めざましコラム　第58号　結論は？ VS 最後まで聞いてよ!

「店長聞いて下さいよ。
この前常連の中島さんがいらっしゃったんですけど、
最近、 担当の荒川スタッフと会ってないなぁって言ってたんです。
前にも同じようなことがあったんですよね。
でも、 最近荒川スタッフも忙しいみたいですし、
しょうがないかなとも思うんですよねぇ…」

「ん～… ごめん。 今忙しいんだ。 で、 何が言いたいの？ 結論は？」

「え…？ あ、すみません。
いえ、 先ほどまた荒川スタッフが担当の他のお客様から
お問い合わせをいただいたんで、 念のためと思いまして…」

「…おう、 そうか。 （念のため？ 結局俺にどうして欲しかったんだ？）」

まいったな… 彼女はいつもそうなんだ。
何で途中でやめちゃうんだ？

よく気がついて、 考えてくれていると思うから、
忙しくてもなるべくちゃんと聞こうと思って聞き返すのに、
結局、 機嫌悪くなっちゃうんだよな…
何でなんだろうか…？

ひどすぎる… 店長はいつもそうなんだ。
どうして最後まで話を聞いてくれないの？？？

せっかくいつもお越しいただくお客様なのに、
担当スタッフがご挨拶できていないのは良くないと思うから、
荒川スタッフが忙しいなら、
他のメンバーでサポートをしたらどうかと思ったのに…
どうしたら良いと言うの…？

お客様のため、 お店のためになるからと、
勇気を出して、 意見を言おうと話しかけても
かえってくる言葉は 「結論は？」

しっかり全部伝えようと思って話しているのに
途中で 「結論は？」 なんて言われたら
何か間違っているのかと思って、 怖くて…
何も言えなくなっちゃうよ。

だったらもう…
自分から意見を言うの、やめようかな…。

本当にやめてしまって良いですか？

自分で感じた意見を、お客様のため、お店のための意見を
閉じ込めてしまって良いのですか？

少しだけ振り返って考えてみよう。
店長は、あなたの意見を否定していましたか？
― いいえ、 否定はしていませんでした…

少しだけ振り返って考えてみよう。
店長は、もう聞きたくないと話を止めましたか？
― いいえ、 聞こうとは… 確認しようとはしてくれていました…

もう少しだけ振り返って考えてみよう。
お客様のため、 お店のために、と店長も考えているはず。
何かちょっとしたボタンの掛け違い。
「全部を伝えて、 理解してもらいたい」あなたと
「自分が何をすれば良いかを、 まず確認したい」店長と。

店長は 「結論から」 と言いました。
「結論だけで良い」 とは言いませんでした。
全部を聞くために、 まずは 「何が言いたいのか」 を知りたいと言いました。

少しだけ足りなかった言葉を足していこう。
店長にしっかりと聞いて、 理解してもらえるように足していこう。

店長が知りたいことは何でしょう。
きっと、 あなたがどんな気持ちなのかを知りたいはず。
困っているのか、悩んでいるのか
何か嬉しいことがあったのか
それとも、良いアイデアが浮かんだのか

店長が知りたいことは何でしょう。
きっと、 あなたが店長に何をして欲しいのかを知りたいはず。
相談にのって欲しいのか、 アドバイスが欲しいのか
ただ聞いてもらいたいのか
それとも、 他のメンバーに伝えて欲しいのか

「結論は？」
怖がることはありません。
店長の言葉も少し足りないだけなのだから。

あなたから、 ふたつの “はしご” をかけてみよう
ひとつはあなたの 「気持ち」
もうひとつはあなたが 「相手にして欲しいこと」

このふたつを整理したら、 自信を持って伝えよう。

店長、 ひとつお伝えしたいアイデアがあるんです。
是非検討していただきたいのですが…。
最近、 荒川スタッフが手がいっぱいで、
常連の中島様にお越しいただいてもご挨拶できていないみたいなんです。
他のメンバーで協力してサポートをして、
荒川スタッフがご挨拶できる時間を作ってみてはどうでしょうか。
店長、 どう思いますか？

そうすれば、店長からの返答も変わるはず。

いいアイデアだな。
確かに最近荒川くんには負荷が偏り過ぎているかもしれないね。
今日、荒川くんに話して、もしＯＫであれば明日の朝礼で全体に伝えよう！