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めざましコラム 第54号 ”勘違いCS”から抜けだそう

CS大事。会社の方針。
点数悪いと叱られる。部長直々猛特訓。
店舗メンバー全員で、マニュアル片手に必死のロープレ繰り返す。
頼む!CSよ上がってくれ!

週末、予約のお客様のご来場。部長が目を光らせる。
ビシッと駆け足。駐車場までお出迎え。

お出迎えでしっかり挨拶   ―OK、OK!
お名前確認、用件復唱      ―OK、OK!
着座誘導、ドリンク伺い   ―OK、OK!

作業説明、そして不明点の確認も怠らず…

OK、OK!OK、OK!
チェックバッチリ抜け漏れなし!

点検終了、報告完了。
クルマが見えなくなるまでお見送り。

OK、OK!OK、OK!
よしよし、いいぞ!マニュアル通りにおこなえた!
これでCS評価もOK!OK!OK!だ。

勢い込むボクらの元へ、後日届いたアンケート。
勢い打ち消す、思いも寄らないお客様の声。
「お店のみなさんは、とてもスムーズに対応してくれました。
でも、丁寧だけどなんだか流れ作業のように感じて…。
本当はちょっとナビの使い方で聞きたいことがあったのですが、
今回の点検に必要なこと以外は聞いちゃいけないような、
相談のしづらさがありました」

流れ作業!?相談しにくい!? 一体どういうことですか?
笑顔でしっかり対応できた。不明点だって確認をした。
「特にない」って言ったのは、お客様。

やるべきことはやりました。
だけど、まだまだ足りないそうです。
どこまでマニュアルを分厚くすれば良いのですか?

分厚いマニュアル。項目たくさん。必死に覚えて、必死に対応。
お客様に向ける笑顔の裏で、次のアクションをおさらい中。

”勘違いCS”に陥っていませんか?

お出迎えの時に「すべきこと」、着座の時に「すべきこと」…
お客様の為に…と事前にこちらで考えた「すべきこと」で頭がいっぱいになっていませんか?

ここに大きな勘違い。

「すべきこと」を徹底すれば、平均点は上がるでしょう。
だけれど、いくつもの「お客様の気持ち」が置き去りになるでしょう。

それでは、お客様は満足しない。

そしてもう一つ勘違い。

どれだけ多くのお客様の声を集めても
どれだけ必死に考えたとしても
マニュアルは万能薬にはなりません。

マニュアル通りは及第点。満足には至りません。
「全てのお客様」に向けたものだから。

マニュアル通りは通過点。お客様の満足は、その先に。
「お客様個人の気持ち」に向けたその応対に。

マニュアルに「+α」で応対を。
そのお客様のために、そのお客様の気持ちに応えていこう。
すべきことマニュアルに向けていた目を、半分お客様に向けてみよう。

マニュアルに「+α」で応対を。
「お客様個人の気持ち」に届くように。
ひとつ質問を投げかけよう。
ちょっと口に出しにくかった「お客様の気持ち」を引き出せるように。

+αで聴いてみよう。
―何か気になる点や、お困りのことはございませんか?

クルマの調子や不具合、整備内容の不明点などではなく
そのお客様の「気になること」を聴いてみよう。
自分のクルマと関係ない話でも良いはずだ。

+αで聴いてみよう。
―些細なことでも結構ですよ。せっかくの機会ですので…

お客様が口にしやすいように、気軽に答えられるように。
笑顔でおうかがいしてみよう。

―実は、ずっと気になっていたんだけど…
ナビの設定が変わってしまったみたいで、戻せなくて…

ここからの応対こそが、お客様満足への道。
しっかり受け止め、応えていこう。
マニュアルには描けない一人ひとりのお客様への応対を。

するとお客様の反応が変わる。お客様からの声が変わる。
―本当に親身になって相談に乗ってくれて、助かりました。
ありがとう。

UPDATE
2014.06.04
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