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めざましコラム 第11号 引継ぎなんて怖くない!
カタログ片手に、ネクタイと笑顔をミラーでチェック。
「よし!」と一声、気合い一発、チャイムを一押し。
「こんにちは~ ○○自動車です~」
「そろそろ車検の時期となりますが、お乗り換えはいかがお考えですか?」
「折角来てくれて悪いけど、まだ乗れるし結構です」
勇気を出して、もうひと言
「では車検はどうされますか?」
「まだ先の話だし…考えておくから」
―車検1ヶ月前
“考えておく”のひと言に、車を走らせ再び訪問。
しかし、車を停めれば、門の向こうは見慣れぬ新車。
「ごめん、よそでクルマ買っちゃった」
話が違う…乗り換えないと言っていたのに、考えておくと言っていたのに…
相談もしてくれなかったと嘆いても、本当の話をしてくれなかったと憤っても
結果は一つも変わらない。
事実は一つ。自分に何の相談もなく、新しい車を検討して、購入してしまったのだ。
店長への言い訳ばかりが頭をめぐる。
-いや、引き継ぎなんで… お客様が心を開いてくれないんですよ…
引き継ぎ客は難しい。
店長・営業部長の指示通り、代替提案に車検の誘致。
身体に根性一つくくりつけ、見知らぬ引き継ぎ客への突撃訪問。
武器も防具も身につけず「何とかなるさ」と“当たって砕けろ!
”そして無惨に砕け散る… まさに『竹槍特攻隊』
竹槍以外に、懐へ一歩踏み込むネタも、断り文句に応酬するトークもない。
結局、お客様との距離は遠いまま。定期接触という名の苦行難行に腰は引けるばかり。
引継ぎだから仕方がない
「だってお客様が自分のことを分かってくれていないから」~話も聞いてくれないんだから…
「それに自分もお客様の情報をよく分かっていないから」~前任者は何も教えてくれなかったし…
確かにごもっとも。
誰だって、よく知らない人を自分から分かろうと思うはずはない。
お客様のことを知らなければ世間話だって続かない。ついついカタログ一本槍になるのも分かる。
しかし、考えてみて欲しい。引き継ぎなんてこちら側の勝手な都合。
お客様には関係ない。お客様からしてみれば、あなたは単なる“新任担当者“
だから、お客様はあなたに対してこう思う。
―あなたは誰?信頼できる?
―なんでこのクルマ?
―私のことを分かってる?調べてきたの?
当たり前が難しい。
引継ぎでお客様の情報を知らないのであれば、調べたらよい。
お客様の情報を知ることができたならば、立ち向かう武器や防具となり、打ち手の幅が広がる。
そうすれば、引継ぎ客でも砕けない当たり方を考えることができるのだ。
改めて考えたい。全ての引き継ぎ客で玉砕ですか?
深い情報を得ているお客様は、もはや『引継ぎ』ではなく『自分のお客様』として仲良く接しているはずだ。
―この前はこんなことを聞かれたから、次はこんなことを話そう
―こう話したら、お客様はきっとこう反応するだろうな
自分のお客様と接する時は、懐に踏み込むネタや応酬するトークを沢山持っているはずだ。
深い情報を得ているお客様には、仕方ないなどという言葉はどこにも見当たらない。
特攻前に、情報武装をしてみよう。
入庫暦で車両情報を知ろう。
過去の注文書や顧客カードの情報からお客様のことを知ろう。
前任者が築き上げた、引継ぎという情報の山をひっくり返してみるのだ。
そして拾い集めた情報を身に纏い、お客様のところに自信を持って当たっていこう。
「前回点検されたのは1年以上前なので、そろそろエンジン周りが心配で…」
「息子さんが大きくなられて、
一回り大き目のクルマにご関心をお持ちかと思いまして…」
引継ぎ客に接する一歩目は、情報の“Give&Take”
お客様固有の情報を話してみよう。必ず反応が返ってくる。
―実は、最近エアコンの効きが悪くてね
―そうそう。今の車はまだ乗れるけど、そろそろミニバンも考えているんだよ
本当に仕方のない、手も足も出ない引継ぎ客などごくごく一部。
しっかりと情報武装して、チャイムを鳴らそう!
それだけでお客様との距離はぐっと縮められる。
引き継ぎなんて怖くない。
- UPDATE
- 2013.02.03
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