも腹落ちしたと思います。お客様のためによい商品を提供したい、そして、自分たちのファンになってもらいたいという気持ちが強くなったことが大きな変化です。

リブ:業績面では、車検単価、メンテナンスパック入会率の向上など、目覚ましい成果を上げていますが、それも意識の変化によるところが大きいのでしょうか?

西山:そう思います。例えば、プログラム開始前の車検単価は全国平均並みか、それを下回る水準でしたが、現状は平均を上回る水準に変わっています。これも「言われた作業だけやる」という意識から「お客様のメリットにつながることを積極的に提案していく」という意識に変わったためでしょう。

リブ:どのようにして意識変革を行っていったのでしょうか?

西山:大事なのは、「小さな成功体験」を積むことだと思います。実際に自分が提案したことによって、お客様から感謝をいただく。また、その結果として店舗の実績が向上する。こうした成功体験を積むことができれば自然と意識は変わってきます。そのためにも、プログラムで学んだ提案話法を身につけようと、ロープレを店舗で徹底していたのが意識変革の大きな要因だったように思います。ロープレによって、お勧めする理由や効果をしっかり説明できるようになり、それがスタッフ個々人の自信にもつながっています。
実はお客様の目線から見ても、営業スタッフが提案するよりサービススタッフが提案した方が、説得力が増す傾向があります。ツナギは、例えるなら「医者の白衣」のようなものだからです。その点でもサービススタッフが商品知識を身につけ、提案力をつけることは重要だと感じます。

<店舗の飛躍に注目>
昨年対比で車検単価+5500円、メンテナンスパック入会率+18%と大幅向上!

朝倉店工場長 坂本政憲氏

リブ:「ツナギ営業力向上プログラム」に参加すると最初に聞いたときの感想を教えてください。

二宮店長(以下敬称略):最初は私自身も含め、とまどいが大きかったと思います。これまでサービススタッフ向けの研修はほとんど実施しておらず、実施したとしても講義中心の研修のみ。「この半年で、何が起こるのだろう」といった感覚がありました。

リブ:車検単価、メンテナンスパック入会率ともに、目覚ましい成果が出ていますが、なぜここまでの成果が出たのでしょうか?

坂本工場長(以下敬称略):理由は三つあります。
一つ目は、店舗で毎週実施しているロープレです。プログラムで学んだロープレのやり方をベースにして、今週はATFオイル、来週はタイヤ、その次はメンテナンスパックと、毎週特定の商品テーマで提案ロープレを行いました。最初は戸惑いもあったと思いますが、いつからか「ロープレを毎日やるのが当たり前」という感覚になっていきましたね。
二つ目は、メンテナンスパック拡販、見積書作成フロー改善、来店オペレーション構築などの取り組みごとに「隊長・副隊長」というリーダーを設け、個々人の責任感が高まったことが挙げられます。正直なところ、私が特別に何かをやったという記憶はありません。「ああしてほしい」「こうしてほしい」という指示もほとんど出していないと思います。各テーマのリーダーが中心となり、スタッフをまとめながら取り組んでくれました。過去にこのようなタイプのプログラムはなかったので、それぞれが興味を持ち、面白さを感じながらできた部分が多かったと思います。
最後に、営業スタッフとの連携が強まったことが挙げられると思います。

サービススタッフの提案で「試乗車案内ブース」を設置! 代替につながるアクションを実現!

リブ:営業スタッフとの連携とは、具体的にどのようなことでしょうか?

坂本:例えば、営業とサービスのミーティングでも、従来はサービススタッフから意見が出ることが少なかったのですが、今はサービス側からの主体的な提案が増えましたね。「お客様のためにもっとこうしたい」という前向きな意見が多く出るようになったのです。その一つが、試乗車のご案内ブースです。入口からサービス待合までの導線の間に、試乗車の案内ブースを設け、入庫いただいたお客様へご案内を行うようになりました。営業スタッフからサービススタッフへ、各車種の魅力付けのポイントを教える機会も増え、相互のコミュニケーションが活発になったと感じます。

朝倉店店長 二宮尋一氏

二宮:確かにその点での変化は実感しています。もともとプログラムをスタートするときに、サービススタッフだけに限定するのではなく、できるだけ営業スタッフも巻き込みながら進めていきたいという意向がありました。そのため、キックオフミーティングも店舗全体で行いましたし、月2回くらいのペースで、どんなプログラムを行っているかを営業スタッフに報告する機会も作ってきました。そのような場を通じて営業とサービスの連携が良くなったと感じますし、どういうプログラムをやっているのかを営業と情報共有することが、店舗全体の成果を上げていくフォローにもなったと思います。

リブ:プログラムは11月で終了しましたが、今後の活動継続に向けた意気込みをお聞かせください。

サービススタッフの提案で始まった
試乗のご案内

二宮:プログラムが一段落したことで、意識が薄れるのを避けたいと思っています。まずはこのプログラムで学んできたことを継続し、忘れないようにすることが重要です。「継続は力なり」ですね。計画、実行、確認の三つをしっかり現場で実践し、少しずつさらなる成長を目指したいと思います。

坂本:このプログラムは会社とリブ・コンサルティングから与えられた「補助輪」だと思っています。おかげで、まずは真っ直ぐ進めるようになりました。これからは補助輪を外し、自分たちの力でしっかりと進んでいきたいと思います。これから繁忙期に入り仕事量も増えますが、忙しいときに実行できてこそ本物であると信念を持ち、今後も活動を発展させていきます。

取材日:2016年12月

 

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UPDATE
2017.03.27
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