BLOG
めざましコラム 第43号 情報収集キャッチボール
新規来店のお客様
カタログで説明、展示車も体感。試乗もバッチリ、査定もOK。
良い感じ、良い流れ。
見積に条件入れて、グッとくるようなクロージング。
― う~ん、そんなに急いでいないから・・・
歯切れ悪く、目を伏せるお客様。
良い流れを引き戻そうと、口を開きかけたそのときに
― 色々と見てみたいからね。また来るよ。
残念ながら今日はここまで。良い流れも小休止。
「なかなか良い感じなのですが・・・」
ホット案件として店長に報告。いくつか質問が飛んでくる。
「色々と見たいって、どの車種をいつ見に行くの?」
― いや、多分来週末くらいに何店舗か回るかと・・・
「家族構成は4人ね。子供が二人? 何歳くらいなのかな?」
― スミマセン・・・分かりません。
「駐車場はマンションの敷地内ね。持ち家?立駐?」
― スミマセン・・・分かりません。
「支払いは現金、と。他で借りるの?それとも現金派?親ローン?」
― スミマセン・・・分かりません。
質問に応えるたびに、ボクの「良い感じグラフ」が下がっていく。
「アポは取れているの?」
― 一応、来週末に時間が取れたら来てくれることに・・・
また一つグラフが下がる。
小さくなるボクと、大きな店長のため息一つ。
「なんだかねぇ。情報収集が浅いんだよね。
聞いてはいる。だけど浅い。大事なところまで聞けていない」
「だ・か・ら クロージングできないんだよ。お・ま・え・は。
ちゃんと会話のキャッチボールしているのか?」
やっているはず、できてたつもり。
だけどもどうやら、違うらしい。会話のキャッチボールとは良く聞くけれど
いったいどうすればできるのでしょう。
情報収集キャッチボール
当然、ひとりじゃできません。
私が投げて、あなたが受ける。あなたが投げて、私が受ける。
ひとつのボールが行ったり来たり。
何度も何度も繰り返す。
情報収集キャッチボール。
あなたのボールは、何往復してますか?
次から次へと、新しいボールをお客様に投げてはいませんか。
― 何人家族なのですか? あなたが投げる。
「4人家族です」 お客様がボールを返す。
― そうですか。お車は何にお使いですか? あなたが新しいボールを投げる。
「ええ、主にレジャーです(家族の話はどこへ行った?)」 お客様がボールを返す。
― そうですか。いまお乗りのお車は何年くらいお乗りなのですか? 更に新しいボールを投げる。
「9年になります。(家族とレジャーはどこへいったんだ!?) お客様がボールを返す。
単なる「質問と回答」の繰り返し。
お客様があなたに投げたボールは、お客様に返ってこない。
あなたの足下に転がるだけ。
情報収集キャッチボール。
一つのボールでキャッチ&スロー。
その繰り返しが会話となる。
その繰り返しが情報に深みをもたらす。
情報収集キャッチボール。
しっかり相手のボールを受け止めて、そのボールを返していこう。
お客様の言葉を受け止めて、「復唱質問」で返していこう。
― 何人家族なのですか? あなたが投げる。
「4人家族です」 お客様がボールを返す。
― 4人家族ですか。お子様がお二人ですか?おいくつなんですか? 復唱して質問を重ねて返す。
「ええ、6歳と10歳で。二人とも男なんです」 お客様がまたボールを返す。テンポが良い。
― すると、お二人とも小学生ですかね。腕白ざかりですね。
「ええ、もう大変です。出かけると、クルマの中まですぐに泥だらけになってしまうんですよ」
― やぁ、大変ですね。シートやマットもしっかりと選びたいですね。 しっかりとボールを受け取る。
― 何かスポーツやられているんですか?それともキャンプなどに出かけられるのですか?
なんだかとっても自然にできた。同じボールでキャッチボールができた。
お客様の返答のテンポもどんどん良くなる。
しっかりとボールを受け取っていることが分かるから、安心してお話してくれているようだ。
質問することばかりにとらわれては、キャッチボールになりません。
キャッチボールに大事なのは、受ける姿勢。
当たり前だけど、お客様の話をしっかりと受け止め、聞くという姿勢。
情報収集キャッチボール。
お客様のボールをしっかりと投げ返していましたか。
- UPDATE
- 2013.07.05
ノウハウレポートダウンロード
経営戦略・ビジネスモデル構築から販売・人材教育まで幅広い情報を提供しています。